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「中国菜 火ノ鳥」

この日の夕餉は、「中国菜 火ノ鳥」にて。
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久しぶりの訪問を喜び、まずはビールで喉を潤す。


■前菜
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右上から左へ
「ピータン 独活 新生姜」は清々しさとゴマのクリーミーな風味が生きている。
「河内鴨 腸詰」は肉の旨みをしっかり感じるし
「鯨のサエズリとサラシ 花山葵和え」はプリッと感と鮮烈な香りが広がる
「クラゲとすずなりカボチャの和え物」
「鮑とクロモの和え物」など組合わせの妙に驚き、
「サザエと福建海苔 煮こごり」「芽キャベツ フカヒレ」「干し豆腐 上海蟹みそ」…と
繊細かつ手数のかかる品揃い。火ノ鳥の前菜は、いつも食べ手の心を鷲掴みに。



■黒豚と空豆の焼売
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澄んだ旨みが溢れ、ホクホクッとした空豆の香りが心地いい。
そして自家製の豆板醤がいいアクセント。


■鮟鱇と有明海苔の水餃子
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薄皮にスッと歯を入れると、海苔の香りがブワッと押し寄せる!
清々しい旨みを蓄えていた。



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嗚呼、艶めいている…。
「豚肉と小麦粉を練って作った点心です」と店主・井上清彦さん。
むっちり少しかための弾力と、舌に広がる豚のしぶとい旨みが独特。
山菜を鋳込んでいるそうで、ほろ苦い春の風味が広がった。




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スープは、河内鴨 難波葱 白木耳 焼葱醤油風味
ぐっと濃厚な味わいと香ばしさが押し寄せる。
なにわの伝統野菜・難波葱と、大阪・松原の名宝「河内鴨」という
大阪ならではの文化が、中国の伝統と見事に融合。味わい深い一皿でした。



ビールの後は、ナポリとシチリアに由来のある
シャルドネで通すことに。一応、休肝日。



■黄金シャモ
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手羽のなかには叉焼、餅米、塩漬け卵、絹さやほか
それぞれ調理がなされた素材が入る。なんて細やかな手仕事!
皮は香ばしく、噛めばもっちり。複雑な旨みの膨らみを感じつつ、上品な後味。



■焼きフカヒレ 新玉ネギのスープ
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玉ネギのクリアな旨みがのびやかに広がりつつ、
フカヒレの食感のコントラストも堪らん。そして
ホタルイカと旬野菜の春味が活きていた。



■和牛サガリ 春雨 発酵白菜と発酵唐辛子の炒め煮
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肉感しっかり、かつふわっと柔らかな独特の質感。
乳酸発酵のまぁるい酸味と、辛味のアクセントで、
春雨も肉も、するする、おかわりしたい。笑



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「汁なし担々麺 屋台風」に続き

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「ジャコと桜海老 春野菜のチャーハン 実山椒」
香り高く、咀嚼するほどに広がる深い旨み。またもや幸せのため息。



■バニラ風味の杏仁豆腐
 苺とココナッツミルクと生タピオカ
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「おかわりしたい」って声が両隣から。笑
エキサイティングな夜でした。


はじまりの前菜から、組合せの妙に驚く品が続き、
“斬新”と感じさせながら、それは古典を紐解いた一品だったり。
井上シェフの探究心と技は、さらに深化していた。
ありがとうございました。
現在は新規の予約受付をされていないので(ご常連の予約のみ)ご了承ください。



「中国菜 火ノ鳥」
大阪市中央区伏見町2-4-9
完全予約制

# by writer-kaorin | 2023-03-29 08:30 | 中国菜 火ノ鳥 | Comments(0)  

「トムクリオーザ」の洗練。 <23年3月移転オープン!>

大阪・北新地
浅井努シェフ率いる「トムクリオーザ」が、
同エリアで、2023/3/1 移転オープン!
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浅井シェフ、改めておめでとうございます!
一枚板のカウンターは全9席。いやはや壮観。中央には薪と炭の焼き台が
左脇にはイタリア製ハムスライサーの最高峰
Berkel(ベルケル)の真っ赤な機器が鎮座する。

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この日は「NAOTO会」という名の
あのNAOTOさん、こちらのNAOTOさんたちとの定例会。
いつもお世話になりありがとうございます!

