「Le Musée ル・ミュゼ」
札幌中心街の喧騒から離れた、閑静な住宅街にそのレストランはある。
北海道の自然をモチーフに、芸術性に富んだ皿の数々を
愉しませてくれると定評が高い、一軒家のフレンチ料理店だ。
オーナーシェフ・石井誠さんのクリエイションにどっぷり浸かろうではないか。
「Brun Servenay Mélodie en C Blanc de Blancs Avize Grand Cru」
ぶどうのエキスしっかり。シャープな酸が気持ちいい、飲み続けてたいシャンパーニュ。
●森 〜ル・ミュゼのテーマ“生態系自然観”をテーマに〜
・黒トリュフのサブレ
・地下生菌〜黒トリュフのように〜
かわいいキノコのような風貌の、黒トリュフのサブレは香り鮮烈。
木の蓋を外すと・・土のなかに
トリュフに見立てたクロケットが。香ばしくナチュラルな甘みがじんわりと。
この土、季節野菜はじめ40種以上の食材を乾燥させているとかで、
優しくも複雑な旨みが広がる。
次の皿にあわせて、山崎ワイナリー(北海道・三笹)のバッカスを。
私的、北海道のワイナリー・トップ3のなかのひとつが、山崎ワイナリー。
久々の再会、嬉しい。
●祈り
江丹別ブルー/エンドウ豆/香川ヴァージンオイル
エンドウ豆の青っぽい味と香りに、
江丹別産ブルーチーズのブランマンジェを合わせている。
口に含めば、まずエンドウ豆がプチッと弾け、
瑞々しくも青っぽい香り、透明感ある甘みにハッとしてたら
徐々にブルーチーズの風味とまったりとしたコクが押し寄せるの。
バッカスの控えめな甘さとまったり奥深い味わいが、和音を奏でる。
自家製パンはネギのオイルと一緒に。
素朴な粉の風味、オイルの清らな香りに癒される。
●海
蝦夷アワビ/菜の花/木の芽とトリュフ
80℃で約15分蒸した蝦夷アワビは、ねっとり独特の食感。味の凝縮感凄い。
その旨みに呼応するかのように、
菜の花のスープが、春の苦味と香りを醸す。
途中、肝のソースをかけて。味わいの変化も面白い。
海をモチーフにしたもう一皿は
金目鯛/寒〆ホウレン草
金目鯛はむっちり。肉厚なホウレン草の甘みにも驚く。
キノコとエビのエッセンスで、旨みぐっと深く。
レモンやパセリのピューレや、タプナード、醤油ソース
4種のソースを、好みで付けつつ愉しむ。
「Saint Bris Vieilles Vignes/Clotilde Davenne」
この爽やかな感じ、魚介の存在感を引き立ててくれる。
●命
卵/トリュフ/札幌黄のラヴィオリ/興部のチーズ
ラヴィオリに詰めた地タマネギ「札幌黄」の凝縮感ある甘みにびっくり。
卵のコク深さとなんとまぁ合うこと。上等なカルボナーラ的ニュアンス。
●躍動
様々な野菜とハーブ/ベルス/ルッコラのレドプール
北海道の豊かさ、多様性をテーマにした野菜の一皿。
サケ節からとったダシをかけ、大胆にもすべてを混ぜ合わせていただきます。
フレッシュなもの、茹でたもの、蒸し煮、ピュレにしたもの…
それぞれの個性、香りや甘み、苦味や旨みが渾然一体となり
北の大地のスケール感が、口中に、そして脳裏に広がるの。
お口直しは「繋がり」という名の
ウドとパッションフルーツ、バナナのソルベを。
スキッとした酸味、甘やかな香り。
●大地
雪の下に眠る新しい生命
白老町の「あべ牛」処女牛のカイノミとフィレのローストに
蕗の薹、椎茸、2年熟成のメークイン、
行者ニンニクのソースと、根セロリの泡
フィレは肌理が細かく、ふぁっと雲の上のようなテクスチャー。
カイノミは、赤身の旨み濃厚。噛みしめるおいしさがある。
しかも。メークインはじめ、北の大地の素材は、なんて力強い味わいなんだ。
「Belfontaine 2010 / Saint Estèphe」と共に。
●兆し
苺/ホワイト・ショコラ/雪解け・・・
温かい苺のソースをかけていただき、即、味わえば
その温度差楽しく、コク深いショコラのなかで、苺の上品な甘みが主張。
エスプレッソで〆ました。
画家・松浦章博さんの作品が織り成すアートな空間。
石井シェフ自身も、陶芸や絵画に力を入れられていて
店内至るところに、シェフならではの世界が張り巡らされている。
北の大地が織り成す、春の兆しを
アーティスティックな一皿一皿にて愉しませていただきました。
「Le Musée ル・ミュゼ」
北海道札幌市中央区宮の森1条14-3-20
011-640-6955
open :12:00~14:30(L.O.13:00)/ 18:00~22:00(L.O.20:00)
close:月曜、金曜の昼
The Beatles - Hello, Goodbye