余呉駅に降り立つ。
若葉の緑がすがすがしいなぁ。
お目当てはもちろん「徳山鮓」。
訪れたタイミングは、春の終わりを告げる花山椒の時季。
アペリティフに、貴重な酒を味わいながら
花山椒と熊鍋の合わせを妄想すると、いてもたってもいられない。(笑)
さて夕餉の時間。
●余呉プレート
余呉湖の模った器に盛られるは、
熊と猪と鹿肉のテリーヌ。深い旨みありながらどこまでも清々しい。
コゴミやコシアブラ、ウルイなどに大地の息吹を感じ
やらこく煮た小鮎はふわっと、舌を喜ばせる。
清らかな味わいの実山椒のペーストは、テリーヌに山菜に…万能選手。
●鮒の子まぶし
プチプチ卵の食感楽しく、鮒はじつにクリアな風味。
山ワサビの味、ボリジの青っぽい香りがいい仕事してる。
●鱒の卵 鴨肉の燻製
魚卵万歳!その食感と優しい塩味がじわりと舌に響き
鴨の優しい燻香が、美しく重なり合う。
●ジビエプレート
もちろん自家製。
鹿肉のハムは、噛むほどに旨みが広がり
猪肉のハムは、脂の甘み、上質なジャンボンのよう。
そして岩魚の燻製。徳山さん曰く、
「地元の森林組合から譲り受けた」という桜チップで燻したそうな。
強すぎずちょうどいぃ頃合いの燻香広がり、
ねっとり広がる旨みに、ぐっと日本酒を欲するのだ。
(もちろんこの時点でワインと日本酒、行き交ってマス)
キレイな風味の飯(いい)のソースと共に。
ジビエには、ナチュールなガメイが、ドンピシャ。
だし系のしみじみとした旨み、
あーエンドレスで飲んでたい、超タイプな味わいでした。
朝摘んできたという山菜が、天ぷらで登場。
●タラの芽
ざくっと齧れば、ほっくりとした歯ざわり。
山のなかの、懐かしい香りがした。
●タカノツメ アマドコロ ワラビ
タカノツメは、ほろ苦さが心地よく、
アマドコロは、ほんのりとした甘みと粘り、いいね。
ワラビの軽い苦みを感じれば、体が浄化されていくよう。
山菜のあれこれ、学びの時間
徳山さん、勉強なります!
●コシアブラ コゴミ モミジガサ(シズクナ)
個性豊かな味わいと食感。
いずれも軽やかな揚げ上がりだから、箸が止まらない。
そして真打、登場だ。
熊肉と花山椒と木の芽。
この3素材を同時にいただけるのは4月中旬〜5月初旬だけ。
花山椒の清新な香りのなかで
熊肉の甘みがくっきり浮かび上がる。
熊肉おかわり。
しっかり脂を蓄えていながらも、
実にさっぱりとしていて、舌の上でとろけるの。
香り高き花山椒との組み合わせで、なんぼでもいただける。
輪島の塗師・赤木明登さんの漆塗りの小箱のなかには
●鮒鮓に蜂蜜、発酵からすみ
●鯖なれ鮓 トマトムース 吉田牧場のカチョカバロ
●鮒鮓サンド
どの品も、発酵の伝道師・徳山さんならではの
技と創意が重なり合う、ここにしかない味。
アイスワイン的、気品に満ちた甘やかな香り広がる
NZのリースリングとの相性、
とんでもなく良かった。
熊鍋ラストは、特注しているという麺をハフハフと。
最後の最後まで、この時季ならではの芳しさを楽しみ
爽やかな酸味と甘み、独特の塩味と苦味、そのバランスが秀逸な
「飯のアイスクリーム」にて〆となりました。
いただいたワイン、日本酒たち。
余呉ならではの季節の移ろいに身を委ねると、
感覚が研ぎ澄まされてゆくのがわかる。
伝統と洗練、この時季ならではの馳走に心から酔いしれました。
番外編と朝食編に、つづく(笑)
「徳山鮓」
滋賀県長浜市余呉町川並1408
0749-86-4045
今夜はBozのライヴ♪ ワクワク♪
Boz Scaggs Lowdown live 2004