ようやく伺うことができた
「鮨 三心」
谷町六丁目の駅からほど近いその店は、
昔からそこにあったかのような、落ち着いた佇まい。
おまかせは3種あり、この日は真ん中の12,000円コースを。
●タイ 白子
白子は濃厚な甘みを蓄えながら、清々しい後味。
はぁ〜麦酒から即、日本酒の口に。
●上喜元 純米吟醸 仕込67号 渾身 無濾過生原酒(山形・酒田/酒田酒造)
柔らかな旨み、ここちよい酸、芳醇な香り。とても調和のとれたお酒だ。
店主の石渕佳隆さんとは、
広島&岡山のおいしい勉強会でご一緒させて頂いて以来、1ヶ月ぶりの再会。
●イワシの酢〆の巻物
脂ののりがいぃわ、このイワシ。
だから酢の加減は程よい感じにとどまり、
イワシのクリアな甘みがすっと広がる。
海苔がまた存在感あるの。
●焼き筍
伺ったのはGWのタイミングにつき旬の時差失礼。
藻塩だけで味わう筍は、エグみ一切なし。奥深い甘みにハッとなった。
●毛蟹とイクラの蒸し寿司
ハフハフ頬張れば、毛蟹とイクラの旨みの嵐。
「ホタルイカ」は干した後、炙ったそうな。
ミソの凝縮感ある旨み、これも酒や酒(笑)
なんだかすごく爽やかな写真に仕上がった(笑)
酒は「蒼空 美山錦 純米酒(京都・伏見)」
ホタルイカの深いコクに、
蒼空のパンチある旨みと米の香りが、ぴたり寄り添うのでした。
そして握りへと。
●カレイ
ねっとり妖艶。温めの寿司飯の旨みが、
カレイの甘みを持ち上げる。
新生姜はぱりぽり小気味よい食感。
すきっとシャープな酢加減だから、思わず日本酒をツィーッと。
●アジ
エッジが立っているものの、程よい脂を蓄えていて
寿司飯とともに、すーっと蕩けて消える感じ。
●剣先イカ
ねっとり、口中にまとわりつき、じわじわ甘みを撒き散らす。
そのイカの質感と寿司飯の一体感に唸る。
●赤ウニ
唐津産 赤ウニと寿司飯との割合は「7.5 : 2.5」だと!
ウニの濃い〜味わい、鼻腔を突き抜ける清々しい海味には
ニンマリ笑うことしかできぬ。
でも最後にはウニと寿司飯の両者が残り、絡み合い、消えゆくのだ。
そのバランス見事。
●トリガイ
愛知産。春のトリガイって、柔らかく甘みが強いわ。
「超」王祿 春季限定 2017(島根・東出雲/王祿酒造)
フレッシュな香りとともに、軽やかな苦みがふわりと。
●金目鯛
皮目を一瞬炙った、その温さにより
キンメの透き通った甘みが際立っている。
その繊細な身の存在感を醸し出しながら、寿司飯とともに消えた。
●マグロ づけ
千葉 銚子産。シャクッと歯に心地よく当たる
その食感と、香りにやられた…。
●マグロ 中トロ
すーっと広がるは、清々しい脂の甘み
ほんのり感じる酸で、後味すっきり。
次に木箱が登場。
そのなかには、広島が世界に誇る「梶谷農園」の梶谷ハーブが!
先日、石渕さんと一緒に、「梶谷農園」を訪れることができた。
そこでインスピレーションをびしばし受けられたのだろう。
季節のハーブやベビーリーフ、エディブルフラワーなどを
なんと昆布〆に。
そして、おかかと一緒に香ばしい海苔で巻いているのだ。
梶谷ハーブが放つ鮮烈な香り、酸味、心地よい苦みに
昆布のグルタミン酸&カツオのイノシン酸というわけだ。
いやあ〜今まで味わったことがない衝撃のおいしさ。
それぞれが主張しすぎることなく、心地よいアンサンブルを奏で
梶谷ハーブの存在感を際立たせてた。
●コハダ
程よい〆具合。香りよく、じわっと広がる旨みに
寿司飯そのものの甘みが際立つ。
「ハマグリのづけです」といって供されたそれは、
ぽってりふくよか、香り高い。
ハマグリのスープ。はぁ〜。そのエキスの深みにはまる。
●カスゴ
カスゴならではの、身のふわっとした質感、初々しい旨みに
春を感じる。
雲の上のように軽やなアナゴを、まずはツメで。
繊細さと深いコクとをあわせもつ。
続いて塩で。
アナゴの清らかな風味、身の甘みが押し寄せた。
おすましの、しみ滋味としたうま味が、カラダの隅々に行き渡る。
追加注文のかんぴょ巻きが供され
表情の違う2種の玉子で〆となりました。
握りの所作もなにもかもが美しい。(笑)
そんな石渕さんの握りは、優しさのなかに一本芯が通った
心に響くものでした。
そして石渕さんを筆頭に、スタッフの皆さんもキビキビ動き、
ソフト面に関しても、ほんとに気持ちいいなぁと思える店。
次は夏頃、おじゃましたいな。
石渕さん、ご一緒させて頂いた皆さん、ありがとうございました☆
「鮨 三心」
大阪市中央区内久宝寺町2-7-14
06-6767-0677
open :17:30〜
close:不定休
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