北新地 弧柳


先付は
*泉州 渡り蟹、醤油漬けイクラ
長居の菊菜と高槻の椎茸のおひたし 柚子のかき氷

そこに、ダシの加減素晴らしき、菊菜と椎茸のおひたし。
かき氷の冷たさとそこから広がる柚子香。
それらが三重奏にも、五重奏にもなって口中にひろがる。
和え物は
*天王寺蕪 間引き菜、大徳寺麩、柿、豆腐のあん

大徳寺麩が味をきゅっと引き締め、
柿のピュアな甘み、そして豆腐のあんはコク深く濃厚。

魚庭が登場です

その横には醸し人 九平次・この時期限定の日本酒。

前者はねっとりとまとわりつくような旨み。
後者はコリコリッと弾力楽しく、こちらも甘い。
そのお隣はウオゼ。身質はキメ細かで、皮の青っぽい風味が好き。

これにはやられました・・・。禁断の味(笑)

炙った皮目の香ばしさと繊細な身質に
醤油を摺り込んだこのニンニク、妙味。

椀物は
*松茸 おすまし 松茸粟餅 三度豆 白木耳

コクと香りの膨らみが素晴らしい。
そして松茸の香りが、幾層にも重なり合う。
ここらで、出雲富士の特別純米をぬる燗で。
*淀川の天然鰻 炭火焼 銀杏 金針菜、蓮根とみずの実の梨和え

銀杏から和え物まで、ひとつひとつ存在感のある味わい。
*グジ(白甘鯛)の河内蓮根蒸し 勝間南瓜 天然の茸3種

グジの繊細な身質と、すりおろした河内蓮根のふわっふわの食感とが見事に融合。
茸はたしか、ヌメリイグチ・アミタケ・野生ナメコ。

*仙鳳趾の牡蠣 針茗荷 菊の花

*丹波篠山 猪の炭火焼 能勢の銀寄せ栗 オカヒジキ

クセが全くといってよいほどなく、脂はサラリ、赤身は旨みが強い。
栗は渋皮までもが味わい深いのです。
*高槻キヌヒカリと箕面の天然水のお粥 鯛味噌添え

なによりもおいしい米と水を同時に味わえるのが嬉しい。
程よく米粒が残る粥は、ふわり、つるり、と舌を通り過ぎ、
ハッ!とさせられるほどの、米本来の旨みや香りが口中に充満。
鯛味噌と漬物がまた、素晴らしい仕事をするのだ。
*豊水梨の赤ワイン煮 完熟柿とラム酒風味の栗餡

そして最近のヒット!ラム酒と完熟柿の組み合せ。好きです。
地物の個性をいかす調味を心がけるご主人・松尾慎太郎さん。
大阪の生食文化へのオマージュはもちろん、なにわ伝統野菜、
そして地元の米、そして水の素晴らしさまで、
以上、めくるめく松尾さんワールドを楽しませていただきました。
ご馳走様でした。
「北新地 弧柳」
大阪市北区堂島1-5-1 エスパス北新地23-1F
☎06-6347-5660(要2日前予約/2名〜)
open : 17:30〜22:30LO
close:日曜、祝日
http://www.koryu.net/
Tears For Fears - "Everybody Wants To Rule The World"
by writer-kaorin | 2012-11-09 09:24 | 弧柳 | Comments(0)