大阪・福島「ミチノ・ル・トゥールビヨン」でデジュネ。
入店してハッとした。
テーブルクロスがなくなり、木の質感気持ちいいテーブルが鎮座。
さらに…。
漆でコーティングした越前和紙のランチョンマット(福井・越前市「
杉原商店」)
さらに。クリストフルのカトラリーの隣には
我が実家で作らせていただいたお箸が。(福井・小浜「フナイワークス」)
「自分の店に箸はゼッタイ置かないと思っていた」
そう話しておられた道野正シェフ、31年目の革命。
「あえて日本の伝統技法を駆使した製品を集めてみました」
道野シェフの思想も設えも、めっちゃくちゃカッコいい。
昼シャンの愉悦にはじまり……
▶︎春キャベツのポタージュ
ミルクの泡は肌理細かく、
熱々のポタージュはキャベツの優しくも深い味わい。
スナップエンドウの弾けるような食感が心地いいね。
漆塗りの技術に見惚れてしまう。パンはしみじみ旨い。
▶︎牛タンのスモークとサツマイモのサラダ
ビーツのクロッカンの食感楽しく、
牛タンのほのかな燻香、サツマイモのピュアな甘みが響く。
レフォールのソースや、ブルーベリーの甘酸っぱさがいいアクセント。
ソーヴィニヨン・ブランと共に。草のような香りのハーモニー。
▶︎本日の鮮魚と菜の花のピューレ
この日はイトヨリ。虹のように美しい断面、さらには
春薫るピューレの存在感に、ニンマリしてしまう。
ガルニは、菜の花とスイスチャードと小松菜。
▶︎もち豚のアンチョビクリームソース
豚はシャクッと歯切れよく
アンチョビの塩梅とクリームの優しいコク、その一体感に唸る。
芽キャベツは焼くことで香りが際立ち
プチヴェール、姫人参ほか野菜は異なる加熱方法で。
甘みや香りがくっきり、濃い味わいだ。
伊・プーリア州のプリミティーヴォと共に。
パティシエ、マダムyucoさんによるこの日のデザート
「キャラメルアイス」はふぁっとエアリーでどこまでもコク深く
「パッションフルーツとココナッツのケーキ」は夏に向かう清々しさを感じたのです。
現代美術アーティスト・松尾栄太郎さんの作品、カッコいいな。
空間全体を引き締めていた。
フレンチ界の巨匠・道野シェフによる挑戦について、
ムッシュO氏は「歴史の扉が開いた」とおっしゃっておられた。
まさにワタシもそう、実感。
フランスの深い深いところに根っこを張りながら
道野シェフのフィルターを通した、日本の伝統文化という新機軸。
新しい世界とワクワク感たまらないレストラン時間を、
道野シェフ、ありがとうございます!
PS:大阪は緊急事態宣言発令…(21/4/21時点)。
そんな時こそ、お家で道野シェフの味を。
大阪市福島区福島6-9-11
06-6451-6566
open :通常は12:00-13:00LO、18:00-20:00LO(前日までに要予約)
close:月曜(祝日の場合は翌火曜)※臨時休業あり