JR茨木駅から徒歩7分ほど。
ビル奥の角にアーチ型の扉。
外観はスナックの名残らしい。
一歩、店へ入るとそこには
凛とした空気漂う、白木のカウンター。
そのギャップにまず心を掴まれるのよ。
この日は、鮨好きをお連れし、私は3度目の訪問。
ビールで喉潤す。
ハイオクチャージ、完了。
これから始まる
おまかせコースが、8000円なのだから。
茨木在住の人たちが、ほんとに羨ましいし
私自身、足繁く通う理由がこの店にはたっぷりある。
▶︎前菜6皿
グラスには「えびす南瓜のすり流し」。透明感ある甘みがいいね。
時計回りに「大阪なす 三度豆」は酸味を利かせた胡麻ソースで締まりある味に。
「白エビ揚げ」は砕いたおかきを纏いザクッ、香ばしくって甘い。
香住産「イシモズク」は温かいダシで。シャキシャキ感、凄いわ。
「活ダコ」はさっと茹で、ワケギと酢味噌で。プリップリ!
中央は「モロヘイヤ・なめこ・オクラのおひたし」。夏の滋味。
そら、日本酒欲し…
▶︎常山 純米辛口 参の升(福井・三国/常山酒造)
キリリと強めの辛口なのが、堪らんね。
香りは穏やかだし、旨みは優しく。無意識のうちにくいくい進みすぎる。
▶︎徳島のハモ、香住のイサキ
目の前でザクッザクと骨切りし、湯引きしたばかりのハモ。
ホワッとしてて、甘みも香りも素晴らしい!お連れした京都人が
「驚いたなぁ。湯引きがこんなに旨いとは」と舌を巻いてた。(笑)
イサキは、さっと炙った皮目香ばしく、ほんのりスモーキー。
身の凝縮感ある旨みに唸ったー。
▶︎琵琶湖 稚鮎、タコ旨煮
稚鮎は焼いた後に米油で蒸し煮に。めっちゃ香り高い。
ふっくらしていて、ホロリやらこい苦みが広がる。
実山椒煮たのと一緒に、ということだが
これはこれでちびりちびり日本酒と。
タコは、ぷりんと張りありつつ、しっとり柔らか。
シンプルな品々だが、素晴らしくオーラを放つ。
安芸虎 純米無濾過生原酒(高知・安芸/有光酒造場)と共に。
酸がキレイ。これもタイプやなぁ。
そして握りへと。
「カワハギ」。透明感ある身と温シャリ。
その間に忍ばせた肝が、シャリの温度でじわーっと溶け、両者を紡ぐ。
「アオリイカ」は塩で。
こちらは口中の温度でジワリと甘みが、
そして酢橘の清々しさが広がる。
境港「本マグロ 赤身」。スキッとした端正な味わい。
泉州「トリ貝」は白シャリで。清らかな甘みに驚いた。
ちなみにご主人・平雅之さんは、
切りたてのシャリを2色用意する。淡泊なネタには白を、
光物や寝かせネタには「飯尾醸造」10年熟成赤酢を種にした赤で握る。
シャリとネタのバランスはもちろん、
温度の違いによる味わいの広がりも発見多々。
軽く燻した「カジキ」。ほんのりした燻香に続き
ねっとり、旨みが広がるー。
次は、墨廼江(すみのえ)特別純米(宮城・石巻/墨廼江酒造)を。
上品な旨み。こちらもキレがあるね。
「境港 本マグロのトロ」は、温めの赤シャリで。
脂の深い旨みが際立ってた。
▶︎夏野菜の冷やしあん
こういう一品にも、平さんの美しい手仕事がキラッと光る。
だし巻きのような風貌のそれは「トウモロコシ豆腐」。口に含めば
葛でふわっとなめらか新食感、トウモロコシのピュアな甘みが迸る!
「冬瓜湯葉巻き」もダシの含ませ加減、湯葉との相性素晴らしく、
ナス、小芋、茗荷…、どの素材も存在感くっきり。
さっと皮目を炙り握った、長崎「ノドグロ」。
脂のコクをぐっと際立たせる塩梅、流石。
光栄菊SNOW CRESCENT 無濾過生原酒(佐賀・小城/光栄菊酒造)
フレッシュで軽快! ノドグロの脂をすっと洗い流し、次の握りへと誘う。
「ヒラマサ」はポン酢でスッキリと。
厚み素晴らしき「煮ホタテ」。すっと歯を入れると
ほろり解け、旨みがじわじわと。青柚子で後味爽やか。
白シャリで握る、天然ブラックタイガー。
甘エビのおぼろを忍ばせている。
このブラックタイガー、甘みに力強さがあるのだ。
味噌汁でホッと一息。
「蒸し穴子」はフワリホロリ、数回咀嚼しただけで
清々しい風味を残しながら消えた。
追加の一品は、とろタクを。エンドレスで食べ続けていたい。

ほぼプリン、な玉子(笑)
卵のコクがじんわり広がり
表面をキャラメリゼしてて、その香ばしさがナイス。
店主の、マサさんこと、平雅之さん。
木屋町の某人気食堂はじめ、天六「寿司処しん」などで経験を積まれた方。
茨木には縁も所縁もおありだそうで、寿司職人としてのキャリアは長い。
割烹然とした手仕事と、握りの妙味を、おまかせ8000円で。
そら通うでしょ。
「鮨 龍平」
茨木市松ヶ本町3-16 バーデンズクラブビル102
072-622-7904
open :18:00〜20:00、20:30〜23:00(二部制)
close:日曜、不定休
おまかせコース8000円のみ。
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