春旬を求めて福井・小浜帰省。
いつもの寿司屋「鮨富」へ。

ビールが五臓六腑に染み渡る。
なにかにつけてこの日は解禁日★
そう!待ちに待った
「イサザ」解禁の日だった。
「おどり食い」はツルンッと喉越し良く、
さっと煮たほうは、ふくよかで清々しい風味。
イサザとは、「シロウオ(素魚)」の方言。
ちなみに、シラウオ(白魚)がサケやマスと同じ仲間なのに対し、
シロウオ(イサザ)はハゼの仲間だ。
河口近くに棲息してて春の産卵の時季、川に遡上する。
そのイサザを味わえば、えぇ季節がやって来たなぁ〜と心踊る、小浜の春の風物詩だ。

店は満席。カウンター内には、大将の島川さんと、二代目の陽平さん。
ふたりの阿吽の呼吸、訪れるたびにいぃ按配やなと感じる。
つまみ、握りともに、陽平さんにお任せで。
●地物 造り3種
鯛 焼き霜は、ねっとりと旨みが舌に絡み
〆鯖は、エッジ美しくじんわり甘いわー。鰤の脂のクリアなこと。
●甘カレイ 塩焼き
イサザと同じく、懐かしの味。ササカレイとも呼ぶ。
身は肌理が細かく上品な甘み、漂うは小浜の海の香り。
頭は素揚げにしていて、ザックザク香ばしくってビール止まらん。
カレイに添えられてたのは、蕗味噌サンド。
パンのリッチな風味と、蕗味噌の苦甘い味、妙に合うんだ。
●三方五湖 白魚の天ぷら
こちらはシラウオのほう。汽水湖に棲息する。
サクふぁっ。軽ぁるい揚げあがりが、堪らん。
白魚は艶っぽい、その熱の通し方、完璧。
「黒龍 石田屋 熟成 大吟醸純米酒」(17年11月詰め)
じつにまろやかで、深みのある香味が優しく広がる。
はぁ〜。至福とはこのこと。なにもかも解けそう(笑)
●ノドグロ 杉板焼き
ふっくらとした身は味わい深く、杉の香がほんのり。
とともに木の芽。えもいわれぬ春が匂い立つ。
●メイタガレイ唐揚げ
肉厚だが、全く重たくないの。
残しておいたビールとともに(笑)
酒を呼ぶアテ、登場。
チョコ色したのは「鯖の肝の煮付け」。口溶けよくってこっくり甘旨。
「タラの卵」は繊細なプチプチ感。ダシの加減もいい。
「タラの肝」はどこまでもしっとり。肌理が細かいわ。
ここらで握って頂きます。
●ヤリイカ
ピュアな甘みを放ち、解けゆく。
次に、ヤリイカのゲソの握りが登場。
はらりかけたエビ塩により、甘みがぐっと際立つ。
●ヒラメ
甘みと香りの余韻が美しい。
●ヒラメ エンガワ
炙りならではの香りのコントラストを楽しみつつ
数回咀嚼したら、すーっと消えた。
●マグロ トロ
フォルム美しく、食感と香りいい。
●連子鯛
皮はふわりと柔らかで、身は繊細。
鮨飯との一体感、そして口溶けにニンマリ。
●〆サバ
ネタはそのほとんどが地物だが、こちらは石川産。
思いの外 脂のりよく、まぁるい酢加減の鮨飯に寄り添う。
●バイ貝 炙り
藻塩がバイ貝の濃厚な甘みを引き立たせる。
●若狭牛 イチボ
若狭牛 雌牛のイチボ。香り高く、ふくよかな味わいで
ほろり解けつつ、鮨飯といぃ具合に馴染んだ。
●ウニ
塩でその濃厚な甘みが持ち上がり、
鮨飯とともに、久々の消える魔球。
●タコ旨煮
歯でしゃくっとちぎれる柔らかさ。
そしてコク深い。鮨飯との一体感、その良さに驚いた。
「焼き穴子」「玉子」が供され、〆のデザートへと続きます。
●三宝柑のババロア
三宝柑の香り、甘酸っぱさがババロアとゼリーに凝縮。
デザートまできっちり、いい仕事。有難い。
お薄で〆となりました。
地物の良さを生かしきる、その仕事に感服。
鮮度はもちろんやけど、それだけやない地元寿司の醍醐味が、この店にはあるの。
勉強熱心な二代目・陽平さんと、積もる話も多々ある、酔い良い夜でした★
「鮨富」
福井県小浜市小浜広峰83-1
☎0770-53-0337
open : 12:00〜14:00、17:00〜21:00
close: 月曜
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