料理人・船越雅代さんのスタジオ「Farmoon」へ。
古材や土壁の温もり感じる空間には、
水屋箪笥、異国的なシャンデリア…。
目に飛び込むもの全てに、船越さんらしい独創性を感じる。
いつもの皆さん、そして初めましてっていう感覚じゃない著名な方々と
大きな円卓を囲んで。楽しい夜の始まりだ。
「Les Bulles d’Emma/Julien Meyer」
乾杯はクレマンダルザス。エキス感がくっきり浮かび上がる癒しの味。
1皿目は、大原野菜。
ケール、水菜、赤からし菜、赤大根を
豆腐とトロサワラのソースで。
雪に見立てた生カリフラワーに、気持ちが浮き立つ。
野菜の素材感くっきり。ソースはフムスのようなニュアンスを感じつつ、
トロサワラの上品な風味がふうわりと。
記憶は京都の山奥や北米や中近東を行ったり来たり。
スペルと小麦とライ麦、全粒粉を用いたフラットブレッドと共に。
噛むほどに質朴な味わいが広がる。
■ガンジー牛のカルパッチョ
英仏海峡に浮かぶガンジー島原産の乳用種「ガンジー牛」。
搾乳の役目を終えた牛たちなのか。心していただきます。
葡萄の枝を使って焼き上げたそれは、ふうわり心地よい香り。
なめらかな質感、咀嚼するほどに赤身肉の旨みがじわじわ押し寄せる。
Pierre Frick Pinot Gris Macération Pur Vin
Sans sulfite ajouté
大きな鱒のフィレを切り分けて。発酵レモンのソースが爽やかに響く。
ローストしたビーツは甘みが深い。ケールはパリッと小気味良い食感。
ピノ・グリのマセラシオン、そのピュアで柔らかな味わい、熟成感がピタリ。
鱒の皮。パリンッと感が堪らんね。
オーストリアのオレンジ(グリューナヴェルトリナー)
「Dekonstruktion/QUANTUM」をしみじみ味わいながら、次のこちらを待つわけです。
■京赤地鶏のロースト
ホワイトミートは、しっとり感、この上ない。
ナッツやハトムギのスパイシーなニュアンス、
さらには菊芋のピュレの質朴な甘みが、心地よく寄り添う。
地鶏のお腹の中に詰めて焼くスタッフィングが、
角切りパンではなく、牛蒡と人参とは(驚)
牛蒡の深い旨み、人参のまったり濃厚な甘み…。
じっくり時間をかけたからこその味わいが、そこにはありました。
酒米など3種の米からなるリゾットは
敦賀の白バイ貝、そしてセコガニのピュアな旨みが迸る。
サンマルツァーノ(トマト)のソース、人参の葉を、
混ぜ混ぜして味重ねを愉しむのでした。
リゾットに合わせるオレンジは、エミリア・ロマーニャ州より。
「Vino del Poggio Bianco /Andrea Cervini」
食後は持ち込みケーキで、メリークリスマス★
国境を超えた味わい、さらには時空を超えたかのような不思議な感覚。
船越さんの世界観がとてつもなく心地よかった。
山岡さん、松本さん、ご一緒させていただいた皆さん、ありがとうございました。
「Farmoon」
京都市左京区北白川東久保田町9
Tel:なし
夜は紹介制のプライベートレストランとして営業
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