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「Zucchero」旬魚の滋味とイタリア郷土の味。

京都・御所南
いつメンの皆さまとのご近所会は、
イタリアンの新星「Zucchero」ズッケロにて。
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2024年1月open

腕を振るうのは、京都のイタリアンの名店で
20年以上経験を積んだ勝村和彦さん。
開業前には「祇園さゝ木」で魚の扱いなど、和の技法を徹底的に学んだ実力派。

勝村マダム・羽衣さんのご実家は、
京都市中央市場の鮮魚商「日ノ丸水産」ということもあり、
なんせ魚介を駆使した料理が旨い。
しかも骨太なイタリア料理だって唸る味。
それらをアラカルトで楽しめるもんだから、
絶対にお連れしたい!って、この夜は御所南・ご近所会。



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私はロゼのPÉT-NATをグラスで。
「Domaine Sebastien Brunet "100%"」
フレッシュ感のあるベリー系果実の風味、清々しい酸味が
ジョギング後の身体に染み渡る〜。

ちなみにズッケロのワインセラー、凄いです。
イタリアワインのバックヴィンテージがあれば
あの自然派のマグナムもあり(大好きなCase Corini含む)
新進気鋭の作り手の一本に至るまで。瞬きを失う楽しさ。
詳しくは、来店してのお楽しみに。

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日替わり2品のストウッツィキーノ(付き出し)は嬉しいね。
この日は、ガスパチョと、キノコのブルスケッタ。
ガスパチョはトマトの清々しい風味が堪らんかったし、
ブルスケッタや優しく深い味わいが広がった。
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アラカルトは、魅惑的なメニューが多すぎて決めきれない!笑
4人だったので1皿のポーション、1.5〜2倍にしていただきお料理、続々と。



*天然活〆真鯛のカルパッチョ
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淡路の真鯛を、愛媛の晩柑と、八幡・野井農園の菊菜のジェノベーゼとともに。
むっちりとした身は、清々しい風味を放ちながら、旨みが濃ゆい。
さすが鮮魚商直営だけあり、その質、京の料亭や割烹レベル。
晩柑やジェノベーゼによる、味わいの起伏も良き。



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「Domaine Robin Chablis 2021」
シャブリの王道。透明感のある味わいが、真鯛の存在感を助長する。



*苺とブッラータ プロシュート添え
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名残の苺の存在感たるや。
その甘酸っぱさとピュアな香り、苺ソースのまろやかな旨みが
どこまでもクリーミーなブッラータ(チーズ)に絡む。
ここにプロシュートの塩味、いい仕事してます。



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全粒粉のグリッシーニはしみじみ旨い。



*宮城産アイナメのフリット サラダ添え
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「アイナメの新子も入ったので」と親子競演。新子とは珍しい!


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衣は軽やかだし、分厚い身はトゥルントルゥン。
皮と身の間の、脂がまた旨いんだ。
そして新子は骨も当たらずサクホロ、上品な味。
発酵トマトのソースやらこい酸味が、アイナメの素材らしさを引き立たせる。




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蓮根フォカッチャはしっとり。素朴な旨みがじんわり広がる。



*イタリア ヴェネト州 ホワイトアスパラガスのソテー
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久々の白アスパラ、しかもヴェネト産。
ジュワッと広がるエキス感と、ほんわり広がる苦みと甘み、今だけ。






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Chablisに続き、グラスのストックに嬉し泣き。
スロヴェニア「MOVIA SAUVIGNON 2021」
溌剌とした個性を感じつつ、程よくリッチなテイスト。




*ねぎ尽くしパスタ
 野井農園 九条一遍ねぎを練り込んだ自家製タリオリーニ
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ソースもタリオリーニも、あしらいも、THE・ネギ。
ネギってこんなに甘みがあるんや…て驚くほど
深みのある味わいだった。




*タリアテッレ ボロネーゼ
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肉がゴロゴロ。
ソフリットの深みや赤ワインの程よい酸味と、肉の旨みが見事に調和。
タリアテッレを噛み締めるほどに、その奥深い味わいが響く。




