8月のある日。大阪天満宮にある酒処「日本酒 福」へ。
福井・小浜繋がり、鯖繋がり、おいしいもん繋がりの会合だ。
「福」の店主も小浜出身ということで、盛り上がらないわけがない。
まずは「SAPPORO★赤星」をクゥィ〜ッと。
*付き出し
「イタヤガイとカニ身の冷製茶碗蒸し」はオクラのあんとともに。
暑くて火照っていたカラダにすーっと馴染む。
忍ばせたトマトの甘酸っぱさで、後味も爽やかだ。
*お造り盛り合わせ
徳島の「鱧」は焼霜で。程よく脂がのっていて、香ばしさのなかに甘みを感じ、
滋賀の「琵琶マス」はキレイな脂がすーっと広がる。
ほかにも高知産「カンパチ」や岡山の「タコ」など、どれも存在感ある味わいだし
北海道の「大羽イワシ」の酢〆。この張りツヤ、エッジにはメロメロになった。
〆加減も程よいし、大羽イワシのノリにノッた脂のクリアな味わいを堪能。
即、日本酒へと。
福井の酒「常山 夏純吟」を。(福井市・常山酒造合資会社)
爽やか〜な香りが広がる。超辛なキレも好きやな。
ここで「おまかせ酒肴8種盛り合わせ」が登場。
「干し野菜の名田庄漬け」、「タコのにんにく醤油オイル煮」
「鱧の南蛮漬け」、「自家製シーチキンの酢味噌ポテトサラダ」
「鱧皮と縞瓜の酢の物」、「沖縄モズク酢」、さらには
「干し鰯トマト煮」、「子持ちシャコ味噌」と続くから
酒なんぼあっても足りん…という嬉しさが込み上げるし
ふぁっとエアリーで肝のコク広がる「鶏肝と味噌のパテ」や
チーズの濃厚な味わいがクセになりそな「4種のチーズの酒肴チーズケーキ」など。
これらはワイン誘う雰囲気かと思うけれど
すこぶる日本酒を欲する、風味と塩味なのだ。
*徳島鰻と夏野菜の生春巻き
徳島産の活鰻は蒸して白焼きにしたもの、
さらには鴨油と鰯のエキスでラタトゥイユ風にした夏野菜を合わせている。
ぷるんっと質感の生春巻きを頬張れば、鰻はふっくら風味もよく
夏野菜の清々しい旨みがえぇ具合に重なり合っていた。
今だと秋刀魚や名残の鱧で、ひとひねり利かせた肴を供しているんだろうな。
*鰻と野菜の葛煮
こちらも活鰻を蒸して白焼きに。厚みしっかり、ふくよかな味わいの鰻に
上品なうま味のあんが絡む。
このあたりで「店主のソウル酒」と品書きにある酒を。
*「若狭 普通酒」(福井 小浜・わかさ冨士)
残念ながら廃業し、酒蔵商標は別会社に譲渡となった「わかさ冨士」の、最後の酒だ。
良い意味で田舎酒な、ほっとできる味。
「若狭」とともに「鴨の肉豆腐」を。
コク深い鴨だしと豆腐が合うのなんの。
鴨肉は噛むほどに旨みがじわじわと広がり、「若狭」の素朴な味あいがマッチする。
そして〆のご飯・麺ものへと。
3人飲みだったから、少しずつ3種の味わいを楽しめた。
まずは「大羽鰯の棒寿司」を。
酢〆ですっきり脂じわりな鰯に、ゴマ入り寿司飯の風味がよく合う。
続いて「鴨佃煮の出汁ビーフン」。
この出汁で飲めるワケで(笑)
ビーフンはつるんっ、コシもあってついつい食べ進む味わいだ。
「鮮魚の出汁茶漬け」は、大羽鰯に琵琶マス、カンパチ入り。
するする〜っと瞬時に。しかし鮮魚の半生加減がたまらん。
「ほぉ〜〆たぁ〜美味しかった〜」っと満足げな私たちの顔を見るなり
店主のかずひで(藤原一秀さん)、自家製のデザートを食べてもらいたいと!
なになに?酒処で自家製アイスとな!??
ってことで一瞬にして別腹作動。
(酒も好きだけれど甘いものにも目がない私www)
「マスカルポーネとコーヒー」は、一瞬にしてその濃厚な味わいに魅了され
奥のアイスクリームは「白味噌」。ぐっと塩を利かせた甘じょっぱさがクセになる。
続いて「ごぼう」は、クリームにごぼうの香りがしっかりと移っている。
「韃靼そば茶」のほうは、すこぶる香ばしく
「おや?これらのアイス、日本酒に合うものばかりやん」となり
デザートのはずが、日本酒にリターン…(笑)
ラストは「杏子」と「三諸杉の酒粕」のアイスクリームの2酒。
どれも素材感強いし、テイクアウトしたいくらいクオリティが高いのだ。
しかも、添えられた飴細工まで作ったんだとか。
「飴細工30枚作って、成功したのはほんのわずか」とかずひで(笑)。
その心意気に乾杯だ。
そんな主が生み出す美酒佳肴のおかげで
小浜談義、鯖談義に盛り上がったことは言うまでもない。
平井さん、右田さん、ありがとうございました★
「日本酒 福」
大阪市北区天満4-16-5 あんじんビル1F
06-6809-3145
open : 17:00〜24:00(料理22:30LO、酒23:30LO)
close: 月曜
Massive Attack - Teardrop with Liz Fraser