イタリア地方料理研究会 vol.2「南イタリア」
「イタリア地方料理研究会」。
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待ちに待った、第2回目のテーマは「南イタリア」。
懐かしいなぁ…。南イタリア。
シチリアだと、カターニアにバルチェッローナ、
アグリジェント、ラグーザを2週間かけて右往左往したし、
ナポリは3回ほど行ったが、NYと並んで世界一好きな街だ。
そして、「蝸牛食堂通信」を読んでいると、
カラブリアに行きたくてウズウズしてしまうのだが、
本日、南イタリアの料理を味わい、旅する気分を楽しませていただこうか。
*MESSINA

さて、前菜からスタートなのだが、
前菜9種に、パスタ3種、メイン1種そしてドルチェ・・・。
昼を抜き、走ってお腹を空かせたものの、完食できるか自分!?
まずは前菜6種

Ripieno di peperoncino calabrese
藤田シェフのblogによる、辛イメージが先行したが、
辛さはほぼ無。中にはツナペースト。
*ズッキーニのオーブン焼き(カンパーニア州)/Tre lumache
Zucchini al forno
ジューCなズッキーニだこと。
*ジャガイモのピッタ(プーリア州)/BOCCIO
Pitta
これ1個で、ビール半分以上減る、アテな旨さ。
中にはパンチェッタとホウレン草?
*ナスのスフォルマートとセモリナ粉のパン(シチリア州)/BOCCIO
Sformato di melanzane
シチリアのマンマがよく作ってくれた懐かしの味!!
*ひよこ豆粉のフリット(シチリア州)/Ritto
Panelle
ひよこ豆の風味、凝縮。小さいスティックサイズだが、どっしりとしてる。
*野菜のごった煮(カンパーニア州)/Ritto
Cianbotta
トマトトマトしている?カンパーニアだし、と思ったら、
意外にそうでなかった。
各野菜の風味が奏でる優しい味わい。
ここらで
*'08プーリア・ボンビーノ(コディーチ) uva:ボンビーノ
Puglia Bombino(Condici)

レモンのような香りが心地よい、軽やかなテイスト。
パンも地域ごとに3種。

Casatiello
*タラッリ(プーリア州)/Boccio
Taralli
*シチリア風ゴマパン(シチリア州)/Ritto
Pane siciliano
そして前菜第2弾!3種盛り

*カタンツァーロ風モツの煮込み“モルツェッドゥ”(カラブリア州)
/Tre lumache Morzeddu al cantanzaro

旨味のある刺激的な辛さが舌にじんじん響く。
藤田シェフならでは!
*マグロの白ワイン煮(シチリア州)/Boccio
Braciole di tonno

身質は驚くほどしっとり!煮込みすぎたらパサつき出そうやのに何で!?
地頭方シェフ曰く、冷凍ではなく生のマグロを使っているそう。
新鮮ゆえの、なにか秘訣があるのかも。
*豚頭の煮こごり(カラブリア州)/Ritto
Gelatina di maiale

まったりとしたコクと、柑橘系の、どこか爽やかな甘みがじわり。
聞けば、ヴィネガーで煮込みつつ、
オレンジピールやシナモンを忍ばせているという。
パスタは3種
*フジッリ・ルンギ トラパニ風ペースト(シチリア州)/Ritto
Fusigli lunghi pesto trapanese

これらを組み合わせたトラパニ風ペースト。
トラパニとはシチリアにある地域名。
シチリア料理の特徴のひとつに、名産であるアーモンドを使うものが多いという。
茹でに20分以上かかるフジッリ・ルンギは、どっしり、存在感大。
そこに、ぽってり重みはあるが、意外とさっぱりしたソースが絡む絡む。
*羊乳のリコッタを詰めたシチリア風ラヴィオリ
“カッサテッレ”魚介のサルサ(シチリア州)/Tre lumache
Cassatelle di Sicilia alla salsa di frutti di mare

それらの旨味、凝縮してる。
中には、羊乳のリコッタ入りラヴィオリが。
濃いスープと、リコッタの爽やかさ。
このコントラストと、徐々にまじわる一体感が秀逸。
そして、シチリア風ラヴィオリの原型がコチラ ↓

どうやって、編むんだ!?
*'08シチリア・ビアンコ・ムニール(トマス・アンド・ギーゼン)uva:カタラット

シチリア西部を中心に、イタリアで2番目に多く生産されている品種。
こちらは有機栽培。深い旨味。余韻も心地よい。
*サフランを練りこんだ手打ちショートパスタ“マッロレドゥス”
サルシッチャとウイキョウのソース(サルディーニャ州)/Boccio
Malloreddus

サルデーニャ島で受け継がれている手打ちパスタだそう。
小さいが、重みのある存在感。サフランの風味がたまらなく心地よいです。
サルシッチャの旨味&ウイキョウを利かせたソースのおいしさ、言わずもがな。
けっこう、腹八分目以上・・・・(笑)
そんなとき、目の前に供されたのは!!!!!
*ファルソマグロと茄子のポルペッティーニ(シチリア州)/Tre lumache
Falsomagro con polpettini di melanzane


ファルソとは「偽もの」、マグロが「痩せた」の意。
よって、肉の塊に見せかけた、偽ものの痩せた料理といういわれが1つ。
また、13世紀の頃、フランスがシチリアを支配していたらしく、
フランスからやってきた料理説もあるという。
中にはゆで卵。見た目、スコッチエッグ?いやシチリア風ミートローフ!?
かなりのボリュームだが、ビーンズの優しいソースが絡み、
ラストスパート!で、ほぼほぼ完食。
そしてドルチェは
*アーモンドのプリン(シチリア州)/Boccio/Buddino dimandorle
*お米とチョコレートのタルト(〃)/Ritto/Riso nero
*ブラッドオレンジのジェラート(〃)/Ritto/Gelato di arance rosse

しかしながら、今回は満腹中枢おかしくなりました。
南イタリアで食べた数々の料理はあったけれど、
(素材でいえば、マグロ料理に、カジキ、イワシ、トマト料理、カラスミ、ウニetc…)
今日はそんな、ワタシの中の南イタリアのイメージを覆す料理のオンパレード!
藤田シェフ曰く、魚介を食べはじめたのは最近だそうで、
(最近っていつくらいなのか聞き忘れたが)
今回、いただいた料理の数々は、南イタリアのトラディッショナル。
昔から食べられてきた料理なんだとか。
モツ料理なんかも、北イタリアのイメージだったが・・・。

やはり、発見ばかりで勉強になりました。
どうもありがとうございました!
では第3弾も楽しみにしてます!
Roxy Music / More than this
by writer-kaorin | 2010-07-25 11:54 | イタリア地方料理研究会 | Comments(5)