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ユキフラン佐藤 @静かなる興奮。

京都・祇園。
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連れてきてもらわなければ迷いそうな雑居ビル1F奥に
割烹「ユキフラン佐藤」はある。


今宵、夢が叶ったひと時。
静かなる興奮
湧き上がる感謝…。
詳しくは後半に。



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シャンパーニュで乾杯。
2013年開店。店主・佐藤功一さんは、大学で木造建築を学んだ末、料理の世界へ。
嵐山の名割烹、目白の懐石料理店などでキャリアを積んだ末の独立、ということだが
美味しさを超えたその先にある感動が、多すぎる夜。



▶︎香茸の茶碗蒸し
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一品目に茶碗蒸しという意表。
だけど肌寒い夜だったから、ハフハフ、じわっと体温上がる感覚がいい。
そして香茸の風味、海老の旨み、菱の実のほっくりとした食感に癒された。




▶︎鯛 岩茸
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ねっとり…と、旨みが優しく纏わりつく。



▶︎ぶり炙り
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ぶり腹身は引いてから、炭火でさっと炙りに。エッジ、美しいね。
大根の甘みと、脂の甘みが響き合う。



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ワインは佐藤さんに全任せ。白からは、ナチュール軸に素敵な展開。



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春巻きの皮の中に閉じ込めたのは…




▶︎鱧松 春巻き
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神がかってるわこの春巻き(笑)


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ザクッと頬張れば、中から
ふわっとした鱧の身と、香る松茸。
鱧からとっただしのジュが溢れ出るの。これエンドレスで食べ続けたい味!




▶︎雉と天然舞茸のおから
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おからにキジ!?な意外性。ペッパーの鮮烈な香りが利いてて
ナチュールを合わせると、和とも洋とも取れる独特のニュアンス。




椀物は
▶︎鯉の丸仕立て
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お椀の蓋をあけるとそこには「ふくらすずめ」の蒔絵が。

椀種には、鯉のから揚げを。鯉、骨切りしていてまず驚かされた。
鯉からとっただしには銀杏や栗、
蕎麦の実、麦を忍ばせたという。秋の香りとプチプチ感楽しいね。
落ち葉に見立てた栗チップで、食感にコントラストを。豊穣の秋を彷彿とさせる。

「稲穂から落ちた米をついばみ、笑ってるふくらすずめ」という発想らしい。
あぁ、山里の秋の情景が目に浮かぶ。

メンバー皆が、そのストーリーを大絶賛。
厨房を一人仕切る佐藤さんは、フーッ肩の力が抜けたのか
やっと笑顔をみせ、「後は運任せ…」とニヤリ(笑)。
こちらの緊張感もほぐれ、心地いい空気が流れた。



▶︎唐辛子の葉っぱ炒め
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ワインとともに、チビリチビリ。



▶︎鶏ささみと間引き紫大根 胡麻和え
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素材ひとつひとつに、歴とした力強さがあるの。


唯一撮ったボトル(後は撮影し忘れ)
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Bourgogne Blanc Chaumes des Perrieres 2018
RAYMOND DUPONT-FAHN
果実の完熟感広がるとろりとした舌触り、透明感ある味わい
背筋シュッな味わい深さ。



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炭火で焼きながらタレをジュとかけつつ…完成したのは



▶︎子持ち鮎
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甘やかな香りがスーッと。
卵はぷっくりホクホク、はぁー美味しいため息。
薄口ベースのタレの甘すぎずな加減ナイス。

和洋どちらにも取れる、梨の塩梅がまた素晴らしくって。
継ぎ足しする、富士酢プレミアム(米酢)に6時間浸けているそうな。



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箸休めに天然なめこおろしを。杯が進み、箸休めにならない(笑)



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三度豆とお揚げさんの炊いたんで、ほっこり。
この緩急のつけ方が堪らんね。



▶︎カマスと松茸
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香る巻き寿司だ。おかわりって叫びそうになるところをぐっとこらえる。
なぜなら、目の前の光景がコレだったから…。



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中勢以の但馬牛(熟成)。分厚い塊肉の表面を炭火で軽く焼き固めた後、
手で優しく肉を割き、串打ちにし、熾火でじわっと熱を通す。


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口に含めば、力強い旨みが溢れ出て、
数回咀嚼しただけですっと消える感覚。喉通りなんていいの。
これもエンドレスでいける。食べるほどにお腹が空く感覚、やってきた(笑)



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終電との戦いだったので、握りたての栗きんとんを瞬時にいただく。
栗そのものの素直で自然な味が、体にスッと染み入った。



1900年代の、イギリスのガラガラ(くじ)を、オブジェにした自作。
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佐藤さんのクリエーションにどっぷり浸かり19時に入店して、気づけば23時半…。
時間が長すぎるとおっしゃる方も多いだろう(おそらく大半がそうじゃないかな)。
でも私にとっては、実にエキサイティングな時間だったので、そんなの関係ねー。

そういえば着席した時、まだ栗の皮を剥いていたっけ。
料理のほとんどが、作り置きなし。壮大な構想あっての即興。
コースの組み立ては独特だし、
味づくりのクリエーションはまさに、奇才でいて芸術家肌
しかも、金継ぎがなされた骨董の器ひとつひとつに
佐藤さんならではの審美眼が光る。一度じゃ計り知れない魅力を感じたのでした。



そう。この日は夢が叶った夜。
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日本のフォークロック史の名宝
「はっぴいえんど」の伝説的ドラマーであり、
ヒットソング請負人な作詞家・松本隆さん
「パティシエ エスコヤマ」小山進シェフ、
そして美味しい話題尽きない賢人たちとの時間でした。

小山シェフ、ありがとうございます!
そして松本センセ&チームのみんな
そして佐藤シェフ、本当にありがとうございました。



「ユキフラン佐藤」
京都市東山区祇園町北側新橋通花見小路東入ル南側2軒目八百平ビル1F奥
075-531-3778(完全予約制)
open :11:30~18:00/18:00~25:00
close:1日・11日・21日・31日(2日前にご予約頂ければ予約可)
https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260201/26022671/


NHKスペシャル 
「筒美京平からの贈りもの 天才作曲家の素顔」
2020年10月31日(土) 午後9:00~午後9:50(50分)
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/





by writer-kaorin | 2020-10-30 21:16 | ユキフラン佐藤 | Comments(0)  

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