シャンパーニュをメインとした会員制ワインバー
「月の港」オーナーの
深雪ちゃんと、久々のサシ飲みだ。
付き出しは「ミズの実のおひたし」。
秋の山の恵み「ミズの実」は
ムカゴっぽい、ホクッシャキッとした心地よい歯ごたえ。
*タイ
むっちり、脂の旨みがじわり。
藻塩をハラリかけて味わえば、甘みが際立つ。
*イシカゲガイ
聞き慣れぬ貝だわ。
市場では「白トリガイ」や「イシガキガイ(石垣貝)」という名で流通しているとか。
香りも甘みもぐっと力強い。
そらもう、日本酒の口に。
「津島屋 純米吟醸 信州産美山錦 瓶囲い H27BY」(岐阜・御代桜醸造)
程よい円熟味と上品さをあわせ持つ日本酒だ。
*新サンマ 生姜醤油
ほんのり甘めの醤油と。
あっさりとした脂、清々しい風味が広がりゆく。
津島屋をチビリグビリ。至福の時。
*ホッキガイ
ヒモと貝柱を醤油漬けにし、干したものを炙って。
甘み、すこぶる濃い。そこにピリリと主張する一味、いい仕事してる。
*カツオ たたき
戻り鰹の身は肌理が細かく、このもっちり感、堪らない。
*ノドグロ 塩焼き
バリッとした軽いタッチの皮目、その香ばしさの後に
脂がじゅわりと溢れ出たかと思えば、口中を占拠するのだ。
でもサラリと上品な脂で、上等なノドグロだと実感。
*はもざく
目の前で、骨切りをするところから始める「はもざく」。
そのハモは脂のり見事。炙りで香ばしく、身はふっくらホクホク。
そこにキュウリのザクッザクッと規律正しい音、加減酢のまぁるい塩梅がピタリ。
はぁ〜美味しいわ〜っとニンマリしつつ
和やかな時間が流れる、心地いいひととき。
ここらで握って頂くことに。
*メイタガレイ 昆布〆
ぷりんっと、独特の質感のメイタガレイ。
じわりと旨みを放ちつつ
ほんのりぬくい寿司飯との一体感。これには驚いた。
*剣先イカ
細やかな包丁目が入っている。
とろけるような舌触りと、深みのある甘みを感じ
酢橘の香りがふうわりと。
*大間のマグロ 赤身の漬け
締まりよく、ぐっとコクを感じる。
寿司飯の旨みと素晴らしい出合い。
*中トロ
こちらも大間産。
延縄漁で釣り上げられたマグロだという。
脂ののりは控えめだが、酸味ほんのり、そして味も香りも濃いの。
こちらは「アイスランド産 本マグロのトロ」。
まったりとしたコクを撒き散らしたかと思えば
すっと消えた。
*コハダ
程よい〆具合。繊細な脂の滋味が際立ち、寿司飯のツヤ、甘みと共鳴。
「足赤エビ」は肉厚でいて緻密。
クリアな甘みとミソのコクがいいね。
そんなネタの素材感を、穏やかな塩梅の寿司飯が引き立てている。
昆布〆にした「サヨリ」。
やらこい旨みが徐々に押し寄せ、寿司飯とともにハラリ解けた。
*アジ
ハリよく、身に甘みがある。
アジの綺麗な風味と、生姜の香りがクロスする。
「キス」はピンッピン。透き通った質感だ。
大葉が仄かに香る。
「イクラ」は甘辛なコクを蓄え、
何てったって、炙りたての海苔の芳しさ。これにはハッとなる。
愛媛の「赤ウニ」は、清々しい香り。
*穴子(塩・煮ツメ)
熊笹の上で蒸し焼きにした穴子は、塩と煮ツメの2種で。
塩のほうは、繊細な身の甘みをじんわり感じ
煮ツメは、ほろ苦さと燻香の力強さがいい。
いずれも寿司飯とともにふわり、舌を喜ばせ、すっと儚く消えた。
*玉子
ふぁっふぁエアリー。優しい甘みとコクが広がる。
そして追加注文の「かっぱ巻き」で〆とした。
ご主人・富田さんとのやりとりも楽しく、
サシ飲みならではの、ここでは書けないトークもノンストップ。
だけどアテや握りが供されると話中断で真剣に食べる私たち。(笑)
この時季ならではの走りと旬、名残を愉しみつつ
富田さんならではの緻密な仕事が窺える握りにうっとり。
満足度がひじょうに高い、おまかせな夜でした。
深雪ちゃんまた近いうちに♪
「鮨処 よしか」
大阪市北区西天満4-5-23
☎06-6366-0770
¥握りのみ ¥8,000、つまみと握り ¥10,000(2017.9.28現在)
Tom Waits - Rain Dogs