*北海道 羅臼のウニたっぷりリゾット
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ウニたっぷり、贅沢!
名前の通り、ウニの濃厚かつ澄んだ甘みが、米ひと粒ひと粒に絡む。
これはもうね、食べ続けていたい味わいだった。
野生のルッコラのソースの風味もいい。


満腹至福。でもまた間髪開けずして味わいたくなるのは
日本の旬も、イタリアの郷土も、その両方を感じる味わいだから。
仔牛カツレツ・ミラノ風など色褪せない地方料理も多く、イタリア好きは堪らんのです。
勝村シェフ、羽衣さん、ご近所会の皆さん、ありがとうございました。



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アフターは近所のこちらで
静かな夜のひとときを楽しんだ。


「Zucchero」ズッケロ
京都市中京区二条通高倉西入ル松屋町55-1 西本ビル2F
050-1809-5335
https://www.instagram.com/zucchero_kyoto/

# by writer-kaorin | 2024-05-17 08:34 | Zucchero | Comments(0)  

「Fusible」夏の気配

神戸元町「Fusible」で
いつメンの皆さまと松本隆さんの会。
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もちろん私はアルコールペアリング。なんだけれど
「Fusible」のモクテルは秀逸。
お隣の小山進シェフは、ダブルペアリングなんて技も。笑


■Bonito
Tomate/poivrons rouges/oreille de porc
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軽くスモークしたという、和歌山 ケンケン鰹。
むっちりねっとり、すっきり、香りも良い。
ギリシャの赤「NAOUSSA ALTA 2020/Domaine Thymiopoulos」の
ほんのスモーキーなニュアンスがピタリ。

しかも、トマトのジュレや豚ミミガーのタルタル、
うずらの半熟卵やサルサで、一口ごとに感じる味の変化も楽しい。


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自家製パンはしみじみおいしくて。



■Saucisson au foie gras
banane/garam masala
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フォアグラ入りハンバーグに、
バナナとココナッツのベニエという意外な組合せ。
頬張れば、ハンバーグのリッチな旨みに
甘やかなバナナの香りがすっと馴染む。
ベニエ生地の油分と味わいでタッグはさらに強く。
そこにガラムマサラの香りを効かせたマヨネーズというアクセント。
ポレンタに絡むソースも美味だし、秀逸な一皿だった。

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ペアリングはこちら。
「Dmaine Kitani Delaware
 Private Reserve 2022/奈良 香芝・木谷ワイン」
デラウェアのほんのりトロピカルな個性が、
バナナの甘やかな香りとフォアグラに、めちゃ合っていた。




■Kinmedai
Sauce marinière
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金目鯛の皮と身の間には、桜エビのクネルのような生地。
皮はバリリと香ばしく、身はどこまでもふっくら。
金目鯛のだし、サフランや白ワインからなるソースには、
夏みかんやオリーブが入り、芯のある味わいながら爽やか。
ローヌ地方のロゼを口に含みつつ、脳裏によぎるのは南仏の夏。
「Le Rose Des Acolytes / Domaine des Accoles」



■Filet de veau rôti
 sauce aux morilles
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AUSの仔牛は、モリーユのソースで。
肉はしっとり肌理細かく、モリーユとポルト酒を利かせた
軽やかだけれど深みのあるソースが、肉の澄んだ味わいを引き立てる。
ガルニはゴボウ。その大地の風味も心地よいし
アスパラソヴァージュの粘りと香り、この時期ならでは。

「Rosso Di Montalcino 2021/RIDOLFI」の美しい余韻が
ポルト酒を利かせたソースと合うわ。



デザートに合わせて、モクテルをお願いした。
少量のジンジャーを加えたコーヒーのトニック割り。
香りの重なり合いが絶妙なのです。

■Cheesecake à la fève tonka
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粉不使用のチーズケーキは、ふわりなめらか清らか。
トンカ豆の芳しさや、マンゴーソースの味変も良かった。
おかわりしたいくらい美味でした。笑



