福島「焼肉ソムリエ® 萬樹亭」での
目眩く(魅力的なほうのネ)肉ナイツ。
冷えたビールが身体の隅々に浸透。最高。
“焼肉ソムリエ”を称する、店主・萬野博さんの
生産者への、ビーフへのあくなき情熱に惚れ込んでる私。
予約時、「平井牛を頂きたいです」と伝えつつ
当日の焼肉メニューは、焼肉ソムリエにお任せで。
付き出しは「和牛すじ肉 甘辛煮」。
ひと切れひと切れ厚みがあり、食べごたえあるわ。
甘辛さとコク深さのなかに、だし系うま味がじんわりと。
ビール止まらん!
ってことで、泡をボトルで。
ピッチ早かったから手酌で、オッサン化してたなぁ(笑)
●平井牛ツラミ 刺身
繊維が細かく、上等な生ハムを彷彿とさせる、ねっとりした質感!
自家製ポン酢のまぁるい酸味が合うんだ。
通常はツラミの上に刻みネギがのるが、ネギNGがいらっしゃって別添えに。
●キムチ盛り合わせ
辛味のなかに、深い旨みが顔を覗かせる。
●萬樹亭サラダ
ピリ辛の味噌ドレッシングで、野菜わしわし箸止まらぬ。
ふぁふぁ玉子のまろやかな味わいが、いい仕事してる。
そして、待ちに待った「平井牛」のお出ましだ。
写真奥から「平井牛」の
ハラミ、笹肉、上カルビ、中カルビ、インサイド
●平井牛 笹肉
笹肉とは、バラ肉の希少部位。
肌理が細かい。赤身の味わい深さとサラリとした脂の甘みが融合。
柚子胡椒をたっぷりのせて味わえば、ぐっと旨みが深まる。
●中カルビ
見惚れてしまうね。
その中カルビは、両面に包丁を入れている(写真では見えないが)。
だから余分な脂が落ち、深いコクを蓄えた肉汁がスーッと広がる。
平井牛の脂は、サラリとしていて上質。だから食後感がとても軽やか。
●上カルビ
片面のみに格子状の切り目を入れている。
頃合いを見てハフハフ頬張れば、ザクッとした歯触り。
赤身の旨みとクリアな脂の共演。香りも堪んないねー。
●インサイド

ハラミ近くのインサイドは醤油ダレで。
歯ごたえは程よくあり、コク深く、しかもジューシー。
●ハラミ
平井牛のハラミは、ふぁっと柔らかく
味と旨みがとにかく濃厚なの。
次の皿は
●宮崎牛 特選ヒウチ、カメ、マルシン
鹿児島 和牛サーロイン
萬野さん自ら、ヒウチをさっと炙り焼きに。
手ぶれしてもた(笑)
塩をはらりかけ、ワサビを塗って。
頬張れば、ふるふるっと舌の上で踊る。
程よくサシが入ったその深いコクと
モモ肉のあっさりとした味わいとが渾然に。
サーロインは肌理が細かい。香りもいいね。
続くカメは、ふぁっと軽やかな質感に驚いた。
そして、マルシンは醤油ダレにつけニンニクチップをのせて。
見るからに柔らかな赤身。じわじわ旨みを主張しつつ、口の中ではらり解ける。
●和牛スジ肉カレー
コースのなかの一品。酒飲みにつきルーだけお願い。
スジ肉、クリアかつ食べごたえあり、その旨みと
白味噌ベースの辛味噌、カレーのスパイシーさが混じり合う妙味。
堪らん〆となりました。
萬野さんは、肉一枚一枚に、細かい隠し包丁を入れている。
焼肉店では当たり前の仕事かもしれない。なかでも萬野さんは
表裏に入れたり、片面だけに入れたり、斜めに、格子切りに、数ミリ単位で…と
部位それぞれの特性をふまえ、入れ方が異なる。
しかもお客さんが焼き上げた先まで計算しつつ包丁を入れる。
だから、焼いたときに余分な脂だけが落ち、
肉の美味しい個性だけがくっきり浮かび上がる。
結果、食後感よくってなんぼでも食べられる。
そして感動のため息の連続。
平井牛もたっぷり頂けたし、肉好きの嬉しそうな顔も見れてよかった。
目利き、仕事、食べ方の提案…と
焼肉ソムリエの熱い想いと技に、感心しっぱなしの夜でした。
「焼肉ソムリエ®萬樹亭」
大阪市福島区福島2-1-41 ブリーズコート2F
06-6455-8008
open :17:00〜23:00(22:30LO)
close:日曜
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