鮨富 @小浜の海味、3月。
ということで、とんぼ返りの帰省だが
いつもの寿司屋「鮨富」での夕餉。


お料理はいつも、おまかせで。
この時季ならではの小浜ならではの海の恵みをとくと愉しもうではないか。
*バイ貝

コリッとしつつ柔らかな肉質で、
太白胡麻油の上品な香り、所々ピリリと辛味。
*真蛸の焼き霜造り 真蛸の卵の煮付け

こちらも地物。というか、おまかせコースはALL地物。

くっつくようなプチプチとも違う独特の舌触り心地よく、
優しい旨みが舌に響く。
*牡蠣の藁焼き

咀嚼するほどに、身の緻密さを感じるな。
いてもたってもいられない(冷酒)


稀少な酒だ。旨みと香りとが凝縮している。
生酒のフレッシュさと、どこかフルーティーなニュアンスも。
*平目 薄造り

まったりとした甘みが舌にまとわりつく。
*鰤の中落ち ユッケ風

ここ、めっちゃ旨くて好きなのだ。
鮨富のそれは、うずら卵とコク深いタレでユッケ風に。
唸る味わいだった。
*小浜産ホタルイカの塩辛

これは日本酒泥棒!
*黒メバルの煮こごり

メバルは肉厚。忍ばせた筍は、味が染みてて美味。
*黒メバルのハラモの素揚げ

香ばしくって塩梅もよいから、これでチビチビやれる。
*連子鯛 昆布〆

昆布のうま味が、ジャストな具合に浸透。
小浜ではこの連子鯛を酢漬けにした「小鯛ささ漬」が有名だ。
*鰤 腹身の炙り


皮と身の間にあるゼラチン質、これまた堪らん。

透き通るような美しさ。キレが良く洗練された味わいだ。

このように、鮨富では地物に特化した寿司や肴はもちろん、
日本酒も地元のものを多く揃えている。
以上、小浜産の海幸オールスターズな肴たち。
酒がなんぼあっても足りないくらい、酒飲みのツボを突く品ばかり。
そして、地物の握りへと続く。
*剣先烏賊 ゲソ

*鰤とろ

優しい甘みを感じるシャリとの相性、完璧。
*バイ貝 海老塩

海老塩の仄かな香りがふんわりと。
ちなみに海老の殻を炒るところから、海老塩は自家製。
*〆鯖

塩味ほどよく、酢〆は浅めだから
鯖そのものの風味がぐっと際立っている。
白板昆布の上品なうま味、鯖、シャリ、三者のバランス良いわー。
*ハタハタ一夜干しの握り

干すことで旨みが増したハタハタと、シャリって
こんなに合うんだと、嬉しい驚き。
これはおかわりしたくなる、懐かしくもあり新しい味。
ハタハタのサイズ、干し加減、塩加減がじつに重要だと思う。
*穴子

口のなかで瞬時に解けゆく。
*烏賊飯 いなり寿司

大将・島川さんとともに鮨を握る、息子さんの陽平さん。
剣先烏賊はしっとり、火入れ加減完璧。
シャリに忍ばせた煎り胡麻がいい仕事してます。
そして、いなり寿司、めっちゃ懐かしい。
甘みが優しく語りかけ、黒ごまの香ばしさが全体を引き締めていた。
以上が、地物に特化した「おまかせ」でした。
この後は好きなネタを注文させていただくことに。
*雲丹

*鮪 とろ


聞けば、鮭とばならぬ「平目とば」だそう(笑)
とば、とは冬葉と書く。日本海側ならではの寒い冬、
天気がいいときに天日干しを繰り返し、カチカチ硬い。
噛みしめるほどに旨みがじわじわやってくる味わい深さ。

*桜のババロア

息子さん・陽平さん作のそれは
桜の風味、木苺のリキュールの甘酸っぱさが
なめらかな質感のババロア生地と好相性でした。
以上、小浜の海の恵みをたっぷり堪能!
何が嬉しいって、鮮度いい地物の握りのみならず
素材に工夫を凝らした「仕事」を感じさせる肴や握りも多いこと。
そりゃ稀少な地酒もスルスルいってしまうワケなのです。
大将、陽平さん、女将さんいつも美味しい時間をありがとうございます!
「鮨富」
福井県小浜市小浜広峰83-1
☎0770-53-0337
open : 12:00〜14:00、17:00〜21:00
https://www.facebook.com/sushitomi2
TALKING HEADS - Psycho Killer (1980)
by writer-kaorin | 2017-03-31 09:53 | 鮨富 | Comments(0)