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大阪・島本町「Restaurant MyS(マイス)」

大阪と京都の県境、島本町に、ポツンと一軒家レストランがある。
その名は「Restaurant MyS(マイス)」
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オーナーシェフの菱田雅己さんは、イタリアの星付きレストランで修業。
イタリア料理界の巨匠であり
ヌオーヴァ・クチーナ・イタリアーナ(新イタリア料理)の騎手、
故・グァルティエロ・マルケージの元でも経験を積んだ。
帰国後は「ハインツベック東京」のスーシェフとして活躍。その後は
京都「THE THOUSAND KYOTO」にあるイタリアン
「SCALAE(スカーラエ)」シェフを務め、2021年7月に「MyS(マイス)」を開く。

かのプーさん(プーさんの満腹日記)から
「島本に凄いシェフがイタリアンレストランをオープンされてるんです」と聞き
イタリア好きとしてはいてもたってもいられなくなり、
プーさん、そして「和食の扉 -watobi-」編集長の中本さんと一緒に訪問。




■Stuzzichini misti
小さなおつまみ盛り合わせ
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手前は、揚げポレンタ。氷見産のイカのクリーム煮と自家製カラスミが重なる。
海の香りとポレンタの素朴な風味のハーモニー。
その右、パルミジャーノの揚げパンにはゴロゴンゾーラのムースを忍ばせて。
[FRANCIACORTA Brut Saten Conte Di Provaglio]が止まらない…。
鴨生ハムを乗せた品は、金柑を土台に、カシューナッツのテリーヌ。
柑橘の風味、旨みや香ばしさが複雑に絡んで、フランチャコルタ2杯目へ。

この作家メイドの器を開けると…
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プロシュット・ディ・サン・ダニエーレとブラックベリーや柑橘。
泡が進みすぎる堪らん組合せ。


■Carpaccio di pesce Himi con crema di cavolfiori
氷見のスズキのカルパッチョ,氷見のイカ,カリフラワーのクリーム
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氷見のスズキは産卵前の今が旬。5日寝かせたそうな。
旨みがねっとり纏わりつき、びびるほど美味しい。
油通したスルメイカや、クリームの甘みが優しく語りかけ
キャビアを射込んだ紅芯大根のピクルス、この甘・酸・塩味がいい仕事してる。


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オーストリアのグリューナー・ヴェルトリーナーと共に

■Tonno scottato con crosta di pistacchi
マグロとピスタチオのオーブン焼き
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氷見産マグロ、といってもヨコワのトロ。
ピスタチオの香ばしさ、
牛蒡と梨とマッシュルームからなるピュレの香りが心地よく広がる。
あられ切りにした牛蒡のホクホク感もいいね。
どの器も新進気鋭の作家メイド。存在感ハンパない。


■Fagotelli "MyS"
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ファゴテッリとは詰め物パスタのこと。
修業先のシグネチャー・デッシュを、菱田シェフ流に。
中にはカルボナーラ・ソース、さらには松坂牛のラグー。
艶やかなパスタを齧れば、中からカルボナーラソースが溢れ出る。
と同時に、ラグーの深いコクが渾然に。
修業先へのオマージュを感じさせるマイスの名作。



■Risotto "Due colori"
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有田焼の器は、厚手の紙をクシャッとしたかのよう。
サフランリゾット、仏産ウサギ肉の優しい味わいに、
マスカルポーネチーズとほうれん草のエスプーマの爽やかさが響く。



■Cotoletta di pesce con brasato di radicchio
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氷見の寒ブリのコトレッタ(カツレツ)に、
グリッシーニを砕いた衣のザクザク感楽しく、脂のりいいブリは消える魔球。
バルサミコヴィネガーで味を調えた、ラディッキオとビーツがいいバランス。

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「Millton Vineyards "Te Arai Vineyard" Chenin Blanc」
シュナン・ブランの爽快さ、キレの良さがブリの一皿とハーモナイズ。



■Cervo di Shimamoto con daikon
島本の鹿ロース肉と大根
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鹿は蜂蜜とフォン・ド・ヴォーのソースで。
肉の表面にはコリアンダー、カルダモン、クローヴをうっすら、
そのほのかなスパイス感が心地よい。
柚子が香る紫大根、
エシャロッと生ハムのだしで炊いた白大根で後味清々しい。



■Biancostato arrosto con funghi
牛カイノミのアッロースト 
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菱田シェフが設計した薪オーブンが活躍。
カイノミの下には、きのこのだしを染み込ませた自家製ブリオッシュ。
やみつきの味とはこのこと。
紫白菜やシャドークイーンのチップス、トリュフのビジュアル系。



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〆に自家製カラスミのパスタが登場。
一日寝かせたタリオリーニは、クニュンクニュンとしたコシすごく、
鶏のブロードの優しい旨味と、ボッタルガの塩味のみのシンプルの極み。
そしてレストランの庭で採ってきたばかりのマジョラムの香りに癒された。




■Dolce
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左、チョコの器にはさつまいもティラミスと八朔。
そしてラズベリーのジェラート。
花びらと葉っぱのチュイル、なんて美しいの。



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小菓子は、ミカンとリンゴ酢のゼリー
そしてトリュフショコラ。紅茶でホッと寛ぎの時間。



お一人で料理を作られているとは思えぬ手数の多さ。これは全ての料理に言えること。
さすが名だたる巨匠シェフの元で働いたことのある菱田シェフ。
師匠へオマージュの皿あり、地の素材を生かした味重ねも特異な皿あり。
ワインとの組合せもピタリ、心地よかった。
手を伸ばせばすぐそこに自然があるここ島本で開いた一軒家レストラン。
このわざわざな感じが、とてもイタリア的なのだ。


「Restaurant MyS」レストラン マイス
大阪府三島郡島本町東大寺1-10-26
075-285-4170
Open 12:00~14:00、18:00~21:00
Close 木曜
https://www.restaurant-mys.com/



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by writer-kaorin | 2022-01-26 18:28 | MyS マイス | Comments(0)  

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