初冬の、心斎橋「もめん」。
■帆立、シャコ
帆立のまったりとした甘みに、シャコの海味。
ジュレ仕立てにしたりんごの、爽やかな余韻がずっと続く。
「春鹿 純米吟醸 生詰」500日熟成を。
まろやかさと奥深い味わいが印象的でした。
■海老芋 唐揚げ、むかご おかき揚げ
この潔さ…。海老芋をハフハフと頬張れば
肉質はきめ細かく、どこまでもねっとり…甘い。
むかごはザクッと香ばしく、大地の香りがずっと続く。
■白子豆腐と粟餅のお椀
澄んだ旨み、奥深く。
白子のまろやかさ、粟餅の質朴な風味が心に響くのです。
■スマ(ヤイトガツオ) 、タイ
希少なヤイトガツオ。ピンッとハリがあるねぇ。
その脂と赤みが相まり、舌の上でスーッと溶けゆく。
タイは咀嚼するほど、甘みがじわりじわりと押し寄せるの。
■蕪
「こういう料理が、一番難しい。神経を使うんです」と木綿さん。
まさに、シンプルの極み。
蕪を口に含めば、上品なだしのうま味がジュワリ。瞬時に蕩けゆくのだ。
映える料理とは対極。潔いにも程があるし、カッコ良すぎる。
■ぼたん鍋
昆布と熟成酒粕、味噌を合わせただしに、猪肉をくぐらせて。
木綿さん自ら、小鍋奉行。誠にありがたいです。
プリンッと張りある脂は、濃厚な甘みを蓄え、ハフハフ…至福のとき。
猪肉の脂の旨みが、だしに浸透。しみじみ…体が蕩けていく気分。
そして、だしで飲めるのだ。(笑)
ご飯が登場するまで、しらすおろし、白菜浅漬けでまた飲む。
サーモン味噌幽庵焼きが登場し、もめん定食へと続きます。
本日何回目かの、至福のとき。
水物は洋梨と柿。美味しゅうございました。
本日いただいた「春鹿」極みのお酒たち(奈良・今西清兵衛商店)
『純米吟醸生詰ひやおろし』
『純米吟醸生原酒500日熟成』
『純米超辛口 中取り熟成生原酒』
『鹿鳴 純米吟醸生原酒』無圧搾り
『旨口四段仕込み純米』 はお燗にて
料理とのペアリングも素晴らしい、ひとときでした。
海老芋の存在感に唸り、蕪の滋味にニンマリ目を細め…。
高級食材一辺倒とは対極にある、深遠なる「もめん」の世界。
木綿さんの奥義に、ただただ深く頷き、感銘を受けっぱなしでした。
今西社長、ご一緒させていただいた皆さん、ありがとうございました。
「もめん」
大阪市中央区心斎橋筋2-1-3
Boz Scaggs Lowdown live 2004