鮨富 @地物の肴、握りで呑む

そそられる料理名が並び、これを眺めながら呑めるわ(笑)
また別の品書きには「本日のおすすめ」も書かれている。
基本、単品注文なのだが
私はいつも、つまみも握りもおまかせでとお願いする。

*タイの親子和え

即、日本酒へシフトしたくなるやないの。
*お造り盛り合せ(アジ、〆サバ、剣先イカ、タイ)

イカは隠し包丁によりぐっと甘みが増していて、
タイは旨みを蓄えている。
「若狭湾内に、イルカが迷い込んでいている影響で
今、魚が極端に少ないんですわ」とは大将の島川さん。
鮨富で扱う旬魚のほとんどが地物。
ゆえ自然界には逆らえないなか、確かな技をもって
食べ手の舌を喜ばせてくれるのだ。
*アジの白子 ポン酢


サバ白子は、上等な絹ごし豆腐のようなコクと舌触り。
こんな珍味をいただけるのも、産地ならでは。

豊かな香りに続くフレッシュなニュアンス、ふくらみのある酸が、
ポン酢の爽やかさとマッチ。
*タイの白子(白焼き/タレ焼き)

白焼きはキレイな風味。
タレのほうはすきっとした旨みが広がり、白子の濃厚さがぐっと増す。
*オコゼ薄造り

コリリと小気味よい食感、淡白ななかに潜む繊細な旨みを愉しむ。
私にとってオコゼの薄造りは、旅した直島の思い出の味。
小浜産のオコゼも、身はもちろん肝や皮に至るまで存在感ある味わいだ。
日本酒は「梵 純米大吟醸 吉平」へと。
黒龍は、日替わりであれこれ種類があり、いずれもリーズナブルでびっくり。
*若狭がれい 唐揚げ

サクッ、ホクッと食感宜しく、噛むほどに深い旨みが広がる。
塩梅ドンピシャ。で、骨まで愛してな味わいなのだ。
小浜が誇る「若狭がれい」の一夜干しって、
焼いて食べることがほとんど。だから揚げるってめっちゃ新鮮だった。
こう言っちゃなんだが、メイタガレイの唐揚げよりも、断然旨い。
なお、若狭がれい(ヤナギムシカレイ)の漁は
底引き網漁が終了する5月末をもっておしまい。
乱獲を防ぐため、という理由もあるとか。
次、私がこの唐揚げに出合えるのは9月だな。

そして握りへと続く。
*剣先イカ 炙り

口に広がるは、その甘みと炙りの程よい香ばしさ。
*グジ

その温さがいい。
口中で寿司飯とともにハラリとほぐれ、グジの甘みが際立っている。
*若狭ガレイ一夜干し 炙り

小浜ならではの素材に一仕事施した握りは、
この店ならではだ。
*ハタハタ一夜干し 炙り

まず寿司飯のサイズに合うハタハタでないといけないし
握りの塩梅とのバランスを考慮して一夜干しにした後、この握りとなるわけで。
身はぷりんっとハリがあり、瞬時にはらりとほぐれる。
その深い旨みと、寿司飯とのバランス、お見事。
*マグロ トロ

そして清々しい香りを漂わせている。
*ウニ軍艦

ちなみにトロとウニのみ、アウェイなネタ。
*蒸し穴子


「ほか何か握りましょうか?」とは息子さんの島川陽平さん。
陽平さんとは、京阪神や関東の美味しい店談義がいつも楽しくって
つい話し込んでしまいそうになる(笑)
この日はめっちゃ忙しそうだったので、その思いをぐぐっとこらえて
「サバ、お願いしますー」
*〆サバ

強い〆ではないので、サバの上品な脂の甘みを感じるのだ。
*ネギトロ巻き

おかげで大満足の〆となりました。
*オコゼ汁

オコゼのアラのゼラチン質、堪らん。
しかも、オコゼの旨みが汁に混じり合い、その味わいといったら
また呑めてしまうくらいに美味なのだ。
*抹茶ババロア

ぐっとほろ苦い抹茶ソース。そのバランス、いいね。
立夏の小浜ならではの味覚を、
じっくりと愉しませていただきました。
ここまで地物オールスターズは、旅人にとっては新鮮でしょう。
また私のように地元を離れた人にとっては懐かしくもあり
でも家で味わえない逸品揃いなのだ。
大将、陽平さん、女将さん、いつもありがとうございます☆
「すし処 鮨富」
福井県小浜市小浜広峰83-1
☎0770-53-0337
open : 12:00〜14:00、17:00〜21:00
close: 月曜
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by writer-kaorin | 2017-05-20 11:10 | 鮨富 | Comments(0)