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コーヒーと小菓子、冷製パート・ド・フリュイで〆。


日本と南仏あたりの夏の気配を感じさせる、
軽やかで清々しく、しかも芯のある料理の数々。
季節の移ろいと室之園シェフのセンスが織りなす躍動感、素晴らしかった。
ご一緒させていただいた皆さん、
ちえりん、ひろみん、ケイちゃん、ありがとうございました。

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松本隆さんを囲むのは、「パティシエ エス コヤマ」小山進シェフ、
「ポアール」辻井良樹シェフ、そして「お好み たまちゃん」たまちゃん!
あれよあれよと話は盛り上がり、ちょっとBigなDream Projectが始まりそう。笑
追って報告させていただきます!



「Fusible」


# by writer-kaorin | 2024-05-13 08:15 | Fusible | Comments(0)  

福井・名田庄「日本料理 崇」 若狭の恵み、馳走の心と郷土の味。

地元・小浜で仕事を終え、向かった先は
名田庄「日本料理 崇」
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先月は、取材でお世話になり(公開は近日中)
今月は、食のキーパーソンたちと共に。

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店主の田中俊祐さんは、京都『菊乃井 本店』で10年間、経験を積んだ。
故郷・名田庄に戻り、かつて曽祖母が住んでいた、
築100余年にもなる葛屋の全改装を経て、2023年6月に開業。


5:30pm
峠を越えれば京都・美山というこの里山には
清らかな空気が漂う。

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食前酒は、自家製の梅酒。




*筍豆腐
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地の筍と、低温調理した若狭湾の真蛸、コゴミの塩漬けに
木の芽の香りを生かしたジュレが絡む。

ひんやり清々しく、筍はホクッ甘っ。
心が洗われる、はじまり。




*八寸
 細魚 筍 寿司
 アスパラガス 筍 蕗味噌和え
 筍 木の芽和え
 スナップエンドウ
 イサザ くぎ煮
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端午の節句にちなんだ菖蒲八寸。
「主役は裏山で採ってきた筍です」と田中さん。
筍はほの甘く、澄んだ風味。
包丁の入れ方や調味の違いで様々な表情を見せる。
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そして、懐かしのイサザ!は別名「シロウオ」と呼ばれるハゼ科の魚。
産卵のため南川を遡上する3月に漁解禁。名残の味わいをしみじみ楽しんだ。


瓶ビールに続き、若狭が誇る「早瀬浦」の定番酒
早瀬浦 純米酒を。軽快ながら、芯のある味が五臓六腑に染み渡る。



*椀物
 ぐじ 筍 蕗 水芹
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一番だしと、ぐじの骨からひいただしが重なり合い、旨みは深く。
甘鯛がホロリとほどけ、吸い地はより深みを帯びる。
蕗も水芹も木の芽も、集落の裏山から届く大地の恵み。
小浜漁港揚がりの甘鯛と共に、若狭ならではの情景を描いていた。



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京都「日々醸造」日日 山田錦 を愉しむ至福の時間。




*ナメラ ハリイカ
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ナメラとは小浜漁港で水揚げされた、キジハタの別名。
咀嚼するほどにじわりと旨みが広がる。程よい熟成感がいいね。
ハリイカはシャクッ、甘っ。

ナメラのアラ煮凝り、本山葵、葉山葵塩漬け、ウイキョウ酢漬けと共に。
土佐醤油のほかに、桜の葉の桜塩なども添えられ、丁寧な手仕事を感じさせた。



*マス
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若狭湾の幸、の次は里山の恵み。
このマスは「瓜破の水」で名を馳せる隣町・三方上中郡若狭町より。
湧水のそばにある養魚場で育つ。
口に含めば、鮮度を感じながらも味わいは深い。
新玉ねぎ、赤蕪塩漬け、アスパラガスのピュレ、
田中さんが裏山で摘んできたクレソンの、香りやほろ苦さもいいアクセント。





