LACERBA (ラチェルバ) @新ダイビル
フィレンツェで発刊した未来派機関紙「ラチェルバ」から。
(「未来食堂通信」より)
http://trelumach.exblog.jp/23555141
それは7月11日のこと。
「タベルナ デッレ トレ ルマーケ」が店名も新たに、
北新地・新ダイビルへ移転。


イタリアの伝統料理・地方料理を突き詰めた武闘派料理を供されていたが、
オーナーシェフ・藤田さんの思考回路、そして皿のなかの
“進化”は、店へ伺う度に常々、体感していた。

藤田さんの混沌とした想いが、皿のなかに見事に表現されていた。
伝統や地方料理をリスペクトした上での
「イタリア料理、未来派」とでも言おうか。
完全なる藤田料理。その今を、愉しませて頂きました。

「Person L’Audacieuse Brut」は品のある果実味、
そしてクリアな味わいで、酸の余韻もすごくキレイ。

「LUG」BIERE blanche Brasserie des Voirons
白ビール系。ヴァイツェンほどバナナのような甘い香りは感じず、
やらこいホップの香り。
*ゴールドラッシュ 鮎

ゴールドラッシュのピュレは透き通った甘みが、夏!
そこに、鮎の肝とホワイトバルサミコなどを用いたソース。
このソース、ほろりとした苦さと深いコクを感じつつ、
さっぱりとした酸味も。
どれが欠けても成立しない味わいのバランス。
*鰹
太もずく ローザマリーナ

その熟成感ある旨みが、鰹のいい風味だけを露にさせる。
そこに、モズクの粘りあるソース、茗荷フリットなどの香りが共鳴。
そして作家・松村英治さんによる焼締めの作品。
派手さはないが、器と料理、互いの関係により
器は堂々たる存在感を放つ。

甘み、旨み、しっかりめ。鰹の皿の力強さにピタリ。

ワインと料理、パンと料理、ワインとパンが、行き交う。嗚呼、おいし。
*鰻
茄子のズッペッタ オクラ 雑穀

茄子の風味が際立っている。
そこに、鰻の白焼き、雑穀、白オクラ。
素材感際立ちながらも、じつに繊細でやさしいテイスト。
緩急付けたコースの流れに、テンション上がる。

やわらかで、何というかふ〜っと心地よい余韻。
*北海道毛蟹
キアンカレッレ


耳たぶのようなパスタ・オレキエッテを伸ばしたような楕円形ショートパスタ。
毛蟹の旨み、和歌山・アイーダ農園のトマトのくっきりとした酸味が重なり合い、
パスタに絡むのなんのって。
*タィヤリン
兎 サマーポルチーニ

兎を用いたラグービアンコ。
サマーポルチーニがふうわり香り立ち、
絡ませたバターはリッチなコクを奏でる。
パリパリに乾燥させた、アイーダ農園のトマトの皮の食感が楽しい。

じつにエレガンテ。
*鴨
栄螺 つるむらさき

皮目のバリリとした香ばしさとは裏腹、
肉はうっとり美しきロゼ色。
そこに、栄螺の肝を用いたソース。その海的苦味とコクが
なんとまぁ合うこと!栄螺の身のコリックニャッとした食感楽しく、
つるむらさきの、ぬめりや土の大地の香りが程よく主張。
*セロリのジェラート
メロン 新生姜

そして、それらが融合したとき、
メロンの透き通った甘みが押し寄せる
心解れる甘いおいしい時間。
ハーブティーで締めとなりました☆
「ラチェルバ」は新ダイビルの2F。
せやけど、店名を記した看板を掲げるわけでもなし
「ほんまにここ?」と、おそるおそる扉を開けると、
そこには、日本人の琴線に触れる、居心地いい空間が。

月1で伺い、藤田料理を定点観測したい。
何よりも、シェフのマグマのようなその想いを、改めていっぱいお聞きしたいな。
「LACERBA (ラチェルバ) 」
大阪市北区堂島浜1-2-1 新ダイビル2F
☎06-6136-8089
open : 18:00〜20:30LO
close: 日曜
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by writer-kaorin | 2015-07-29 07:19 | LACERBA | Comments(3)