京都・河原町に2019年12月、登場した複合型商業施設
「GOOD NATURE STATION」。
その2F、ガストロノミー・フロアが話題騒然。
ハイエンドなフロアに3軒。
「CAINOYA」(Innovative Japanese)
「TAKAYAMA」(Creative Dining)
そして。
この日は、「VELROSIER(ベルロオジエ)」へ。
苦楽園からこの地に移転。Chinese Gastronomyを掲げる。
「Lombard Brut Référence」でシャン杯✴︎ 料理はおまかせのみ。
▶︎はじまりの一杯
中国茶!?と思わせる作法で、客の前にて熱々が注がれる。
お茶、ではなく鶏むね肉の節からとったスープ。
なんとまぁ豊かな香り。口に含めば旨みがじわりじわりと押し寄せる。
六腑に染み渡り、身体ホカホカ。
次の品は「石焼き芋をイメージしました」という揚げ点心。
大和芋と安納芋をつかった生地はどこまでもエアリー。
しかもフワサク感、堪らん。
サンゴの上のこちらは「海老チリです」とのこと。
春巻きの皮の間に、なんと海老のミンチを射込み
揚げた海老をチリソースで和えている。
トップには桂花陳酒でコンポートにした金柑。
手にとって頬張れば、うん確かに海老チリ!でも食感、清らかな味わい
金柑や桂花陳酒のさりげない香りにより、定番のそれとは一味もふた味も違う。
▶︎焼売
見惚れてしまう…。薄く艶やかな皮のなかには豚、芽キャベツなどが入る。
土台には焼きキャベツのサブレと甜麺醤のクランブル、
トップにはレッドキャベツ。
口のなかでは、、、うわめっちゃ回鍋肉。
でも温度や食感、香りの立ち方含めアプローチが全く違う独自性。
福井県人であり友人・廣瀬さんが経営する
漆器屋(越前漆器)の特注品、その器のなかには
▶︎フォアグラもなか
コンフィして紹興酒漬けにしたフォアグラは、高貴な香り。
自家製の柚子ジャム、クローブのほのかなスパイス感が
素晴らしき相性をみせる。
フリウリ-ヴェネツィア・ジュリア州の土着な白ワインと共に。
▶︎金時人参のムースとそのチュイル、りんご、甘海老、
ムースの上には、りんご、紹興酒ベースのタレに漬けた甘海老。
さらには、上湯で炊いた牛スジとそのジュレ、昆布だしの泡。
多層なのに、それぞれの個性を感じ、その味わいは透き通っている。
▶︎カリフラワー
カリフラワーは生でピュレで、素揚げにして。
金華ハムで〆たホタテ、冷製のカブラ、ベーコンのムースからなる。
旨み要素がキツすぎないから、カリフラワーのピュアな甘みが際立っていた。
そして遂に、出合えた…。
ニラのアイスパウダーをかけてもらって…
その正体とは…!?
▶︎餃子
器の底には、熱々のニラ茶碗蒸し。
豆板醤とオイスターソースで味付けした豚肉とキャベツ、
85℃で6時間蒸したアワビを、
蒸して焼いた餃子の皮で覆っている。
さらに、客の前でニラのアイスパウダーをどっさり!
しっかり混ぜて味わう。すると、
熱々の茶碗蒸しと、アイスパウダーの温度差の驚きが押し寄せ、
カリッと食感楽しい餃子皮と共に、
分解していた餃子の素材が手をつなぐ。初体験!
▶︎ブリ大根
低温で熱を入れた艶やかな身、そして竜田揚げ、という2種のブリが存在感を放つ。
その上には大根餅チップス。食感のコントラストが面白い。
八角加えた甘醤油・甜醤油(テンジャンユ)のソースで味わえば
中国料理的鰤大根。このクリエーションにも脱帽!だった。
醤油漬けした大根の漬物は清々しく、味の変化が楽しかったね。
「鳥居平 今村 Cuvee Yuka Rouge 2004」と共に。
18年リリースのバックヴィンテージ。
ブラック・クイーン、マスカット・ベーリーA主体。
山ぶどうのような滑らか、かつ深みのあるタンニン、
甜醤油のニュアンスと合うわぁ。
次の品は、
鶏の醤油煮と百合根のピューレ
タラ白子のフリット、フカヒレ、ゴボウチップス。
ゴボウの香りを移したスープのあんをトロリかけていただけば
大地の香りと、海の恵みが融合。どこまでも滋味深い。
そして魚料理へと。
▶︎サワラ
低温で熱を入れたサワラ。断面、黄金色!そして皮パリッ。
XO醤で調味したポワロー、白ネギの素揚げの香り心地よく
オイスターの海味がいいアクセント。
根セロリのピュレと竹墨のソースで、味わいに膨らみが生まれた。
ココナッツソースを練り込んだ「花巻」はしっとりむっちり。
甘やかな香りがふんわり広がる。
▶︎香川 讃岐牛マルシン
マルシン、超潤肌。舌のうえで心地よく跳ね、旨味を撒き散らす。
甜麺醤ベースのソース&パウダーのコク、ジャガイモのピューレ
キャベツの透き通った甘みと共に、異次元の世界へと誘ってくれた。
そしてデセールへと。
杏露酒に漬けたイチゴ、自家製の白胡麻アイスと杏仁アイス、
アニスと共に炊いた大納言小豆、イチゴのメレンゲ、
赤米クッキー、白玉だんごなど。中国の汁粉をシェフならではの視点で表現。
ミニャルディーズと中国茶で〆となりました。
シェフ・岩崎祐司さんが提唱する
チャイニーズ・ガストロノミーに痺れた夜。
真っ黒な店内で、一皿一皿がより一層輝いていたな。
中国料理に岩崎シェフならではのフィルターがかかるとこうなるのか。
発想力、デザイン性、さらには口中で完成する新しい味を楽しませていただいた。
オリジナリティーとは何か? その凄みを学んだ時間でした✴︎
「VELROSIER」ベルロオジエ
京都市下京区河原町通四条下ル2丁目稲荷町318-6
GOOD NATURE STATION 2F
075-744-6984
open :12:00〜15:00(12:30迄に入店)、18:30〜22:30(19:00迄に入店)
close:月曜
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