*ヤマメ塩焼き
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1時間以上かけて、炭火でじっくり焼き上げたヤマメ。
皮はザクッとクリスピーで、身はふっくらホロホロ。
添えている白菜のペーストの柔らかな酸味と旨みで、味の変化も楽しかった。

天ぷらにしたタラの芽は、近所の農家さんが育てたものだし
素揚げにしたノビルは「そこの土手で採ってきました」と田中さん。
どの一品にも、馳走の心を感じるのです。

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*ホタルイカと山菜の小鍋
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こちらも地物オールスターズ。
ぷっくりと肥えたホタルイカに寄り添うのは
塩漬けにしたコシアブラ、ウワバミソウ(ミズ)、
筍、ワラビ、新玉ネギ、木の芽…。
自家製のポン酢&柚子胡椒で、この時期ならではの恵みをじっくり堪能。


山海の春のエキスが滲み出ただしの、さらなる楽しみ。
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「めかぶのにゅうめん」にて
余すところなく味わい尽くすのでした。嗚呼。無言。至福。


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煮えばな、登場。
米は、名田庄で栽培するコシヒカリ・坂本米。
艶やかなな一粒一粒を、噛むたびに幸せが込み上げる。



*鯖なれずし
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若狭地方の郷土食。私に撮っては郷愁の味。
「近所のおばちゃんに作り方を教えてもらいました」という自家製だ。
鯖の身は程よく引き締まっている。
頬張れば、ブルーチーズを思わせる高貴な香りが広がり、
鯖特有の風味は、じつに清々しい。
少しずつ齧りながら、そして飯を舐めながら、日本酒をチビリチビリと。
『山内かぶら保存会』のおばちゃん達が作った、伝統野菜「山内かぶら」のつぼ漬けも
すこぶる杯を進ませるのです。




*猪の角煮
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近くに住む、猟師さんが持ってきた猪肉を八丁味噌や黒糖ベースの角煮に。
そのバラ肉はまったりとコク深く、
素揚げにした菊芋や、春キャベツの葛餡の優しさが見事なバランス。

ここらは「ぼたん鍋」が有名な地。
名田庄ならではの里山の情景を、田中さん流に昇華。
土鍋ご飯とともに最高の〆。




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デザートは
「白岳仙」の酒粕を用いたアイスと苺と黒豆ソース。
そこに、熱々の蓬餅がスッと添えて。
香り高く、温度差楽しく。満足満腹。


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抹茶で〆。


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気がつけば窓の外は暗く、おくどさんを設えた空間美が一層際立つ。


日々表情を変える名田庄、そして若狭地方の
自然の恵みと対話をしながら、味づくりに挑む田中さん。
だからこそ、一皿ごとのエピソードも味わい深い。

素材や生産者への敬意を感じさせる、
衒いのない料理の数々が、食べ手の心をグッと掴むのです。


最高の一日だった。
ご一緒させていただいた皆様、
そして田中さん、ありがとうございました。




「日本料理 崇」
福井県大飯郡おおい町名田庄三重18-51
0770-67-2493
open : 12:00~14:00、17:00~20:00
close: 月曜、不定休
https://su-natasho.jp/
https://www.instagram.com/su_natasho.fukui/


# by writer-kaorin | 2024-05-08 12:40 | 日本料理 崇 | Comments(0)  

「ミチノ・ル・トゥールビヨン」揺るぎなき品格と情熱

大阪・福島区
「ミチノ・ル・トゥールビヨン」
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めちゃくちゃ久しぶりの再訪です。
ご常連Hさん、いつも本当にありがとうございます。


オーナーシェフの道野正さん、
そしてマダムでパティシエールの祐子さんには公私共にお世話になっています。
余談だけど、以前、あまから手帖で連載していた
「Yes, solo camp!!」では、マダム祐子さんのガチなソロキャンに密着。
その後も日本一周スーパーカブの旅、
インドひとり旅など、祐子さんにはいつも刺激をいただいています。



