この日は、上本町「錢屋本舗」へ。
目当ての店は、このビルの1Fにオープンした洋食店「洋食 川ぎし」だ。
2017/11/18オープン。
オーナーシェフは、谷町四丁目「キートス」で料理長を務めた川岸健二さん。
洋食の名門「倶楽部キュイジーヌ」でも長年、修業を積んだ人物だ。
川岸さん、ご開店誠におめでとうございます★
コの字カウンター8席。
席につくやいなや目に入るは、名前入りのメニュー表。
ちょっとした気遣いに嬉しくなるわ。
料理は、ディナーコース7000円が主体。私らはこちらを。
遅い時間(おそらく21時とか)はアラカルトも用意しているとのこと。
*三重 桃取産「桃こまち生カキ」〜カクテルソース〜
北海道産 「サロマ湖1年カキ」〜土佐酢ジュレ・フィンガーライム〜
カキ食べ比べというワケだ。
殻付きは「桃こまち生かき」。まったりとしたコクを感じる。
驚いたのがココットに入った「サロマ湖1年カキ」。
小指第二関節分くらいの小粒ながら、じつに濃厚。香りも海味も強烈。
ジュレとプチプチ食感のフィンガーライムで、清々しい余韻も。
「A.R.LENOBLE CUVEE INTENSE BRUT」でシャン杯★
*長崎 ヤイトカツオとアボカドのタルタル
キッシュロレーヌ
まずはキッシュをひと口。パート・ブリゼはサクホクッと香ばしく、
ベーコンとチーズの旨みがじわりと。温さもいいねぇ。
タルタルは、ヤイトカツオ脂のりよく、ウニに引けを取らない存在感。
*北海道 鱈の白子 サラダ仕立て
パネして多めの油で揚げ焼きにした白子は、ハフハフ熱々!
カリトロッ、そのクリーミーさに唸った。
赤ワインビネガーと粒マスタードを使ったビネグレットソース、
その塩梅が完璧でした。
「しみじみ系ワインを」とのK馬さんからのオーダーに、川岸シェフ
どんぴしゃな赤ワインをもってきた★
「Villa Wolf Spaetburgunder Q.b.A. trocken 2014」
WEINGUT DR.LOOSEN
シュペートブルグンダー100%。ドイツのピノノワール、好きな品種。
リースリングの造り手だそうで。
そんなローゼンさんが醸すこちらはじつにエレガントで滋味深い。
*京都産 若鶏 チキンバスケット
待ってました!のチキンバスケット。
ザクッと香ばしくも軽やかな皮の質感に続き、
クリアなジュがこれでもかといわんばかりに溢れ出る!
身はしっとり感ハンパない。
揚げ油はヘット100%。だから旨みがすこぶる深く、ジューシーだった。
名店修業で培ったシェフならではの技を感じる一品だ。
*かぶらのポタージュ
ポタージュの中には、サイコロ切りの冬瓜が。
かぶらの質朴な甘みとともに、いい風味を奏でていた。
*フランス産シャロレー純血種未経産牛
フィレ肉のカツレツ 〜ドゥミグラスソース〜
断面のこの肌理の細かさ…。ウットリしてしまうわ。
そのフィレ肉は、なまめかしく香り高く
漆黒のドゥミグラスソースが、複雑な旨みを醸し出す。
このソース、濃いと見せかけて後味はいい意味で軽やか。
だから、蒸し焼きにしたバターナッツカボチャや海老芋など
季節野菜の香りや味、テクスチャーも際立っていた。
最後の料理は、
川岸シェフによるプレゼンテーションとともに★
厨房は、壁一枚隔てた場所にあるから
「この料理だけは、お客さんの前で」とシェフ。だから目が釘付けとなる。

伊丹十三さんの映画「タンポポ」を思い出す瞬間 www
皿にドゥミグラスソース敷き詰め、中央には艶やかなチキンライス。
できたてのオムレツのっけてスッとナイフを入れ
自家製ケチャップをかけて、ふるふる揺さぶると…
こうなるのだ。しまった…動画撮っとくべきやった(笑)
*オムライス
蘊蓄なしに、ただただ美味しい。
懐かしいなぁ〜と昔の記憶を張り巡らせるが、
ドゥミグラスソースはじめ使う素材が素材なだけに
ワインを誘う上等かつ上品な味わい。
デザートは自家製バニラアイスと、ブラックチェリーのタルト。
ひじょうに満足感のあるコース料理でした
オーナーシェフの川岸健二さん★
カウンター8席の店内を、今は川岸さんがおひとりで切り盛りする。
個室もあり、追い追い使えるようにする、とのこと。
ワインを誘う大人のための洋食。
そこには、旬味をたっぷり楽しませてくれる前菜があって
季節ごとの楽しみがあるなと感じたし
さらに。馴染みある洋食メニューは、食材、見せ方、味わい
どれをとっても「なるほど、やるなぁ」と食いしん坊を唸らせるネタ揃い。
食後や翌日、胃がすっきり清々しいのも嬉しかった。
次は新歌舞伎座アフターの遅がけに、
アラカルトをワインとともに、というのもやってみたいな。
「洋食 川ぎし」
大阪市天王寺区石ヶ辻町14-6 錢屋本舗 本館101号
06-6773-9483
open : 17:30〜
close: 不定休