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旬彩天つちや @心に響く、初夏の味。

緊急事態宣言の全面解除が正式決定しましたね。
まだまだ大変な日が続くけれど、
気を引き締めて経済活動を。

久しぶりの外食はこちらで。

江坂「旬彩天つちや」
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メイクをキメて(wowwowwow)ドレスをまと〜いby BOØWYやないけど(笑)
ちょっとオシャレして、店へと向かう道中のウキウキ感、久しぶり。


18時。暖簾をくぐり、スタッフのアナウンスのもと、
入口ですぐに手指にアルコール消毒を。
そして主人・土阪幸彦さんの技を、真横で臨むカウンター席へ。
心地よい緊張感も、久々の感覚。
スタッフは全員、マスク着用で接客するなど、先の消毒しかり、感染予防対策抜かりなし。



この日は「天ぷら会席コース」をいただいた。
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泡で喉を潤し


▶︎泉州水ナスのオランダ煮 イタヤ貝ごま和え
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張りがありジューシーな水ナスに、イタヤ貝が甘みを添える。
ゴマのコク、カシューナッツの食感がいいアクセント。



▶︎造り3種
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淡路島のアコウ。じゃくっと食感心地よく、透明感ある甘み。
明石のタコは咀嚼するほどに、じわっじわっと旨みが滲み出る。
宮城の本マグロ。脂清々しく、香りがいいね。

ここらで、泡2杯目へと続き


▶︎舞鶴産トリ貝
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ひゃー今年初のトリ貝。片面だけを直火で軽く炙っているそうで
身の甘みがぐっと持ち上がる。少しだけ酸味を利かせたジュレがいいバランス。



▶︎前菜
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粟麩田楽、穴子の八幡巻き、トマト甘酢、すり身を用いた厚焼き玉子。
一品一品、丁寧な仕事が生む繊細な味わいに、心が解れる。
新緑を感じさせる織部の器には「淡路島の天然太もずく」。
ほんと太いもずく、ジャクッとした独特の食感。
「鯛の子とオクラ」は八方だしのジュレで。透明感ある味。
「アオヤギとワケギ」はからし酢味噌で。アオヤギも久々の再会で嬉しくなった。


そして名残の兜。中には
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「カツオ寿司」です、と土阪さん。
シャリがペースト状、つまりソースの役割を果たしている。
カツオのさっぱりとした風味と和音を奏で
ピンクペッパーの香りが心地よく弾けるのでした。


手元には、3種の塩。
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右からモンゴルの紅岩塩、長崎 対馬の藻潮、メキシコ湾の天日塩。
さらに、だしポン酢が供され、


天ぷら、始まる。


▶︎天草 車海老
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すっきりとした塩味のモンゴル岩塩とともに。
サクフワ衣は軽やか。車海老そのものの香り、甘みがぐっと押し寄せるの。
かたや頭は香ばしく、甘みに凝縮感がある。



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ワインはシャブリ@Domaine du Colombier をボトルで。



▶︎若狭グジ
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ぐじの鱗と薄衣の共演に胸高鳴るわ。
ザクッではなく「サクッ」とじつに繊細、
厚みある身は、瞬時に蒸され、ふっくら解け、消えた。

はぁ〜っと私、幸せのため息ばかりついてたと思う。



▶︎山形 タラの芽
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大地の香り。山形の雄大な野山が脳裏に浮かぶ。



▶︎富山滑川 ホタルイカ
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名残のそれは端正だった。
バチッとミソが弾け出そうだけど、やっぱり職人技ってのは凄い。
何もつけずにハフハフ頬張れば、、ピュッとミソが弾け、深いコクと香り。陶酔。



▶︎北海道むかわ産 ホタテ貝柱
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麗しい断面をカメラでおさえきれてないのが残念だが
艶があり、なめらかなテクスチャー。甘いなー。



▶︎紫蘇の葉の天ぷら 根室の生バフンウニ 醤油餡
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勢いよくひと口で。サクッ、と紫蘇の葉の軽い食感とともに
天ぷらの熱で、ウニの甘みがグッと際立っている。