待ちに待ったディナータイム。
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Champagne
「Rene Jolly Blanc de Noir Brut」で心地よいスタート。
これから始まる全てに、胸が高鳴る。

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*グリーンアスパラガスとにしん
 赤たまねぎのマリネ
 柚子ヴィネグレット
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アスパラガスは鮮やかな歯触り。
ふくよかなニシンは、まぁるい酸味と優しい旨みを放ち、
柚子が心地よく香る。
自家製のクリームチーズと数の子が、心地よいアクセント。
キューッと胃袋を鷲掴みにされつつ、

脳裏によぎるのは、北の大地の春紀行。



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「北海道100 バッカス 2022/はこだてワイン」
透明感を感じながらも、ふくよか。爽やかな酸の余韻。



*サドルバック(豚)・ふきのとうとバナナのパネ
 ラム酒のソース
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鹿児島「ふくどめ小牧場」から届くサドルバック・フィレ肉は
しっとり、肌理が細かく、清々しい。
そこにフキノトウとバナナのペースト?という驚きなのだがこれが何というか
蕗の薹味噌を彷彿とさせる郷愁でいて新味。

道野シェフ曰く「気を衒っているのではなく。
フキノトウをソテーしていたら、
その昔、講習会で実演したバナナのフランベから漂う香りと似ていた」。
長年の経験の積み重ねの末に開いた、新しい扉が、食べ手の心をグッと掴む。
しかも、ラム酒のソースの、高貴な香りとコク深い味わいが、柱に。
ガルニチュールはワラビ。この時期ならではのぬめりと香りに癒された。




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マダム・祐子さん手製のパンは、噛むほどにじんわりと旨みが広がる。


*桜鱒と二年熟成ポテトのサラダとビーツ
 スモーク瓶詰
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蓋を開けると、ふわり漂うスモーク香。

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桜鱒は、桜チップを用い瞬間燻製に。
そのやらこい香りと、じわっと広がる脂の甘みにニンマリ。
さらに驚きだったのはポテサラの存在感!
雪蔵で2年熟成させた「井上農場」のメークイン、
その濃密な甘みにハッとなった。
ビーツは土っぽいなかに上品な風味を感じ
マダム特製・桜バゲットとの香りの重なり合いも美しい。
いやはや瓶の中の小宇宙、細やかな手仕事が重なり合っていた。



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桜鱒はロゼと共に。「By. Ott Rose 2022 / Domaines Ott」
トロピカルなアロマという癒し。





*北海道滝川のスノーホワイトチェリーバレー(合鴨)
 豆豉と黒にんにくと黒オリーヴのソース
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白い羽の合鴨「スノーホワイトチェリーバレー」。
その血統には、あの「北京ダック」も。
クセがなくじつに繊細な味わいだ。
そこに豆豉と黒ニンニク、黒オリーヴからなるペースト。
エキゾティック感すばらしく、中国とフランスが見事に融合。
黒人参やモロッコインゲン、甘長唐辛子も、味わいくっきり美味でした。

「この料理、ちょっと先出し」と道野シェフがおっしゃるように
5/5夜、6昼に「ミチノ・ル・トゥールビヨン」で、
中国料理「来夢来人」大和シェフとのコラボイベントが開かれる。
そのコース料理の中の一皿でした。
すでに満席か残席わずかかもですが、詳細はSNSをチェックです




*真鯛のポワレ グリーンピースと空豆のソース
 おかひじきとアサリのフリット
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真鯛は皮目香ばしく、じつに繊細な身質。
春の豆の香りが、心地よく囁きかける。

フリットはサクッと軽やかだし、アサリのエキス感が白と響き合う。
「Bouzeron Les Corcelles 2015/Les Champs de Thémis」
酸味は穏やか。厚みと複雑さを兼ね備えている。