お料理はおまかせ一本。ペアリングもお願いしました。
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Ferrari Maximum Magnumで乾杯!
マグナムって聞いたものだからクイクイいってしまうやないの。笑


■馬肉タルタル キャヴィア ピアディーナ
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薪の熾火で焼き上げたピアディーナで、くるっと巻いて。
キャヴィアのリッチな塩味が、馬肉の甘みを際立たせる。



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炭と薪火で熱を通した「白ミル貝」は、
シチリア西部にルーツを持つ「ペスト・アッラ・トラパネーゼ」と共に。
白ミル貝の甘み、濃厚!
トマトやパプリカ、アーモンドなどを摺り潰したトラパネーゼは
爽やかなシチリアの香りを漂わせていた。



■とらふぐ白子 筍 フラン
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ふるふる。白子はとんろり。筍や菜花の風味が春を運ぶ。
そして、クリアな旨みに癒される。


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この「冷製パスタ」には唸った……!
ディンケル小麦(古代小麦)からなるパスタに、
オマール海老を合わせた「トムヤムクン風」(!!)
海老の濃密な旨みに、パラペーニョの程よい辛みやパクチーの香りがほんのり。
咀嚼するほとに、トマトのエキスが押し寄せ、しっかりイタリアンに着地。
浅井シェフの発想、そして按配がもう絶妙だった。


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スロベニアのオレンジワイン(ピノ・グリ)「KLINEC GARDELIN」と共に。
ローズヒップのような香りがする。豊かな酸味が、パスタにピタッと寄り添ってくれた。


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高級スライサー「Berkel」の出番です。

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目眩く…って言葉がぴったり。
スライスしたて「BON DABON」多田さんのペルシュウが目の前に。
何切れいただけるんだろう…て想像していたら

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一人一皿という至福…。吐息も笑みもこぼれますわ。
ペルシュウは24ヶ月熟成。「水分がすごく多い」そうで、
極薄スライスが叶うのも、「Berkel」と浅井シェフの技の賜物です。

天女の羽衣のようなファッファなペルシュウ。口に含めば、淡雪のように蕩け
優しく甘い旨みがじんわりと広がる。

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竹島英俊さんの水牛モッツァレラにも再会!(木更津・クルックフィールズ)
箸でつまむとぷるんぷるん。頬張ればむっちり。
水牛ミルクの清々しく甘い香りに包まれた。
厚みのある野生ルッコラもいい仕事をしていた。


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途中の演出がまた楽しく
熱々の一口ご飯にペルシュウやなんて…気絶しそうな美味しさ。

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サルディーニャのロゼ「È Isola dei Nuraghi」にも痺れた。



■鰆 サザエ 山菜 クレソン 行者ニンニク
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薪火で仕上げたサワラは、皮目香ばしく、断面はこの艶やかさ!
クレソンの軸や蕗の薹は、行者ニンニクとソースに。
サザエの肝のほろ苦さも心地いい。

日本ならではの春の香りが口中を占拠。
ここに「新政 No.6 X-type」を合わせてくれるもんだから。お見事。
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■茸のラヴィオリ
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モリーユ茸や、ホックホクの空豆、
ぷっくりと肥えたホタルイカ、名残の黒トリュフとともに。
アンチョビとマスカルポーネをはじめ
クロテッドクリームやパルミジャーノ・レッジャーノからなる
コクの深いソースはめっちゃ熱々、ゆえにトリュフの高貴な香りがふわっと。
ラヴィオリのしみじみとした旨みに癒された。


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私は赤は飲まず、白で通すことに。
「Rolona Gavi Del Comune Di Gavi」Castellari Bergaglio
バランスのとれたGavi。飲み心地の良さが堪らない。



■鳩 
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薪焼きの鳩ムネ肉、骨つきモモ肉を
ホワイトアスパラガス ピサンリ(食用タンポポ)やラディッキオと共に。


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ぷりぷり。繊細な身質。ソースの滋味と優しく響きあうのです。



〆はキタッラをシンプルなトマトソースで。ここ琴線に触れるねぇ。
麺は30g、60g、90gからチョイス。
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こちらはお隣さんの90g。
私は飲み優先につき30gと軽めで。
トマトソースは深い旨みだけでなく、酸味もきっちり生かしている。
噛むほどに、感動が押し寄せる、シンプルの中の極。
イタリアの定番をアップデートし続ける、とさえ感じる最高のフィナーレだった。



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ドルチェは「ピスタチオのパンナコッタ」と
目の前で作りたて「古都華(イチゴ)のジェラート」
そして食後酒を。


