過日、堺「鮨 おおが」へ。
主人の大賀伸一郎さんは、堺の名門「弥助」4代目であり
本家の向かいにて独立したのは18年6月。
今や予約困難といっても過言ではない一軒だ。
この日はフレンチの奇才シェフやスーパースターファーマー、
美食なドクターたちと、休日満喫なひととき。
先日は、鮨好きEd Sheeranもこの店へ訪れた。
私たちが伺った日もそうだったが、各国の著名人やフーディーたちをも虜にしている。
ビールで乾杯☆ ジョグ後のカラダに、キューッと染み渡る。
おまかせコース1本。付き出しは
「ミル貝 このこ 鰹と昆布だしのジュレ」
各々の清々しい旨みが響き渡り、フキは食感楽しい。
先月のひとときゆえ旬の時間差、ご了承を。
●淡路 ヒラメ
ねっとり舌に絡み、透き通った味わいを放つ。
●メジマグロ 皮目たたき
23kgものと少し小さめながら、
スキッとした脂の旨みが、じわりと広がった。
●ホタルイカ
ぷっくぷく。一味唐辛子で旨み、ぐっと深く。
●アン肝もなか
サクッと齧れば、皮は軽やかで香ばしく
アン肝の旨み、細かく叩いた奈良漬の旨みがハーモニーを奏でる。
これは、、酒泥棒なおいしさ。
●赤貝 ウルイ ぬた和え
春味満載。あられの香ばしさがいいアクセント。
Champagneへとつづく。
「JACQUESSON CUVEE 733 DEGORGEMENT TARDIF」
成熟したブドウのコク深さ、上品な味わいの広がり、別次元。
至福以外のなにものでもないねー。Pちゃんありがと。
●サクラマス つけ焼き
きめが細かく、口中でホロリほぐれつつ。
桜の葉の香りがふうわりと。
●長崎・対馬ノドグロ

熱々のシャリと焼きたてのノドグロをしっかり混ぜて。
ぶわっと押し寄せる脂のコク、赤酢の旨みに、米の甘みが際立ってるなー。
熱っ!と感じるくらい高い温度もいいね。素材の個性が勢いよく花開いた。
大賀さんの手元に、目が釘付け。
そう。「おおが」といえばマグロ。
日本一と称される、マグロ専門仲卸「やま幸」から届く
選りすぐりの上物が、出番を待つ。
●伊豆半島 八丈島 本マグロ 赤身
温度低めなシャリにより、赤身の美しき酸と香りが開く。
シャリは、粒の大きさを揃えた富山産コシヒカリ古米に、
赤酢、米酢などをブレンドしているとか。
●背トロ
同じく八丈島より。何とまぁ透き通った味わいだこと。
●スミイカ
シャリのスキッとした塩梅により、イカのクリアな甘みが引き立つ。
●春子鯛
温度低めのシャリと、浅い締め加減の春子鯛。
じんわり高まる温度とともに、繊細な身の旨みを楽しんだ。
●金目鯛
背の部位。口中の温度で一瞬にして蕩け、
シャリの端正な味わいにより、脂の旨みがぐっと持ち上がる。
●赤貝
旨みも香りも深い。
●車海老
高貴な甘みが押し寄せる。
●小柱 軍艦巻き
大粒の「大星」を指定して入れてるとか。
旨みと香り、半端ない。
しかも「サイズも海苔の密度もオリジナル」という特注の有明海苔。
ビビるくらい香り高くって、小柱の名脇役。
●メヒカリ 一夜干し
ツルッと繊細なテクスチャー。清らかな脂がすーっと広がる。
●小肌
天草産。浅い〆加減ゆえ、小肌の脂を味わってる感覚。
●中トロ
シャリの温度がここで変わる。気持ちぬくめの常温により
中トロの清新な脂の甘みが映えるわ。
●霜降り
ぐっと温度を上げたシャリ使いにより、
ハッとなるくらい霜降りの香り、甘みともに鮮やか。
●じゃばら
目の前に供された瞬間、表面に脂が溶け出してくる。
脂の甘さがすごいわ。瞬時にとろけ消えた・・・。
●大間 ムラサキウニ
マリーナベイ・サンズの如く、
かさ高い海苔の上に、大ぶりのウニがそそり立つ。
濃厚でいてクリアな甘みが押し寄せ、
ウニの清々しい風味、海苔の香ばしさの余韻、、、堪らんわー。
●穴子
シャリに抱きかかえられた穴子は、ふぁっふあでアツアッツ。
風味よく口どけがいい。
●ネギとろ
どっさりの白ネギの香り、トロの脂の旨みが渾然に。
これまた特注の海苔の、存在感がすごかった。
●玉子
緻密でいてふわりエアリー。
時よ止まれな至福時間。
お猪口や、箸置きがなにげに魯山人だったり、
永楽善五郎の皿で、お料理を供したり。
一つ一つに深いエピソードがありすぎる。
マグロを軸に据え、ほかのネタにも妥協なしの大賀劇場に、
始終しびれっぱなしでした。
「鮨 おおが」
大阪府堺市堺区大町東1-2-7
072-221-1818
open :1部17:30〜20:00、2部20:30〜
close:不定休
コース25000円〜(税・サ別)
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