*仔羊のロースト
 紅茶とアニスの赤ワインソース
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ソースを纏わせて口に運べば、肌理細かくしっとり、ふんわり。
噛むほどに、初々しい風味と柔らかな質感が、舌を喜ばせる。
なんて上品な仔羊!しかも艶めくソースはコク深く、
アニスと紅茶のほんのりエキゾティックな風味が仔羊と共鳴。
ガルニの旬野菜を味わうほどに、体が浄化されていく感覚だった。
「Chateauneuf-du-Pape 2018 /Chateau Fortia Tradition」と共に。



ここからは、マダム特製デザート。
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ココナッツのブランマンジェは
天草のデコポン、パッションフルーツ、生姜のジュレと。
甘い香りと甘酸っぱさが重なり合い、清々しい。
上がりっぱなしのテンションを、クールダウン。



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アシェットデセール。シャープで美しいデザイン。
ドライフルーツのパルフェ(アイスクリーム状の冷菓)は爽やかで
紹興酒入りのショコラムースはグッと芳しく。
ヘーゼルナッツのソースと共に。


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小菓子は、ショコラとクリームチーズ
ドライイチジクのサブレ。ハーブティーを味わいホッと一息。
マダム・祐子さんのデセールがあってこそ、
道野シェフのコース料理は完成するのだと実感。


ディナーも終わりに差し掛かるころ
道野シェフも顔を見せていただき、しばし懇談。
「フキノトウとバナナのペースト?」「このソースの構成は?」といったQ&Aから
近い未来のワクワクするような話題に至るまで、本当に有意義な時間。
この空間に漂う揺るぎのない品格と、
道野シェフの情熱に圧倒されっぱなしの夜でした。
ありがとうございました。



そうそう、シェフが日々、SNSで配信している動画では
https://www.instagram.com/tadashimichino/
料理の組み立て方、味づくりとその構成など、包み隠すことなく大公開。
若い料理人の皆さん、オススメです。


「ミチノ・ル・トゥールビヨン」
大阪市福島区福島6-9-11
06-6451-6566
https://michino.com/




# by writer-kaorin | 2024-05-01 12:35 | ミチノ・ル・トゥールビヨン | Comments(0)  

「NOMI RESTAURANT」野生の味、切れ味の極み。

京都・福知山。
山深いこの地に、国内外から人を集めるレストランがある。
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「野生の味」と「切れ味」をテーマに
若き三兄弟が、両親と共に切り盛りする「NOMI RESTAURANT」

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左から、山本遊士丸さん(23歳)、陽之進さん(21歳)、凛志郎さん(18歳)
彼らは、3歳から包丁をもち、遊びのなかから料理に興味を抱く。
いつもの遊び場といえば大自然の中。
野山を駆け巡り、川の流木で飛行機や弓矢をつくったりしてた野生っ子。

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「誕生日やクリスマスには、既製品ではなく
 ものをつくる道具をあげる。そんな子育てでしたね」とお父様。素敵な教育方針。


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彼らの手仕事は和包丁の土台となる「地」を研ぎ、刃を付け、
美しく、切れ味の鋭い包丁に仕上げるところから。

店では、1回転の仕込みに包丁15本、4枚の鰹節カンナを使うそうだが
100本以上あるさまざまな砥石を使い分けながら研ぎ上げる。
その包丁は、人参専用、胡瓜専用、肉専用…
食材はもちろん、食材の味を残すのか、閉じ込めるのかにより
刃先の仕上げを絶妙に変えていく。そんな3人の研ぎ時間の通算は
長男で1万時間、次男で5000時間、三男で3000時間(!)