日本の四季を映す皿あり、
遊び心を感じさせながらしっかりイタリアに着地する技あり。
さらに、しみじみ旨いと感じさせるイタリアの定番をアップデートさせた皿あり。
その起伏に富んだコース展開に、いい意味で驚いた。
「クリオーザ」という意味にもあるように、
浅井シェフならではの探究心、そしてクリエーションとチャレンジを
ひしひしと感じさせる、エキサイティングな夜でした。
間髪開けずしておじゃましたいな。
浅井シェフ、スタッフの皆さんありがとうございました。
ご一緒させていただいた皆様にも感謝申し上げます。


「トムクリオーザ」
大阪市北区曽根崎新地1-2-7 櫻ビル 3F



# by writer-kaorin | 2023-03-24 10:04 | トムクリオーザ | Comments(0)  

「THE RAY」 リーガロイヤルホテル大阪 フレンチの新星

「リーガロイヤルホテル大阪」にオープンしたフレンチレストラン「THE RAY」へ。
2022年12月open
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「THE RAY」という店名にもあるように
“一筋の光”をテーマにした空間は、「graf」が空間デザインを担当。
エレベーターを降り、エントランスを歩き進むたびに、五感が研ぎ澄まされていく。
そのシーンは、行ってのお楽しみに。

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堂島川を見下ろす、清々しいロケーションのなか、
ランチ・ミーティング with @yukosuzuki_japan



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倉員(くらかず)直樹シェフによるコース料理のはじまりです。


01. Amuse
清水焼天目椀
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天目椀は作陶家・井筒敏彦さん作。見惚れる。
アピオスのスープに、ミルクの泡仕立て。
質朴な甘みがじんわり広がる優しい味わい。



02. 2ém-amuse
春夏秋冬
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一皿で四季を表現している。詳しくは食べてのお楽しみ。
春の清々しさ、夏の爽やかさ、秋の郷愁に、冬の深み。
味覚と記憶のトリガーが楽しい。



03. 1er
オーラキングサーモン
ラタトゥイユ レモンヨーグルト
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タルタル仕立てのサーモンは清々しい風味。
ジャガイモとウイキョウのピュレ、ネギのチュイルと共に。
塩レモンがほんのり効いたヨーグルトアイスの清新な後味が気持ちいい。


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焼きあがったばかりの温さに癒されるわブリオッシュ。




04. 2ém
パテアンクルト
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焼き上がったサブレ生地とファルスの間にコンソメジュレ。
折り重なるような旨みの世界にうっとり。



05. Poisson
舌平目 アーティチョーク ベルモット
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白ワインとベルモット、魚のジュを合わせたソースで。
舌平目はサクフワッ繊細。
アーティチョークのほろ苦さも心地よく、インゲン豆やうすいえんどうで春色の味。



06. Légume
ブロッコリー レフォール アーモンド
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スモーク、ピクルスなど様々な調理法で
ブロッコリーの魅力を引き出し、一皿に表現。
レフォールとマスカルポーネのアイス、
野菜だしとブロッコリーのソースと。
ブロッコリーの様々な表情を楽しんだ。



07. Viande
ラカン産ピジョン フォアグラ トリュフ
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倉員シェフの修業先「ラシェット シャンプノワーズ」のオマージュなる一皿。
フォワグラとともにパイ包みに。
口に入れた瞬間溢れる滋味に、心揺さぶられるのです。



08. Dessert
ライチ フランボワーズ ローズ
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ライチはムースに。ローズのパンナコッタと、爽やかな甘酸っぱさ。



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有田焼の器にて、ミニャルディーズ。ハーブティーにて〆。
ミーティング、はかどりました。

さて、倉員(くらかず)シェフのプロフィールを紹介させていただこう。
(サイトより引用)
2003年1月 リーガロイヤルホテル入社
「コーヒーハウス コルベーユ」「レストラン シャンボール」「調理部(宴会」」を経て、
2014年に仏・シャンパーニュ地方ランスにある
三つ星レストラン「ラシェット シャンプノワーズ」と、
パリにある二つ星レストラン「ラセール」にて研鑽を積む。
2020年1月、リーガロイヤルホテル京都
「フレンチダイニング トップ オブ キョウト」シェフに就任。
2022年10月、リーガロイヤルホテル「THE RAY」シェフ就任。


“食のロイヤル”として名を馳せる「リーガロイヤルホテル」。
受け継がれてきたホテルレストランの技術と伝統を軸に
新たなクリエーションが光る料理の数々を愉しませていただきました。
倉員シェフ、スタッフの皆さま、ありがとうございました。


