余呉へやって来た。
日暮れ間近の、セピア色したひととき。
澄みきった空気に、カラダが喜んでいる。
「徳山鮓」
なんと9年ぶりの訪問。
主人の徳山浩明さんや、マダムの純子さんとは
街でお会いすることも多々あるので、久しぶりな気はしないが(笑)
いつもなら、テラスに積もった雪にボトルを突っ込みワイン冷やすのに、
いやぁ〜薄手の長袖で動き回れるくらい、寒くない。
「年末に少し積もったくらいかな」と純子さん。
ずーっと眺めていたい景色を、、、横目に……アペタイム(笑)
白州12年でハイボール。K先生ゴチです!
ご一緒してたバーテンダーが作ってくれたもんだから
美味しくてクイクイ進んだのでした。
さてお食事の時間。
「Ruinart Blanc de Blanc (Magunm)」
ルイナールでシャン杯!
KさんYさんありがとうございます*
毎度な皆が揃い、宴のはじまり〜。
●付き出し
猪と熊と鹿のテリーヌ/琵琶鱒のりゅうひ巻/インゲンのえごまのせ
姫竹/花豆/蕪/わさび漬け
「猪と熊と鹿のテリーヌ」はスッキリとした旨み。
山椒のソースを合わせると香りに膨らみが出た。
琵琶鱒は甘酢の加減よろしく、昆布と生姜がいいアクセントに。
素揚げで甘みを増したインゲンは、えごまの香ばしさがすこぶる合う。
花豆ホクホク、姫竹は清々しい味。
●鯉お造り 岩魚の卵
なんて清々しい風味!そんな鯉のピュアな甘みにうっとり。
そこにコク深い岩魚の卵ときたもんだから、
杯進むはテンション上がるわエラいことに。
「七本鎗 限定醸造 特別純米酒」(滋賀・木之本/冨田酒造)
ふくよかな香りと、心地よい清涼感。ずっと飲み続けていたい。
●すっぽんの玉締め
すっぽんからとったダシの深みに酔いしれる。
●ワカサギの天ぷら
タイミングよく出合えた!
カラリと揚がったそれは、ふわっと繊細で瞬く間に消えていく。
それでいて清らかな風味が広がった。
●熊肉 煮込み
肉は噛みしめるほどに、味わい深く。
熊肉の煮こごりを用いたソースが、深みを与えてくれる。
まさに、野趣溢れる一皿だ。
●ジビエプレート
鹿ロースはしっとり、肌理細かく
猪は2種。手前の一品は、脂、サラリとしてて甘い!
もう1種はスモーキーさが印象的だった。
ふなずし発酵ソースがいい仕事している。
「2007 Gevrey Chambertin Aux Echezeaux Vieille Vigne」
Domaine Fourrier
力強さと気品さのバランスが絶妙で、
ふとした瞬間には、癒し系の要素も。陶酔しっぱなし。
そして「ツキノワグマ」の熊鍋へと
この脂の厚み!今の時期ならでは。
肉はさっと火が通った程度で。
はぁ〜。ダシはどこまでも清々しく、
熊肉の脂の、クリアな甘みには、唸って笑うことしかれきない。
セカンド熊肉。
前半の熊鍋で、スープが濃厚になったところへ・・・
肉を入れる度、縦横無尽に旨みが増しながら、どこまでも純粋な味なのです。
幸せのノンストップ。何度おかわりしたことか。
輪島の塗師・赤木明登さんの漆塗りの小箱で供された品は
「鯖なれずし トマトムース 吉田牧場のカチョカバロ」、
「ふなずし ハチミツ」、「ふなずし サンド」。
いずれもこの地だからこそ、徳山さんだからこその創意と、
発見と驚きに満ちた、味わいの広がりを感じるのです。
熊鍋は麺にて〆。
アクも濁りも全くないスープに、目を見張ったわ。
熊のクリアな旨みが凝縮しつつ、清々しい後味。
●飯のアイスクリーム
クリームチーズのような爽やかさと、独特の塩味と苦味が重なり合う。
すっきりとした甘みが印象的でした。
ワカサギはじめ地元の恵み、熊鍋の凄みはもちろんのこと、
やはり発酵を軸にした郷土料理。
徳山さんの手による「ふなずし」が、私のなかの「ふなずし」の基準だ。
爽やかな酸味と、上等なチーズに通ずるコク、
そして余呉湖のニゴロブナのけがれのない味わいと旨みとが渾然となった、
発酵の凄みにはいつも溜め息もん。
余呉のご近所が、私の地元(小浜)だから
この夜も徳山さんと、発酵の話題、地元ネタで盛り上がる。
(発酵=余呉のふなずし、小浜は鯖へしこ、だからネ)
皆は二次会へ・・・
ワタシは連日の睡眠不足で撃沈となりました(涙)つづく。
「徳山鮓」
滋賀県長浜市余呉町川並1408
0749-86-4045
Jackson Browne - Somebody's Baby - TV Show