北新地「カァラ」でアペリティフな一杯を愉しんだ後、
「カハラ」にて、森義文さんの世界に酔いしれた夜。
発酵を途中で止めた生ワイン。
味わいに凝縮感があり、清々しい甘みも。
大阪・柏原のカタシモワイナリーより。
と言えば「カハラワイナリー」がある場所だ。
●かぶら蒸し
静岡浜松産の黄色いかぶらを使った「かぶら蒸し」。
中にはカニ身と干し貝柱。トップにバジルの種のソース。
黄色というか、黄金に近いかぶら。
かぶらの清らかな甘みに続くは、カニと干し貝柱の深い旨み。
ハフハフあっつあつ。顔が綻ぶ。
そして泡へと。
CAVA「Pago de Tharsys Brut Nature」
酸がくっきり際立っていて、爽やかな甘さが印象的。
このプレートがエチケットがわり。かっこいぃね。
●八寸
・「大根と人参の紅白鎖」は1月限定。
・生後5ヶ月の「ベビーオイスター」は熊野のジャバラとともに。
・「タラ白子」はタスマニア産マスタードがかけられている。
・北海道産「ホッキ貝」のクリアな甘みには
亀岡の緑色した辛味大根の鮮烈な辛味が合う。
・「百合根」にはキャビア“リンゴット”(キャビア版からすみ)がかけられていて
百合根のまったりとした甘みが引き立っていた。
・「フグとおから」これは飲ませる味。
●トリュフ餅
餅米の甘みと香り、トリュフの芳しさが渾然一体に。
●シューカレー
シュー生地の中はカレー。
シューを一口で、サクッと頬張れば
じわじわとスパイス感と辛味が押し寄せるの。
で、コーヒーオイル(米油)を口に含むと
辛味が中和されマイルドな後味に。面白い!
●焼フカヒレ
白ネギ キュウリ ペンギン食堂のラー油和え
フカヒレは噛むほどに旨みが滲み出、どこまでも香ばしく
ラー油和えの複雑な辛味が程よく絡む。
静岡のニンジン、そして難波ネギは
「カハラ」オリジナルの“淡雪塩”をかけて味わえば
それぞれの甘みがくっきり顔を覗かせる。
お酒は、“こっすん”こと小須田さんに全任せ。
「菊姫 大吟醸 H16BY」
次の料理に狙いを定めて。
●十割蕎麦カラスミがけ
極細の蕎麦。口中に広がる芳しさと、程よいコシに
甘みをも感じさせるカラスミの旨み…。
嗚呼、堪らん。心を魅了する蕎麦だ。
●土佐文旦 鮑 才巻巻きエビ マツナメコ 赤水菜
森さん曰く「文旦は皮に香りがあるから」と皮をひっくり返して器に。
鮑とエビの旨みがダシに溶け込み、しみじみ味わい深く
ダシの温かさにより、文旦の香りがふぅわり立ち上がる。ハァ〜心地よい溜め息。
●吉田牧場のカチョカバロと白菜のスープ
スープに滲み出た白菜の甘みと
焼きカチョカバロのコク、その相性に唸った。
森さんの手による、焼きカチョカバロ&海苔のお料理は頂いたことあったが
スープに浮かぶこのスタイルは初めて。
白味噌のお雑煮を彷彿とさせる、シンプルがゆえの奥深い味わいだった。
●徳島 黒毛和牛サーロインのミルフィーユステーキ
見目麗しい5層のミルフィーユ。
森さんがお客さん1組1組の前で、焼きあげてくださる。
その鉄板はピッカピカ。まるで鏡のような、
ロッキー山脈の湖に映る景色をふと思い出すほど。
フライドガーチックとわさびをのせて。
サーロインは香り高く、脂はじつにクリア。
その上質な肉のエキスにより
たっぷりのせたわさびは、辛味より香りが際立っていた。
●野生クレソンのサラダ
クレソンはほろ苦さと香り、鮮烈。錦胡麻の香ばしさがアクセントに。
もう1切れ、2切れと味わえる幸せよ…。
ちなみに、フライドガーリックとわさびの次は、
亀岡の辛味大根と特製ポン酢で味わった。
付け合わせは、丹波の「シモン芋」と静岡の「太ゴボウ」。
いずれも存在感ある味わい。
そしてステーキのラストは
フライドガーリックとわさび、
そしてたっぷりの淡雪塩を、
森さん自らがかけてくださった。
聳え立つ雪山のよう。淡雪塩のやわらかな塩味により、
肉の甘みや旨みが持ち上がっている。
そして、わさびの清々しい香りの余韻にうっとり目を細めた。
●サロマ湖 牡蠣のご飯
牡蠣は小粒ながらぐっと濃厚な味わい。
カハラ農園の米にその旨みが浸透。黄ニラの香りも心地よく
ずっと食べ続けていたかった。(笑)
聖護院かぶのキムチ(龍岡商店)、春菊の漬物。
さっぱりとした味わいのなかにしっかり主張を感じた。
そしてデザートへと。
●熊本八代 晩白柚(ばんぺいゆ)
人の顔以上はある巨大な柑橘が「晩白柚」。
器はヴェネツィア「ミレフィオーリ」。
白のガラスモザイクと晩白柚、
やわらかな雰囲気のなか、凛とした美しさがある。
甘さと酸味がくっきり、とても凝縮感ある味わいだった。
●クレームブリュレ コーヒーオイルと奈良のイチゴ
アカシヤ蜂蜜のカラメルソース
ブリュレは濃厚。糖度高いイチゴの華やかな香りに続き
カラメルの苦味、コーヒーオイルの芳香。はぁ〜別腹。
濃いめのミルクティー、ウイキョウ、
りんごのチョコで締めとなりました。
この日は、前職の大ボスと10数年ぶりの再会。
現在進行形な共通の話題が多すぎて、
時間が足りないくらい美味しい愉しいひととき。
T塚さんありがとうございました(^^)
訪れるたびに、まだ見ぬ食材、
新たな素材や味わいの発見があり、本当に刺激を受ける。
日々、進化し続ける森さんの
クリエイティブな料理を、じっくり堪能させて頂きました。
森さん、こっすん、スタッフの皆さん、ありがとうございました。
「カハラ」
大阪市北区曽根崎新地1-9-2 岸本ビル2F
06-6345-6778
open : 18:00~20:30、20:40~(二部制)
close: 日曜、祝日
Boz Scaggs - Jojo