師走モードに突入。この日は京都・岡崎「京、静華」へ。
そうそう先日、宮本静夫シェフには
2種の「湯」の取り方を、じっくり教えていただきました。
というのも、大阪の人気割烹『にしの』店主・西野正拡さんが、
宮本シェフに半日弟子入り!
詳しくは、料理人のための和食専門ウェブ・マガジン
「Grande Réserve Brut - Daniel Dumont」でシャン杯に続き
■双味小碟
小さな二皿
鶏の唐揚げは、ジューシーかつなんと上品な。
「昨日、神社に行ってきまして。落ち葉の絨毯が美しくてね」と宮本シェフ。
落ち葉を炒った唐辛子で表現。香り高く、情緒ある。
加賀蓮根をすりおろし、焼いたものを土台に
ハリイカのタルタルとキャビア。
蓮根は質朴な風味。細かく刻んだハリイカの甘みが生きる。
中国料理のカウンター席は、音も湯気も香りもエネルギッシュ。
「蟹玉です」と宮本シェフ。
フワッフワの卵白、さらには浜名湖の「どうまん蟹」。
なんとまぁ、気品に満ちた蟹玉。
蟹の味はかなり濃厚、さらに甘やかな香りも。
紹興酒をロックで。
■蜜汁叉焼
サドルバック
艶やかな叉焼は、グッと歯応えあり、
噛むほどに広がる脂の旨みが堪んない。これは毎日食べてたいなぁ。
ブリオッシュ、紫キャベツの酢漬けで、叉焼バーガーという至福。
■三味春巻 麻辣雪糕
セコ蟹 青リンゴ 海老 マーラーソルベ
一口齧ったら、ソルベを一口。
その繰り返しを楽しむ、魅惑の春巻き。
一口齧ればセコ蟹が顔を覗かせる。
ソルベは、まさに麻辣!その刺激が楽しくって。
再び春巻きを頬張れば
青リンゴ、チーズ、海老すり身…と食材も味わいも変化。
感動の嵐を呼ぶ、春巻きです。
■静華魚生
本日の鮮魚 クラゲ 大根
この日の鮮魚は、ヒラメの細造り。
お箸で混ぜて味わえば、味・食感・香りの広がり楽しく
レモンとオリーブ油のソースの爽やかさで、なんとも後を引くおいしさ。
■周氏木瓜湯
パパイヤ フカヒレ
宮本さんは、香港の凱悦軒(Hyatt Regency)での修業経験も。
その店のスペシャリテを、宮本さん流に。
上湯に、フカヒレ、衣笠茸や金華ハムも。
さらに、パパイヤの身を削ぎ取り味わえば、果肉の甘みがふうわりと。
無言で味わい、感激のため息。
■蚝油鮑魚
蝦夷アワビ
アワビはどこまでもしっとり、
オイスターソースとともに、旨みと香りの調和。
■盐焗牛肉
近江牛 香菜
近江牛モモ(カメノコ)を塩釜焼きに。
しっとり繊細。塩釜の程よい塩味で、噛むほどに旨みが滲み出る。
熱々の油をジュッと落としたパクチーの、香り&シャキッと感がいい仕事してる。
20年熟成の紹興酒とともに。
■干焼蝦仁
海老 落とし玉子
なんと…エビチリ。
ポーチドエッグから卵黄とろり。混ぜて味わえば
チリソースがまろやかに。海老のピュアな甘みが際立つ。
■1958陳麻婆豆腐飯
『中国名菜譜』に掲載されている麻婆豆腐。
当時のレシピをベースに、宮本流に。
歴史的ストーリーを、宮本シェフからじっくり聞きながら味わう。
当初は、ぶっかけご飯にしていたそうな。
辛味はほどよく、コク深い味わい。
あーおかわりしたい気持ちをグッとおさえ…
■清湯麺
孤高の清湯。どこまでも澄んでいて、深遠なる味わい。
自家製・卵麺とともに、シンプル極まりない。
■杏仁豆腐
崩れるか崩れないか、ギリギリのテクスチャー。
ふわっ、想像以上に柔らかく、杏仁の香りとともに蕩けた。
■甜品二道
鮮果茶
胡麻団子は栗あん入り。
さんざし、梅ゼリー、ナッツのかりんとう。
フルーツ茶と共に。名残惜しい、そう感じさせる〆でした。
進化とか、深化とかいう言葉では表現しきれない…。
宮本シェフの引き出しの多さに、改めて驚き、感銘を受けた。
学びの多い美味しいひとときでした。
花谷さん、門上さん、宮本シェフ、マダム。ありがとうございました。
「京 静華」
京都市左京区岡崎円勝寺36-3 2F
☎075-752-8521
open : 17:30、19:30からの2部制
close: 月曜、火曜、不定休あり
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Raising Sand Live Jools Holland 2008