「THE RAY」(ザ レイ)
大阪市北区中之島5-3-68 リーガロイヤルホテル アネックス7F
06-6441-0954
open :12:00~14:00、18:00~20:30
close:水曜 ※休業日あり
https://www.rihga.co.jp/osaka/restaurant/list/theray

Instagram
https://www.instagram.com/theray_osaka/


# by writer-kaorin | 2023-03-18 22:36 | =プライベート= | Comments(0)  

cocoon(コクーン)で迎える朝 @KURKKU FIELDS

この日のつづき。
「KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)」にある
“創る暮らしを体感する”villa「cocoon(コクーン)」で迎える朝。
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日の出と小鳥のさえずりで目が覚める。
夜遅くまで飲んでいたのに、体は軽い。
だから朝食の前に、場内を軽くジョギング。
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シャワーを浴びて(コロンはたたかない)
「地中図書館」で、しばし巣籠もり。
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自然光が気持ちいドーム型の空間、一日中、居座りたい場所。

地中図書館の設計は、中村拓志さん。
選書は「book pick orchestra」代表・川上 洋平さん。
目に飛び込むものすべてが、素晴らしいのです。

この図書館を利用できるのは、cocoonの宿泊者。
そして クルックフィールズの会員が対象(事前予約制)。
https://kurkkufields.jp/topic/librarynews01/




さて朝ごはんの時間。
「cocoon(コクーン)」宿泊者限定の朝食、この日はわっぱ弁当。
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ファームの周辺で捕獲した猪、そして自家栽培の蕪を用いた
「猪と蕪のスープ」の深く優しい味わいが、心と身体に沁み入る。


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わっぱ弁当には、ファームで採れた素材を用いた小さなおにぎり。
猪佃煮、平飼い卵の卵黄味噌漬け、牛蒡、菜花、桜や梅の香り、漬物…ほか
春の目覚めを体内に取り込む贅沢。馳走の心を堪能させていただいた。


朝10時には、場内の店舗が開く。結果、財布の紐が緩むのです。笑


2022年11月、ベーカリーが「Lanka」という名でリニューアル
■Lanka(ランカ)
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敷地内で生産される農産物を生かしたパン作りに、新たな感動が加わった。
大阪の名宝「ル・シュクレクール」の岩永シェフ・プロデュースによりレシピを一新。
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全てのパンにファーム内で栽培・製粉した全粒粉を使用。
シンプルでいて健やかなパンたち、いい表情をしている。
バゲットやクロワッサン、旬素材のタルトフランベなどを持ち帰り、
ディナー&翌日の朝食に、旅の余韻とともに楽しんだ。


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■KURKKU FIELDS CHARCUTERIE
(クルックフィールズ シャルキュトリー)
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シャルキュトリー職人・岡田修シェフは
猟銃資格をもつハンターであり、フレンチシェフの顔も持つ。

岡田シェフならではのシャルキュトリーとは。
近隣で捕獲する猪や鹿をはじめとするジビエ、そして地元の豚、
さらにはファームで採れた四季折々の野菜やハーブをたっぷり、巧みに用いること。
ジビエの捕獲、解体処理、加工、販売までを手がけているって本当に素晴らしい。
大好物を各種持ち帰り、ディナーの主役に。
岡田シェフ、マダム・綾乃さんありがとうございます。



■CHIFFON(シフォン)
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クルックフィールズの丘の上にある「シフォン」
あいにくこの日は、タイムアップにつき伺うことができませんでしたが
農場の平飼い卵、同じく場内で放牧しているブラウンスイス牛のミルクなどを用いた
至福のスイーツに巡り会える。ちなみに
「PATISSIER eS KOYAMA」小山進シェフによる監修のもと誕生した
「シフォン」と「低温火入れのやさしいプリン」は必食。
農場の命のめぐみ、さらにはスタッフの皆さんの熱い想いを、まるで
湯船に使っているような感覚でじんわり感じる、心に響く味わい深さ。

そういえば。
小林武史さん×小山進シェフの対談。何度読み返しても気づきが多い。
https://kurkkufields.jp/story/sustainablecreative01_1/



最後は、この方を紹介させていただきましょう。

水牛を育て、チーズ作りに情熱を燃やす男・竹島英俊さん。
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今回、特別に、水牛がのんびりと暮らす牛舎に案内いただき、搾乳シーンを見学。
竹島さん、ありがとうございます。
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言わずと知れた、竹島さんの水牛モッツァレラ。
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そのチーズ作りは、夜中の2時からはじまる。
搾りたてのフレッシュなミルクを、すぐにチーズへ加工する。