▶︎長崎 ゴールドラッシュ
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「今日から始まりました」と土阪さん。走りのトウモロコシ、
すぐそこに来てる夏を感じさせる、すっきりとした甘み。



▶︎香住蟹
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土阪さん、鮨を握るような手つきで、カニ身をクッと優しく握り、天ぷらに。
身と身の間に程よく空気を含み、めっちゃふっくら。
中で蒸された身は、ふわっと解けつつ、甘みと香りを撒き散らすのだ。




土阪さんが創り出す天ぷらは、
なんというか本能に訴えかけるような
素材本来の香り、そして味わい深さがある。
聞けば、天ぷらの揚げ油は綿実油100%。
大阪・柏原「岡村製油」のノンシリコンの綿実油を使い続けているとか。
日本国内で綿実油を圧搾してるのは岡村製油1社のみという。
その油は、余分な香りはなく、甘みがある。
「僕は素材の本来の香りにこだわりたいので、油の香りは必要としません。
香りの強い胡麻油より、香りがなく甘みが強い綿実油のほうが
素材の輪郭が出やすいかと思います」とのこと。
天ぷらについて、他にもいろんなことを聞くことができ勉強になりました。



▶︎九十九里浜 蛤
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ダシ醤油を含ませた衣を齧ればじゅわり、
ハマグリの濃厚なエキスが溢れゆく。
ガシッと存在感ある衣と、ダシの旨みが合うね。


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▶︎愛媛 周桑 アスパラガス
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ホコホコ。透き通った甘いエキスが充満。
そこに冷えたシャブリを流し込みー。たたた堪らん。



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スタッフさんが目の前で披露してくれたそれは
琵琶湖の稚鮎。なんだか久しぶり、この光景も。


▶︎琵琶湖 稚鮎
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繊細な身質。ほろり広がるやわらかな苦味に、唸った…。
えも言われぬ心地良い香りにも。



▶︎泉州 穴子
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穴子からとったダシを用いたタレに潜らせて。
いやー穴子の味が濃いわ。そしてどこか懐かしい香りの余韻がステキ。



▶︎徳島 早生の枝豆
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粒感くっきり。そして初々しい香り。



▶︎宮崎 黒毛和牛 ハネシタ
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衣の中で蒸されることで、香りはぐっと深く
うるうるとした断面、キメが細かくて旨み強烈。



▶︎なると金時 松茂美人
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小ぶりで、透き通った甘み。栗みたいな質朴な香りも印象的でした。



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箸休めに「くみあげ湯葉・芹・近江こんにゃくの酢の物」。
さっぱりと気持ちいいテイスト。酸味とダシの旨味のバランスが秀逸。
近江こんにゃくを使われるあたり、滋賀出身のご主人ならでは。



その後、ごはんと焼き魚、香物、赤出汁と、〆へと続くのだが
私はごはんを抜き…
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キンメの焼き物を、
鳥取「弁天娘 純米」と共に。
はぁ〜〆にならないこの口福感。時間が止まってほしかった。



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アプリコットアイス、キウイとイチゴのゼリーがけにて〆。




丁寧な仕事を感じさせる会席料理の品々、
続く天ぷらは、薄衣の軽やかな一品から、素材の力強い味を閉じ込めたものまで
起伏に富んだ展開で、食べるほどにお腹が空くようなこの感覚、久しぶり。

この時季ならではの走り・盛り・名残を、心身で感じる、その喜びに浸った夜でした。
土阪さん、スタッフの皆さん、ありがとうございました。


しばらくは油断禁物。早く安心できる日に戻りますように。
引き続き、お取り寄せ・テイクアウト・外食で、
飲食業界にエールを送ります。



「旬彩天つちや」
吹田市豊津町41-4
06-6338-2288
open :12:00〜13:00LO、18:00〜20:00LO
close:日曜、月曜の昼
http://www.shunsaiten-tsuchiya.com/


Paul Simon - Something So Right




by writer-kaorin | 2020-05-26 09:40 | 旬彩天つちや | Comments(0)  

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