京都・元田中「キッチンごりら」へ。
主食が豚の私にとって、これほど嬉しいことはない。
そのエピソードは後ほど紹介するとしよう。
元田中の住宅街の角に、その店はある。
店先には静けさが漂っているけれど、店内はほぼ満席。
お客さんは黙々と、食事を楽しんでおられる。
まずメニューが少数精鋭。鶏・豚・牛を軸とした
グリル、カツ、ハンバーグ、ステーキなどの直球系のみ。
そして全ての料理にご飯と豚汁がつく。
ハートランドで喉を潤し。
メニューは「シェフに任せておいたよ」と、ご常連。
そのご常連とは、作詞家であり「はっぴいえんど」ドラマーの松本隆さん。
おいしい繋がりでいつもお世話になっています。
「僕も豚肉が好きでね」と、豚談義に花が咲き、
この日を迎えたわけです。前夜は豚断ちしました(笑)
■ポークステーキ
食べられる国宝、としても有名な
ハンガリー固有の希少種「マンガリッツァ」の血統。
静岡で飼育しているそうな。
そのロース肉は、なんてキメの細かい肉質!
しっとりモチモチ、まるで赤ちゃんのほっぺのよう。
そして脂は口のなかでスッと溶け、澄んだ甘みを撒き散らした。
肉そのものの存在感を引き立たせる、焼きの加減にもメロメロです。
白ごはんは抜いて、ハートランドと共にじっくり味わい
しみじみ味わい深い豚汁で、クールダウン。
もう2皿くらい食べられる…って思うくらい、美味でした。
オーナーシェフ・谷本斉さんのキャリアが興味深い。
海上自衛隊に入隊し、護衛艦の中で調理を担当していたらしい。舞鶴かな?
その後、京都市内のレストランや、京都の卸売市場で働いた末、
2011に独立したそう。
肉の素材感をダイレクトに味わえる、潔いメニュー構成。
次はカツにしようか。またまたポークステーキか。
この日、いただいたマンガリッツァ血統の豚は、
あるとき〜ないとき〜があるのでご了承ください。
この日ご一緒したのは、
松本隆さん。そして著者であり、ホホホ座・座長である山下賢二さん。
松本さんが喫茶店で語った、一言一句が心に響く。
なんというか、松本さんが語りかけているような優しさがあり、
その会話とはまた違う温もりがある。
松本さんと山下さん、というお二人の深い絆があってこそ
大切な言葉を紡ぎ出すことができたのだと思う。
松本さんが実際に話したエピソード。それは
「詞のつくり方」「発想について」「センスについて」
「オリジナリティについて」といったものづくりに関しての考え、
そして、生きていくなかで大切にしていきたいこと、さらには
自身のことや音楽について、現在の境地が語られている
松本さんの生のままの思いや考えは、記憶に残り続けると思う。
「キッチンごりら」を後にした私たち、
その後は、五条のカフェで、この本の続き…となりました(笑)
時よ止まれ、なひととき。ありがとうございました。
「キッチンごりら」
京都市左京区田中樋ノ口町17-3
075-702-3905
Open :11:30〜14:15LO、18:00〜21:15LO(土・日曜、祝日の昼は11:00〜)
Close:不定休
「ホホホ座」
Bill Evans - Waltz For Debby