日本料理 山玄茶 @祇園
言うまでもないですが、主・増田伸彦さんは、
八日市の名料亭「招福楼」で20年以上勤めらたお方。
増田さんの地元・滋賀県水口から、祇園に店を移され
今年5年目を迎えられたそうです。
旨し楽し昼下がり。
仕事仲間と、カウンターにて。
先附
*胡麻豆腐、雲丹、岩茸、浜防風

香ばしさよりも、深いコクが際立つのは、
炒り胡麻ではなく、生の胡麻を使うからだそう。
雲丹の甘さと割り醤油の加減もいい。
煮物椀は、スープ仕立てで
*鱧スープ

鱧の骨を焼き、1時間以上煮込んだものをスープのベースに、
一番ダシや酒と合わせているんだそう。
鱧は脂を蓄え、焼き茄子や滋賀産のジュンサイも鱧に負けぬ存在感。
お造り

一番左はなんと、マスカルポーネ+醤油!
*車海老、アコウダイ、中トロ
アンディーブ、パプリカ、あおさ海苔寒天よせ

チリ酢と山葵で中トロというのも、これが新味。旨いんだ。
次に、アコウダイをマスカルポーネ醤油に付けて味わえば、
発酵的風味と醤油のコクの中に顔を覗かせる、アコウダイのねっとりとした甘み。
組み合わせは縦横無尽。あ、アンディーブにマスカルポーネ醤油も秀逸。
*岡山 下津井の蛸湯引き、梅肉醤油、山葵
*烏賊ソーメン、淡路 由良の雲丹、生姜ダシ

そして山葵、梅肉醤油の名脇役ですね。
由良の雲丹、口中でスッととろけ、烏賊ソーメンとともに爽やか、夏の味。

*焼き鱧の飯蒸し

*安曇川の鮎 生姜醤油焼き

身はホックリ、嗚呼、杯止まらぬ。
塩焼きでは感じ得なかった、発見。
*八寸

厚焼き玉子、 クリームチーズを忍ばせた大徳寺麩、 鰻八幡巻き、
蓮根 スモークサーモン、 山モモ赤ワイン煮、
そして祇園祭ですね、煮穴子の粽寿司です。

いずれも、完成度の高さはもちろん、
組み合わせの妙を楽しませていただけます。
*蓮根のパン with 太白胡麻油と柚子塩

咀嚼すれば蓮根の小気味よいシャキッと感。
この蓮根パンに八寸の黄身酢ジュレをつけて味わい、
次は鱧の子の玉締めとともに。妙に合うのだ。
増田さんの発想力には感服。
ちなみにオリジナルの蓮根パンは、「吉田パン」作。
揚げ物は
*鮑の天ぷら、トウモロコシのかき揚げ、鱧フライ


そして驚愕の旨さ、某イタリアンMシェフによる自家製ケチャップ。
ナチュラルな甘さと程よい酸味が、鱧フライとなんと合うこと。
*蓮蒸し

山葵と梅肉、こちらも素晴らしくいい仕事している。
あと何かひとつ…といったポイントの見定め、その加減が素晴らしいのです。
御飯ものはなんと
*アワビ御飯


米ひと粒ひと粒が立ってて、ツヤツヤ柔らか。
やさしい甘味と香りでどれだけでも食べられそう。
ふうわり漂うアワビの海味、身もじつに柔らかい。
八丁味噌の上澄み

「おかわりいかがです?あんかけにします?」と増田さん。
そら、もう言われるがまま…(笑)
鮑ごはん、あんかけ

水物は
*パッションフルーツのゼリー

岡山の種なしブドウ「瀬戸ジャイアンツ」も
ゼリーに引けをとらぬ美味しさ。
*百合根きんとん


*水羊羹

この水羊羹は、自称「日本一柔らかい水羊羹」ということでしたが、
ホント、こんなに柔らかい水羊羹、食べたことがない!
見た目とは裏腹、一瞬にしてとけゆくような…。
小豆の優しい風味と、甘さわずかの軽やかさ。
実直、それでいて温かみに溢れる増田さんのお人柄に、
心から楽しいと感じさせていただける、ひととき。
懐石の枠組を遵守しながら、新しい組み合せ、自由な発想を散りばめる
アイデアの絶えない増田さんの、凄みを感じさせていただきました。
ご馳走様でした。
「日本料理 山玄茶」
京都市東山区祇園町北側347-96
075-533-0218
open : 12:00〜14:30(13:00入店)、18:00〜21:30(19:30入店)
close: 火曜、月1回連休有
http://www.eonet.ne.jp/~sangencha/
Van Halen - You Really Got Me [HD]
by writer-kaorin | 2012-07-11 10:00 | 山玄茶 | Comments(6)