「a canto」-ア・カント-
大阪・谷町5丁目近くに誕生した、イタリア料理店だ。
2018.5.17open
言うまでもないんだけれど、シェフのご紹介を。
オーナーシェフ・村田卓さんは10年間、イタリアで研鑽を積み、
フィレンツェの三ツ星「エノテカ ピンキオーリ本店」では
パスタ部門のシェフを経験。その後、名だたるレストランを経て
西梅田「カンティーナ ピアノピアーノ(閉店)」でシェフを務めた方だ。
「a canto」とは、“傍ら”を意味する古いイタリア語だそう。
フランチャコルタで乾杯☆
ディナーは当面の間、「季節のおまかせコース(8800円 /税別)」の1本。
久しぶりのふたりディナー、待ちに待った夜の、はじまりだ。
●パルミジャーノの薄焼きパン
香ばしく、パリリ、はらりと繊細な食感。
フランチャコルタが進む。
●冷前菜
完熟トマトとさくらんぼのズッパ
イタヤ貝、ウニ、キュウリ、ライチ
いきなり心を鷲掴みにされた。
トマトの完熟感に、さくらんぼの出しゃばらない甘み、その加減が秀逸。
そこに、イタヤ貝の旨み、青森産 ウニのピュアなコク、
キュウリが食感のアクセントとなり、フレッシュライチが南国の香りを放つ。
それらが個々に主張しつつハーモニーを奏でるのだ。
●フリット ミスト
どの品も、フリットとは思えぬくらい軽やか。
中央に鎮座する「淡路産 アナゴ」は、ふぁっふぁ繊細。
その奥には、イタリアの「仔ウサギ」が。しっとりした身質で、すこぶる香り高い。
「そら豆」はホコホコだし、「セージの葉とアンチョビペースト」は
セージの芳しさと、アンチョビの塩梅、その加減がもう素晴らしくって。
「このセージのフリットは、トスカーナのクラシックな味」と村田さん。
はぁ〜フィレンツェの情景が脳裏に浮かぶ。
●駿河湾 アカザエビとフェンネル、土佐の小夏
スカンピの生を、食べることができるなんて〜(驚)
世界一好きなエビかもしれぬ。その濃厚な旨みが口中を占拠し
フェンネルの甘やかな香り、柑橘の爽やかな風味が
夏の風を運んできた。
カメラの調子が悪かったから、ここまでiPhoneで撮影;
ライ麦のパーネに続き、スキャッチャティーナというトスカーナならではのパーネ。
カリリとした香ばしさ、生地のしっとり感に、やめられない止まらない。
●バベッティーニ 香草パン粉とライム
サルディーニャ産カラスミ
はぁ〜。もうため息もののおいしさ。村田シェフのこのパスタに恋い焦がれてた(笑)。
まずアッツい温度帯がいい。その口中温度により広がる
カラスミの優しい塩味と、ライムのキレのよい香りの加減が見事で。
バベッティーニのモチモチとしたコシと、香草パン粉のカリカリ感といった
食感のコントラストとともに、舌を喜ばせる。
カウンターでかぶりつき!
パスタもその場で手打ち、なのだ。
「Murgo Etna Rosso 2016」を飲みながら、眺めながら、
シチリア話に花が咲く。
●アニョロッティ 水牛モッツァレラ
仔豚とズッキーニのラグー
生地“できたて”、詰め物“詰めたて”なのだ。
だからアニョロッティはえもいわれぬ躍動感があり
ラグーのクリアな旨み、生き生きとしたズッキーニの質感
それぞれハッとするほどの存在感があり、やがて、優しく調和する。
感動という言葉では伝えきれないくらい。
村田シェフのパスタの虜です。
パーネ・トスカーノが登場。
質朴な風合いだ。トスカーナの懐かしい味がした。
●うずら アスパラソバージュ
サマートリュフ 根セロリのピュレ
ローストしたムネ肉。肌理が細かく、どこまでもしっとり。
手前にはコンフィにしたモモ肉とその詰め物が。ジューシーでコク深い。
アスパラソバァージュどっさりなのも嬉しい。その歯ざわり、ぬめりを楽しんだ。
ドルチェは、
「宮崎 完熟マンゴー、ヨーグルトのシャーベット、チョコレートケーキ」。
それぞれの個性を楽しみながら、ハーブティーを楽しみ。
小菓子へと。
村田シェフと食後酒の話題になり、
そら頂かないと!ってことで、シェフおすすめの品を3〜4種味わい
アルバ、フィレンツェ、シチリア話で盛り上がったのでした。
村田シェフが織り成す「季節のおまかせコース」は
どの皿も、主となる食材の素材らしさが生き生きと表現されていて
その香り、テクスチャー、味わいが、イタリアの風を運んできた。
何度、現地へタイムリープしたことか(笑)
フィレンツェのリストランテで食事を頂いているかのような錯覚に陥った夜でした。
「a canto」-ア・カント-
大阪市中央区内久宝寺町3-1-10
06-7175-6383
open : 17:30〜21:00LO
close: 水曜
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