長男・遊士丸(ユウシマル)さん曰く、中学生くらいの時、
日本を代表する研ぎ師・藤原将志さんに出会い、学び続けるなかで
兄弟揃って、刃物の切れ味にのめり込んだという。

敷地内では、独自の自然栽培を行い、平飼いで鶏を育てる。
三兄弟の庭のようなフィールドでは、ワナを仕掛けて鹿や猪を狩猟。
それら大切な命が、レストランのテーブルに並ぶことになる。


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その薄さ、1.5ミクロン(1micron=1000分の1mm)
ちなみに人の髪の毛の細さは50~80ミクロン。


*究極の一枚
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うま味が伸びやかに広がりながら、消えた。

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鰹節は「クラシック節」で名を馳せる金七商店より。
削り節は我が家でも愛用させていただいています。


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1.5ミクロンの鰹節と
カンナの刃を木槌で調整しながら、若干厚めの鰹節
その割合3:7
前者で味のベースをつくり、後者でふくよかな香りを際立たせる。
「ウチでは一番だし、ではなく0.8番だしと呼びます」とお父様。

*DASHI 0.8 & SUIMONO
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感覚が研ぎ澄まされる瞬間。


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次は早朝、近くの山で収穫した筍と、
野生みつば、菜の花と共に。
筍は甘く、清々しい風味。澄んだだしのうま味と共鳴する。
作陶家・桐谷純子さんによる自然界のオブジェのような器と美しく調和。


*松豚 × KIREAJI
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切り立て、極細、香りよく瑞々しい。
藁で燻した松豚の香りと脂分がいいアクセント。
器は丹波篠山の作陶家・市野雅彦さん作。


*茶碗蒸
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「僕たちが卵から孵化させた鶏が産んだ卵を使いました」。
野鳥が何を食べているかを研究し、
野草や湯がいた鹿肉などを刻んで餌にしているそうな。

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銀餡とともに。
口に含めば、じつになめらかでいて清らか。
スッキリした味わいながら、しっかりとコクがある。


*Banboo
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夢中になりすぎて、カメラ撮影忘れてスマホ撮影。
昆布だしで軽く炊いた朝掘り筍を
削りたての鰹節、花山椒とともに。
筍の甘みは奥深く、花山椒の初々しい香りが花開く。



*人参 × KIREAJI
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「人参の舌触りを感じていただくための包丁使いです」。

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何この人参・・・!!!
切られた人参の断面が、驚くほど輝いている。
おそらく、人参は切られたことに気がついていない、とさえ感じるくらい。

舌にのせると、なめらかのその先をいくツルツル感。
舐め続けると、レモンと和三盆、
クランベリーからなるエキスや香りが滲み出る。

噛みたくない気持ちを抑え、歯をスッと入れると…。
シャキッと鮮烈なテクスチャーに変貌。今度は人参の質朴な甘みがブワッと広がった。
何もかもギネス級のこの人参を切るために、
スライス3枚ごとに包丁を変えているらしい。驚愕!



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*鹿 芹 菜
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牡鹿のモモ肉、野生の田芹、鹿肉のつくね、ゴボウ、白髪ネギを添えて。
鹿の赤身肉と田芹の相性たるや!
大地のエネルギーが、体の隅々に、脳内にまで響き渡る。
つくねはフルフル、噛むほどに味わい深く、
ネギの香りを立たせる包丁使いも素晴らしかった。



*kushiyaki
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三兄弟が仕留めた鹿を、串焼きで。
左から、カタ、ヒレ、内モモ、シンタマ。手前にはハツ。

カタはふっくらたおやかで優しい旨みを感じ
大人の雌鹿のヒレは、味がグッと濃厚。
内モモはタレの絡みも良く、こちらも濃ゆい味わいで
シンタマはぷるんと程よい弾力、花山椒の余韻が心地よかった。
ハツもキレイな味!

いずれも、何これ鹿肉!?ってびっくりするくらい澄み切った味。
仕留め方と、迅速で的確な処理の賜物だろう。
話を聞いて合点がいった。三兄弟は
愛媛・今治のカリスマ漁師・藤本純一さんから
魚の神経締めについての手ほどきを受けたという。
彼らは、その技を鹿肉で実践しているのだとか。
いやはや未知なる世界。


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「切れ味は調味料にもなるんです」と、長男・遊士丸さん

*A cucumber that doesn't realize it's being cut
押すと引く
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切られていることに気づかないキュウリ。笑

