予約受付スタートの朝10:00ぴったりに電話が繋がったとき……。
中高大時代、「チケットぴあ」の電話かけまくって
大好きなアーティストのアリーナ前列を
ゲットしまくった、あの頃を思い出した。(笑)
「LE SUCRÉ-COEUR」が17周年を迎え
30名限定の、一日限りのセッションが開かれた。
その予約は電話のみ、受付開始30分で埋まったらしい。
一発で電話繋がったものだから、運よく参加できたのだ。
(そらまぁ、チケットぴあへの電話でノウハウ構築できてたから)
記念すべき17周年イベントは
【Here comes a new challenger】
シュクレクールは通常営業、さらにパンのイートインもあるなか、
パン屋のテラスに、ガチのレストランが出現。
挑むのは、関西フレンチ界の未来を担う次世代シェフ
「アニエルドール」藤田晃成シェフ
対戦相手は…「ル・シュクレクール」岩永歩シェフ。
そうです。料理とパンのガチンコ勝負が開かれた。
何がスゴいって、一皿一皿にパンを合わせるのです。
岩永シェフによる「パン ペアリング」は、
「Hajime」さんオープン当初に経験して以来だ!
昼シャンの至福。「Gosset Grande Reserve Brut」
◆Amuse
アスパラガス 烏賊 キャビア 海藻
手前の器。中にはアスパラガスの軸、烏賊と海藻のピュレのタルタル。
トップには白アスパラガスのエスプーマと、イカ墨パウダー。
山海の春の香りがふうわり、気持ちいいなー。
そして、グリーンアスパラガス・アメリカンドッグ風。
海藻とイカ墨からなるベニエ生地にラルド。香りはぐっと力強く。
合わせるパンは
「プティポワ、カルダモン、キャラウェイシード、レモン、パルメザン」
春の息吹が、軽やかにしなやかに、料理と共鳴し
カルダモン、キャラウェイの清々しい香りの余韻……。はぁ〜幸せのため息。
何がスゴいって、料理に合わせるパン全てが
窯から出したて、焼きたてであること。
パン好きすぎるワタシにとっては堪らん時間。
「次の料理に合わせて、ブリオッシュが焼き上がりました!」と
コラボイベント立役者・GM横田くん。
この光景を前に、飲める(パン飲み派カオリン)
◆Entrée
日本鹿 椎茸 サマートリュフ ワイルドライス
鹿ロース肉は加熱後、セップ茸のピュレで和えている。
澄みきった鹿のスープのピュアな味わいと、
パフにしたワイルドライスの軽やかな食感、椎茸の旨みが渾然に。
対戦相手は、ブリオッシュ生地の
「コーヒー・オールスパイス・アニス・くるみ 黒糖・カカオニブ」
原木椎茸やサマートリュフの風味、
さらには鹿コンソメの滋味を持ち上げるかのように
黒糖やカカオニブ、スパイスの香りがじわじわ攻めてくる。
これは個性のぶつかり合いやね!
「Sancerre Calcaire /François Le Saint」
エレガントかつ、独特の苦味とコクが、奴らの個性と呼応する。
▶︎Poisson
ブルーオマール 豆 キヌア ココナッツ
ここで、ブルーオマールとはテンション上がった!
オマールはぐっと強い旨みを蓄え、
ココナッツの泡や、バイマックル的なエキゾティックなニュアンス
その加減に唸ったわぁ。
パンは「ライチ・ココナッツ・クミン・山羊のホエイ」。
岩永シェフ曰く「ライチのフォカッチャ」ってことで
水分はなんとライチジュースのみ。
クミン、ココナッツに感じる東洋のエキゾティックな風味が、
ブルーオマールの甘みを持ち上げている。
料理とパンを交互に味わえば
フランスとオリエンタルが行き交い、着地はフレンチという見事な独創性。
ひゃー、唸るというか参ったというか、このセッション凄すぎる!
「Volte Face 2017 /Chateau Couronneau」
まろやかな味わいのなかに、ほのかにスパイス感。
次の皿に合わせて。
▶︎Viande
経産牛 竹の子 花山椒 島らっきょう
経産牛サーロインのローストは、シェリー酒のソースで。
牛スネ煮込みは、島らっきょの食感がいいアクセントになってて、
焼きで香ばしさを際立たせた筍のそばで、
花山椒の食感と木の芽の香りが生きる。
相棒のパンは「よもぎ、抹茶、実山椒、胡麻おから」
古代小麦「ディンケル」がベース。
咀嚼するほどに、ナッツのような小麦の味と、春の力強い香りが広がり、
肉の香ばしさや皿の中の旬素材と呼応する。
春深まり、すぐそこに来ている初夏が待ち遠しくなった。
▶︎Dessert
ブルーベリー クレームダンジュ ラベンダー
麗しい……。ブルーベリーのパルフェには、
クレームダンジュのふわふわ感、ブルーベリーの爽やかさと
ラベンダーの香りが清々しく広がる。
素材ごとのテクスチャーや味のバランス、その繊細さもお見事。
デザートに合わせるパンは、
「ブルーベリー、ラベンダー、パティシエール、クレームダマンド」
ひゃー。ブルーベリーのクロワッサンオザマンド!
クレームダマンドのコク、ブルーベリーの甘酸っぱさ、
さらにはジュワッとくるバターのリッチなテイストが追いかけてくるもんだから
本能のままに、がむしゃらで頬張る!
ルーラルカプリ農場「山羊のフロマージュブラン」の清々しい風味が名脇役でした。
爽やかだけで終わらせないこのインパクト、忘れられないフィナーレでした。
これは夢か幻か……ってくらい、放心状態(笑
フランスに根っこを張りながらも日本の春を巧みに表現する
藤田シェフの独創性にまず、やられた。
しかも、藤田シェフの料理に受けて立つ
岩永シェフの遊び心とぶっ飛んだ発想に参りました。
ひと皿、ひとパン。
そこには、融合、共鳴、対比、勝負……あらゆる感情が重なり合っていて
ペアリング、といっても
ここまで個性を持った
パンと料理のガチ対決、これ、誰もやらないし、できないと思う。
岩永シェフ、藤田シェフ、そしてプロデューサー横田くん
感動をありがとうございました!
スタッフのみなさん、ありがとうございました&お疲れさまでした。
PS:「シュクレクール」は2021/4/18(日)に
17周年イベントvol.2開催!
あの、フルーツサン堂が、新地にやってくる!
「LE SUCRÉ-COEUR(ル・シュクレクール)」
「agnel d'or(アニエルドール)」
Tom Waits - Lonely