大阪・天神橋筋六丁目。
大通から一歩、路地に足を踏み入れると…
計り知れない魅惑の世界が待っている。これぞ、天六。
その店がどこにあるのか、迷うお客さん多数、らしい。
路地裏フェチとしては、テンションあがる。
しかも、気の利いたアプローチもなければ、看板もない。ますます燃える。
視力低い人は、見過ごすだろう。
木の扉に、店名がぽつり。
「こすだ」
急な階段を2階へと上がりゆけば、そこには
店主の「こっすん」こと、小須田 浩之さんが営む
カウンター5席だけのミニマムな世界が広がる。
こっすんの修業先は、森義文氏率いる、かの「カハラ」。
森さんのもとで20年経験を積み、2021年11月に独立。
改めておめでとうございます!
シャンパーニュで乾杯。気心知れた友との飲みは最高です。
お隣には、偶然にも、おは朝でお馴染みのY岸弁護士。ボルテージは最高潮*
スターターは、ライムの皮を裏返したところに
奈良『春鹿』の「発泡清酒ときめき」。
自然発酵。ペットナットを彷彿とさせるシュワっと感と
まろやかな甘みに、ライムの異国情緒。
清々しさこの上なく、胃袋全開。
発泡清酒に、ライムの香りという始まり。
期待高まるにもほどがある。
飲み干したライムのお猪口に、いくら。
これまたライムの皮のささやかな主張により
いくらのピュアな甘みが引き立ってる。
のっけで、グッと心掴まれました。
タスマニア「ヒルファーム プリザーヴ」の
スパイシー マスタードをどっさり。
「ヴァイアンドカンパニー」が輸入する、このマスタードは、
名だたる料理人たちが愛用しています。私も大好物!
■セコガニ、 鞍掛豆(くらかけまめ)スパイシー マスタード添え
豆、なんて旨いの…って目を白黒させてたら、
「だしの旨みが大切。熱を通した後、1日浸しています」とのこと。
ほどよく歯応えを残しているから、
酸味まろやかなマスタードのプチプチ感がめちゃ合う。
セコガニの濃い甘みに「日本酒ないとやってられへん!」
てことで、こっすんからオススメされた酒が
念願の「鄙願(ひがん)大吟醸」。
まさに、清流の水の如し。
内子と外子もやってくるもんだから、どうにも止まらない。
■吉田牧場 カチョカバロの海苔巻き
ソテーしたばかりのカチョカバロを、海苔でくるっと巻いて。
最強の味わい方、の一つだと思う。
名残惜しい…と酒を口に含んでいたら、
「おかわりカチョカバロ、どうぞ」ってこっすん、嬉しすぎるやないの!
食べ続けていたい…。とニンマリしてたら今度は
カチョカバロの結び目の部分を、目の前で削り始めたではないか。
■牡蠣、ジャンボマッシュルーム、カチョカバロ
ソフトボールの球くらいどデカいマッシュルーム!
フライパンでソテーしただけ、ってこっすんは言うけれど
香りも味の凝縮感も半端ない。そのエキスでさらに牡蠣をソテー。
シンプルこの上ないんだが、ただただ飲ませる、すごいアテ。
日本酒と並行してワインも。
これまた大好きなタスマニアの白が登場。
まったりとした旨みとフレッシュな酸。広がる癒しの樽香。
「CHARDONNAY 2019/JOSEF CHROMY」
タスマニアのワイン醸造家であり実業家のジョセフ・クローミー。
■竹島英俊さんがつくる「モッツァレッラ・ディ・ブッファラ」
竹島さんがつくるモッツァレラに、
「こすだ」で出合えるとは感動。
ベトナムの生胡椒のみ、という潔さ。その塩気と鮮烈な香りが、
モッツァレラのピュアな甘味と素直な味わいが引き立っていた。
ぼーっとモッツァレラの余韻に浸ってる暇なかった!
目の前では、どっさり、黄金色したアレを麺にかける光景。
■ビーフン からすみがけ
いや〜心ぶち抜かれた。
こんなに飲ませるビーフン、今まで出合った事ない!
茹でてから炒りしたビーフンに、だしと醤油の旨みを含ませ
削りからすみどっさり。
咀嚼すれば、塩味のなかにふくよかな旨み。
ビーフンはコシのある食感だから、
噛むほどに米の甘みとカラスミのハーモニー。
仕上げは全て目の前で。湯気や香りも、味わいのうち。
■焼きフカヒレとパクチー
フカヒレのカリジュワッな質感も堪らんね。
日本酒とだしと、醤油だけで炊いた、そのシンプルな旨みもいい。
さらに、その煮汁で炊き炒めにしたパクチーが名脇役なの。
そのエキス感満載、しかもアジアな香り健在。ボウルいっぱい食べたい。
■大葉のスプラウト
スプラウトは、大葉らしい舌触り。ゴマは香ばしく、
ライム果汁のドレッシングで、キュッと締まりのある味わい。
野菜で飲めるって偉大!
お次の料理に合わせてコチラを…
「Gevrey-Chambertin 2017/HARMAND GEOFFROY」
■和牛フィレ肉
低温調理の後、表面を香ばしく焼き上げて。
塩をまずチョンとつけ、肉の甘みを楽しみ
ニンニクチップス、あけがらし、山葵、生胡椒…
味変、というよりかは、舐めながら齧りながら飲む。
いうてる間に、土鍋ご飯、炊き上がり。
一口味わえば、温泉に浸かったような心地。艶やかで甘いわ。
こっすん、フライパンから取り出した素材を
土鍋に入れて混ぜ合わせ…
■舞茸と新生姜のご飯。
素材のエキスを纏ったご飯は
柔らかく、旨みと香りの嵐!
金柑のコンポートには、ナイアガラ(柏原産・白ワイン)を使用。
甘酸っぱく、うっとり甘やかな香りに、癒された〆でした。
どのお料理も素材感イキイキ。シンプルだけれど飲ませる味づくりに魅了。
まさに、酒飲みの楽園だ。
おまかせメニューは、量多すぎず、少なすぎず、絶妙な程の良さ(ここ重要)。
しかも次の予約取って帰りたいくらい懐に優しい。
初めておじゃましたのに、リラックスしまくり。
この心地の良さは、常に自然体のこっすんらしい接客、そして古民家の空気感あってこそ。
20年もの間、「カハラ」で経験を積まれた上で、
あえてカウンター5席、という店づくり。まさに、とっても小さくて強い店。
こっすん、そして@eita.fukui 今宵もありがとうございました!
「こすだ」
大阪市北区国分寺2丁目3-13 2階
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