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搾りたての「水牛ミルク」をいただいた。
水牛の搾乳量は、一般的な乳牛と比べると6分の1しかない。
だから、こんなに濃厚でクリーミーな味わいなのか。
しかも後味は驚くほどさっぱり、清々しい。
竹島さんの水牛モッツァレラの、未知なるおいしさの感動は
ぜひ、クルックフィールズの店頭や、レストラン「perus」で体感してください。

竹島さん、学びの多いひとときをありがとうございました。

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この日はマッキー牧元さん FPM田中知之さんという食のプロの大先輩と共に。
皆さまありがとうございました!




「KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)」
https://kurkkufields.jp/
Instagram


「cocoon(コクーン)」
https://kurkkufields.jp/stay/cocoon/
Instagram


# by writer-kaorin | 2023-03-14 17:28 | KURKKU FIELDS | Comments(0)  

「perus」で味わい感じる、芽吹のとき

-草木萠動-(そうもくめばえいずる)
寒い冬を耐え忍んだ新たな命が、芽吹き始めるころ。

千葉・木更津「KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)」にいました。
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1ヶ月ぶりの再訪です。
ファーム内には、初々しい緑色、柔らかな薄紅梅…
春の訪れを感じさせる淡い色彩に、心が浮き立つ。

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villa「cocoon」にチェクイン。

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暮れなずむ頃、周辺を散策。お腹を空かせたなら
カウンター9席だけの特等席「perus」へ。


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カウンター席に落ち着けば、目の前には幽玄の世界が広がる。
BGMには、音楽家・小林武史さんによる美しきピアノの旋律。
酔う前に酔いしれそうな夜が始まろうとしている。


今夜も山名新貴シェフと、小高光さんセレクトの
ペアリングの妙と、ふたりの阿吽の呼吸を楽しませていただきます。


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「本日のスープ」
この日、用いる、ファームで収穫したオーガニック野菜からなるベジブロスに
蛤のエキスという滋味。心が洗われるわ。



「Rue de Vin “Esprit”」
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シャンパーニュ製法による本格スパークリングワイン from 長野。
芯の太さに驚き。



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見続けていたい光景だこと。
敷地内のチーズ工房で作られた、出来立ての宝石が目の前に。


■白い宝石
 水牛モッツァレラ / トマト / バジル
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水牛乳チーズ職人・竹島英俊さんがつくる「水牛モッツァレラ」を
箸でつまみ、齧りつけば、むっちりと跳ね返すような弾力。
徐々にミルクのピュアな優しさが、口の中を占拠する。
トマトのエキスのスープ、バジルオイルの清々しさが一層、
モッツァレラの気品を際立たせていた。


千葉・大原産の蛸が登場。
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■セビーチェ・ガーデン
 蛸 / 夏みかん / ふきのとう
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ペルーの魚介マリネ・セビーチェを「perus」流に。
蛸はアスリートのような筋肉質、噛むほどに濃厚な旨みが押し寄せ
夏みかんの爽やかさ、ふきのとうの苦みが優しく語りかけてくる。


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新潟ワインコーストにあるワイナリー「フェルミエ」の
「エルヴォルカン アルバリーニョ 2021」と共に。
繊細ながらも、芯のある旨みが滲み出る。



■優しさに包まれたなら
 平飼い卵 / 小麦 / ペコリーノ
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エミリア・ロマーニャの伝統「ラビオローネ」を
親鳥のボーンブロスをベースにしたソース、セージバターソースで。

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ラビオローネから溢れ出る卵黄は「KURKKU FIELDS」の平飼い卵のもの。
そのピュアな味わいと、生地の味わい、ソースの深みが渾然に。


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ファーム内にあるベーカリー「Lanka(ランカ)」で作られたパンと。
ソースを拭いながら。幸せのため息。

少し話はそれる。
昨年11月にリニューアルしたベーカリー「Lanka(ランカ)」は
大阪「ル・シュクレクール」の岩永シェフ・プロデュースによりレシピを一新

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健やかな表情のパンたちが並ぶ。朝、この光景を眺め、購入するのが楽しみの一つ。


さて「perus」。
ラビオローネに合わせて
山形「蔵王ウッディファーム」の貴腐ワイン「Who#00002」を
限定290本。名酒販店「IMADEYA」オリジナル。
(ピノ・ノワール(貴腐)50%、シャルドネ(貴腐)44%、プティマンサン6%)
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濃密な味わいながら、すっと舌に広がる凛々しさをあわせもつ。
ふくよかな味わいがじんわり心に響き、ラビオローネの優しさが共鳴。




