週末の小旅。福井市にある
「Les Queues (レ・クゥ) 」へ。
石窯の前。いつもの席にてリラックスな時間。
福井のものづくりの凄みを再発見できる堪らんひととき。
そう、地元の生産者から届く食材はもとより
食材・器やグラス、カトラリーに至るまでメイド・イン福井に特化。
▶︎アミューズ
大野・松田由美津さんが育てた 原木椎茸のブルーテ アーモンドミルクの泡
芳しくとても質朴。その深い味わいに、身体がよみがえる。
昼酒は「敦賀 東浦みかんビール914」。
ホップの香り高く、みかんの爽やかな香りが生きてるねー。
▶︎ワトム農園 魔法のトマトのタルトレット エディブルフラワー
香ばしいタルトと、凝縮感あるトマトが和音を奏で、
口の中は、小宇宙。
▶︎小石に見立てた最中
地魚のリエット 豆乳と有機レモンのサワークリーム
乾燥ケールのチップス
リエットのクリアな旨み、そして
クリームの清新な味わいのハーモニー。
▶︎三国 ミニ根菜のピクルスとサツマイモ、ナスタチウム
魚の肝の塩漬けバーニャカウダソース
石窯で加熱したサツマイモは濃密な味だし、
小カブやミニキャロットは甘酢っぱさのなかに素材の味しっかり。
バーニャカウダがまった、優しくも飲ませる味わいなのだ。
器は、越前海岸にほど近いガラス工房「ワタリグラススタジオ」による
「レ・クゥ」オリジナル。
▶︎日向湖 天然ブリの軽い炙り
紅芯大根とマイクロリーフ、ビーツのピュレとそのパウダー
薪の熾火でさっと炙ったブリは、脂すっきり。
紅紫色でまとめた素材、とくにビーツの土っぽい香りがいいアクセント。
この一口スープには唸った…。
セコガニ50杯を用いた、澄ましなのだ。
運ばれてきた瞬間の香りにハッとなり、口に含めば
セコガニ独特の凝縮感ある旨み、芳しさが一気に押し寄せる。
でも後味は驚くくらいクリアなのだ。
▶︎放牧若牛のレバー
超稀少な一品。詳しくは後ほど述べるとして。
薪火(直火)でさっと炙ったそれは、プリンプリンッとハリがあり
かつ肌理が細かい。どこまでも清らかな味わいで、余韻も美しい。
玉ネギ、ニンニク、バルサミコ酢、ケイパーからなるソースと共に。
▶︎昇竜まいたけと地元の根菜、猪バラ肉の自家製ベーコン、
福井産 若鶏むね肉のブイヨンと
奥井海生堂 蔵囲利尻昆布のブイヨンを合わせて
肉厚の昇竜まいたけ!香り高いわ。
そして猪ベーコンの優しい塩味を感じさせながら
Wブイヨンの相乗効果で、とても繊細かつ透き通った味わい。
網をのせ超直火で調理したり、
薪の熾火を自在に操る、阪下シェフの手元に目が釘付け。
▶︎奥越産30日間寝かせた放牧若牛 背肉の熾火焼き
噛むほどに味わい深く、雑味ないキレイな後味。
牛のフォンを加えた赤ワインソース、
奥越産 上庄里芋と黒ニンニクのピューレが、味わいにメリハリを付ける。
ジャージー牛・オスの放牧若牛を、30日寝かせている。
乳牛のオスの多くは生まれてまもなく処分されることが多いのだが、
それを食肉にと、生産者が放牧飼育。
配合飼料を使わず、山で放牧することで、山自体の環境を整え保全にも繋がる。
20年以上前から、この循環型酪農を行っているというのだから頭が下がる。
デセールへと。
▶︎東浦みかんのコンポート
今立 かせや味噌の甘酒をつかったアイス
白ワインと古式原糖からなるジュレの質朴な甘み、
皮ごと炊いた東浦みかん、香りが渾然に。
アイス、これはおかわりしたい美味しさでした。
コーヒーとミニャルディーズで〆。
来るたびに、福井の新たな発見、気づきをもたらしてくれる「レ・クゥ」。
それは長年培った、阪下シェフ&生産者やものづくりの職人たちとの
強いタッグがあってこそ。その功績が認められ、シェフは2019年秋、
農林水産省の料理人顕彰制度「料理マスターズ」ブロンズ賞を受賞したのだ。
おめでとうございます✴︎
この店めがけて春先にまた、福井市へ足を運ぼうと思う。
「Les Queues」(レ・クゥ)
福井県福井市高柳1-712
0776-53-4858
open :11:30~14:00、18:00~22:00
close:水曜(祝の場合は翌日休)
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