柏屋 大阪千里山
*先付
菱蟹 三つ葉 黄菊 独活酒煮巻き、青芋茎
衣被(きぬかつぎ)、枝豆

ウドで巻いた菱蟹は、加減酢の塩梅よく
衣被は秋の香り。
月の形の器が風情を醸している。

エグゼクティヴ・シェフソムリエ 松岡正浩さんに全任せ。
*伊勢海老炙り、翡翠茄子、煮切り乳化地

太白ごま油を用い乳化させたという地の、まろやかな旨みが絡む。

一度目は、某所で出合えた、北大路魯山人の日月椀だった。心が震えた。
*鱧葛叩き焼目、玉子の葛豆腐、椎茸揚げ焼、三度豆、糸柚子、梅肉

じんわりと、カラダの隅々に、だしのうま味が行き渡り、
鱧の、この時季ならではのふくよかな味わいにウットリ。
すすきに見立てた糸柚子、風情あるな。
松岡さんは煮物椀に、なんと
デキャンタージュした、あるシャンパーニュを合わせた。これは新発見のペアリング。
*造里
甘鯛昆布〆焼目、まぐろ、剣先いか

透き通った身質の甘鯛が放つ、旨みと香ばしさに、
すきっと系日本酒 寫楽(福島)を。どんぴしゃ。
*八寸
つばす昆布〆、茗荷酢漬け、芽葱、長芋拍子木
鱧の子の袱紗焼、銀杏素揚げ、利休麩、菊菜、リコッタチーズのづけ

どの品も、お酒を誘う存在感。なかでも、吉田牧場のリコッタチーズのづけ、
づけの旨みはありつつリコッタの風味が生きている。
*油物
子持ち鮎煎り出し 吉野あん 三つ葉 蓼酢
新胡桃 松の実 糯米のにや米 人参松の実クリーム

にや米は、もちっとしつつ、リゾットに通ずる質感。まさに和のリゾットだ。
蓼酢と、人参松の実クリームで味わいの広がりが楽しく、
重陽の節句を、緑と黄という色で表現するあたり、さすが松尾さん。
*箸休
汲み上げ湯葉、南瓜の白玉団子、掛け出汁煮こごり、すり柚子

すがすがしい風味の煮こごりに、南瓜の優しい甘み、さらには
湯葉の濃厚な味わいが渾然一体に。
*鉢物
蒸鴨ロース、冬瓜油煮、青葱

クリアでぴしっと存在感放つだしのうま味に、皆、無言。

*御飯
鱧のタレ焼き、茗荷、大葉、有馬山椒


薬味と有馬山椒が、めっちゃいい仕事してます。
〆のはずが…日本酒を口に含みたくなる御飯。
合わせ味噌仕立ての汁とともに。
*水物
ピオーネ、マスカット、蜂蜜ゼリー寄せ

*かさね

左は「萩の色目」ということで、紫芋と大和芋、えんどうまめの餡。
右は「山吹」。ヒヨコ豆の餡とメイプルの羹。
季節の移ろいを色彩として感じ取ってきた、日本ならではの配色法。
仕事でも勉強することが多くって、それは興味深いことばかり。
「かさね」の色と味わいを、薄茶とともに楽しませていただきました。
食後は店主・松尾さんと、
かさねのお話をはじめ、器やしつらえ、さらには梅棹忠夫さんのお話まで。
盛り上がったことは言うまでもない。
Nさん、Tさん、いつもありがとうございます。
店を出て家までウォーキング。澄んだ空気のなか、月明かりがとても綺麗だった。
「柏屋 大阪千里山」
大阪府吹田市千里山西2-5-18
☎06-6386-2234
open : 12:00~13:30(最終入店)、18:00~20:00(最終入店)
close: 不定休
https://jp-kashiwaya.com/senriyama/
Bryan Adams、2017年1月、来日公演決定〜♬
http://udo.jp/Artists/BryanAdams/index.html
Bryan Adams - Heaven - Acoustic Live
by writer-kaorin | 2016-09-20 07:59 | 柏屋 大阪千里山 | Comments(0)