左は引き切り、右は押して切ったもの。
前者は艶やかで瑞々しい。
後者は、よりキュウリの香りが際立っていて、エキスが溢れ出た。
切れ味を調味料にするという発想が凄いな。


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無肥料無農薬育てたお米。
しかも、山の最上流にある田んぼで。
手刈り、天日干し、籾殻付きのまま保存し、
お客の来店に合わせて精米するという。
土鍋で炊いたそれは、小粒ながらもっちり。
自然な甘み、芳しさが堪らん。


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*出汁巻
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ふるふる、むっちり。自然界のエネルギーを感じる味。
軽く炊いた蕨が、ふんわり、微笑みかける。



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*猪 鹿 鉄
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「包丁で香りを作ります」。
和牛刀から柳刃までを駆使し、
猪、鹿、松坂豚のバラ肉を手切りしていく。
「ミンチの場合、横の二面は鉄、上面はステンレスの包丁で」というように
切れ味を隠し味にしているのだ。

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頬張ればむっちり、
ジビエ特有の野生っぽい風味は清々しく、
噛めば噛むほど旨みを感じる。
蓄えた肉汁は澄みきっていて、もうハンバーグの別次元。

「細野さん、ハンバーグ好きだから食べさせてあげたい」って
目の前にいらっしゃる、松本隆さんはポツリと呟いた。
(細野さん→細野晴臣さん)


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土鍋と、銅の羽釜で炊いたご飯の食べ比べをしつつ、
猪鹿鉄ハンバーグと米。最強でした。



*ブラッドソーセージ
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鹿肉の血やレバーや様々な部位、豚の血を用いたブーダンノワール。
良い個体が獲れたときだけ登場する稀少な品。
各種スパイスと合わせた後に、茹でてソテーして、稲藁で少し燻している。

新鮮な血液があればこその極みの品。
切れ味と並び、彼らが誇る最高の鹿肉を余すとこなく味わった。



*DON
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米麹でマリネした鹿ロースを用いたカツ丼。
平飼いの鶏の卵、野生の三つ葉で卵とじという贅沢。
このパン粉に至るまで、相当な時間をかけられていて驚いた。
1片ずつ手で割いてほぐした、切れ味の逆説をゆくパン粉は
鹿肉との調和が見事だっら。


*〆
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薄味ながら深みがある。
心が洗われる、命のスープ。


*甘味 野生茶
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苺の粒々までもがスパンッと半分、という切れ味。

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山の中で摘んできた野生の茶葉で、お茶を作るところから。それをアイスに。
純粋無垢な味がした。

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コーヒーは三男・凛志郎さんによる自家焙煎。
曰く「15歳でコーヒー豆の焙煎を始めました」というのだから!
次男・陽之進さんと共に、それぞれがハンドドリップ。
最後に淹れたコーヒーのテイスティングしながらブレンド。

フィナーレに相応しい、さっぱりとしたテイストを感じさせつつ、
そこはかとなく甘みが押し寄せ、
今日、食べた料理を思い出させる味わいでした。


「切れ味」という言葉通り、
包丁を最良の状態に研ぐことで食材の味わいに変化があらわれる。
彼らが紡ぐ料理を味わうほどに、心まで研ぎ澄まされていった。
しかもだ。ジビエ、地産地消といった既存の概念では表すことができない未体験ゾーン、
わざわざ福知山へ行く価値があるし、
三兄弟という輝かしい日本の宝に、エールを送りたい。



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食後はこんな素敵な時間が待っていた。

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松本隆さんは、鰹節カンナを手に。
遊士丸さん、陽之進さん、凛志郎さんと共に。
皆様、本当にありがとうございました。

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そしてこの日の食事会を企画してくださった
「NOMI」のご常連「パティシエ エスコヤマ」小山進シェフ。
小山シェフとの「NOMI」体験、念願でした。
また近々ご一緒させてください。ありがとうございました★


「NOMI RESTAURANT」
https://nomigibier.com/restaurant/



# by writer-kaorin | 2024-04-25 07:30 | NOMI | Comments(0)