■春を告げる小糸川
 小糸在来 / 梅 /オリーブオイル
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大豆の在来種「小糸在来(こいとざいらい)」を用いた
ぬくぬくの自家製豆腐。その上には
クルックフィールズの母なる池で小高さんが獲ったスジエビ、2年熟成の梅干など。
小糸在来の深みのある甘みが、くっきりと浮かび上がっていた。
はぁ〜おいしい。これまた幸せのため息。

小糸在来の豆腐に合わせて、これまた稀少な…
新潟「KIYO WINES」の「GEKKO 2020」
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デラウェア100%のオレンジワイン。
清らかな満月のような、たおやかさとエネルギーをもちあわせている。




■農場の豊かさ
 有機野菜
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人参、椎茸、プチヴェール…全ての野菜が「KURKKU FIELDS」の畑より。
プチヴェールとリーキのパウダーとともに。
果てしない素材力。その力強さこそ、生きる源。


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お口直しに柚子大根、小麦ふすまを用いた蕪糠漬け




■紅黄浮かぶ竹筒
 鮮魚 / 菜花 / 蛤
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金目鯛とその肝醤油。

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竹筒には、金目鯛とクラムチャウダ的エッセンス。
キンメの骨からひいた出汁に、蛤の旨み、サフランの優しさ。
心底癒された。


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その竹筒に「七本鎗シェリー樽熟成」。なにこれめっちゃ合う!と一同大盛り上がり。
木樽由来の深く甘みのある香りがじんわりと。
サフランの香りとの相性はいうまでもなく、
竹筒のスープとともに味わえば、ぐっとバニラのようなニュアンスが膨らんだ。



■山の恵み
 猪 / 春菊
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「KURKKU FIELDS」の近隣で捕獲たイノシシを
連携する食肉処理場「オーガニック ブリッジ」で解体、加工、精肉に。
さっと熱湯にくぐらせた肉は、風味よく、甘い。
猪の骨、親鳥の骨などからとったボーン・ブロスと卵黄からなるクリーミーなつけ汁と共に。


さらに。つけ汁にナッツや豆板醤などを加え…。
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4種の小麦粉を配合した自家製麺でつけ麺という至福。
噛むほどに、しぶとい味わいが押し寄せる。これも唸った。


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猪には、長野「ファンキーシャトー」のピノ・ノワール ブラックラベル2018
この熟度としなやかな旨み、艶やかな余韻…。日本トップクラスじゃなかろうか。


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山名シェフが手際よく、手打ちパスタを完成させ


■手打ちパスタ
 小麦 / 海苔
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味わい深いパスタと、カラスミ、富津の海苔の香りぐっと手を紡ぐ。
ちなみに私のんはポーション小さめ。皆さんはこの倍ちょっと。

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小高さんはここに、「白石酒造」の芋焼酎「天狗櫻 ベニハルカ」をもってきた。
シュワっと微炭酸、すっきりとした芋のニュアンスが
からすみの風味、DNAに響くパスタの味わいに、ピタッと。ブラボー!


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その後は竹島英俊さん作のチーズに酔いしれることになる。
左から、シェーブル 水牛のブルーチーズ 水牛のゴーダチーズ
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鳥取「北条ワイン」の和製シェリー「ソル・アンバー」が六腑に染み渡る。




■桃になりたかった、もものすけ
 もものすけ蕪 / 水牛リコッタ / 梅
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赤かぶ「もものすけ」とリコッタ、両者の清々しい味わいが広がる



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そしてエピローグは「水牛のキャラメルジェラート」。見事な着地でした。



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地産地消、自産自消というキーワードはもちろん、
生命体の循環の舞台が「perus」だろう。
この地域、そして「KURKKU FIELDS」の作り手の魂と、
毎日の小さな移ろいを、皿の中に表現する山名シェフの技と創造性。さらに
小高さんによるペアリングの妙は、シーズン通して定点観測したいとさえ思う。
そして私は、このレストランをめがけて、再び旅に出る。



perus
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KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)」
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*昼は宿泊者以外の方も気軽にシェフの料理を
*夜は宿泊者限定のコース料理を堪能することができます


■Kid A

# by writer-kaorin | 2023-03-11 10:18 | KURKKU FIELDS | Comments(0)