大阪某所。
紹介制で住所・電話番号非公開のレストラン、
「カーヴォ」で有意義な時間。
▶︎瀬戸内の鯛 松茸のサラダ
鯛は厚みほどよく、旨み深し。
松茸の郷愁、柑橘の清新な風味が行き交う。
1杯目は「Schmitt Pétillant Naturel d.b」
ドイツのペットナット。キュッと酸味心地よく、しみじみ美味。
次の皿に合わせて、ワインは
「Vini Rabasco Lu Cuntaden Rosè」
料理、飲み物(ワイン)ともに、おまかせなので
小山良シェフに身を委ねる楽しみがある。
▶︎仏産ポルチーニ 活シラサエビ 山羊のフロマージュの春巻き
スペイン産生ハムもアクセントとなり
個性ある素材が、香りや旨みの和音を奏でる。
岡山「ルーラルカプリ農場」のフロマージュ・ブランの
清らかさが、後味に広がりゆく。いいねー。
▶︎能勢の天然スッポン コンソメスープ
塩味ぎりぎりゆえ、滋味深さと高貴な香りが際立つ。
フリウリ・ヴェネツィア・ジューリアのオレンジワインをごくり。
スープをまたひと口。ペアリングにより味わいに広がりが生まれる、
そんなセッションも愉しいんだ。
▶︎フォアグラテリーヌ ピスタチオ
キャラメリゼしたピスタチオ。その香ばしさと質朴な甘みに
テリーヌの清々しくも深いコク。
両者が高いレベルで均衡を保つ。
「Combe des Avaux Rouge 2014 /Ch. Simian」には
な・な・な・ななんと
▶︎イカとウニの丼
「ニヤリ」と小山シェフ。曰く、イカは赤ワインで煮込んでいるとか。
銀杏はほろ苦く香り良く。ウニがうまいことクリアな風味と塩味を放つ。
イカがいい仕事してるね。
グルナッシュやシラー、ムールヴェードル、サンソーからなる赤と
不思議なくらい心地よく手を繋ぐ。
▶︎ノドグロ カレー
ハモと甘エビからとったダシをベースに、
ほろり解けるノログドの脂の風味。そして
スパッとキレあるスパイス感、そのバランスお見事。
この濁りオレンジなゲヴュルツトラミネール。むっちゃタイプ。
まったりとしたエキス感、キュッと広がる酸を
すんなり受け止めてくれるカレー。
忍ばせたミモレットのプリンが、名脇役なのだろう。
さて次は、薬味だけのった皿が目の前に。
各ゲストの前で、繰り広げられる仕掛けに目が釘付け。
▶︎仏産 鴨(エトフェ)
繊細な肉質は、蕩けるという表現に近いテクスチャー。
脂はサラリとしつつも甘く、芳醇さとともに余韻を愉しんだ。
▶︎あわび冷麺
あわび肝の複雑な旨みが、コシある麺に絡む。
そこにキュッと広がるビネガーと柑橘を混ぜたような酸が、いい仕事している。
咀嚼するほどに、ふっくら繊細なあわびの甘み、
黄ニラの香りが前へ前へと。味わいの広がりが楽しすぎる一皿でした。
以上、小山良シェフによる独創的な皿の数々に、いやはや脱帽です。
何をいただいたか鮮明、そんな主素材の際立たせ方はもちろん
変化球だって、ハーモニーだって。そんな緩急に富んだコース展開に
魅了されっぱなしのひととき。
小山シェフの頭のなかの引き出しを、こっそり覗いてみたい。(笑)
「カーヴォ」
tel&住所 非公開
Mary Gauthier "Mercy Now"