神戸・元町「Fusible」
お料理はおまかせコース一本。
飲み物は、アルコールとノンアル、どちらかのペアリングをチョイス。
たまには禁酒で…と思ったんだけれど
「Fusible」のペアリングの妙味、その誘惑に負けてアルコールを。
[Bizzarro Bitter Aperitivo with Apple Juice]
ビオディナミのヴェルメンティーノをベースに
柑橘やハーブ、ボタニカルなどからなる
オーストラリアのヴェルモット。そこにリンゴジュース。
甘やか、かつ繊細な香りがふうわりと。気持ちいい一杯目。
■beef
ワカモレ/玉ねぎ
六甲牛(アンガス牛(AUS)と黒毛和牛の交配種)のカルパッチョ。
噛めば噛むほど、
アンガス由来の赤身の旨み、黒毛和牛の脂の甘みが響き合う。
コリアンダーの風味や、オニオンフライの香ばしさが心地よし。
■yokowa
フムス/デュカ
表面をさっと炙ったヨコワは、脂のりいい。
フムスは、ニンニクを感じさせない優しく繊細なニュアンスで、
中東発祥のミックススパイスDikkah(デュカ)と
スモーキーなサワークリームという、流石の組合せ。
[キザンワイン赤 2020(機山洋酒工業)]とともに。
[BEL A CIAO NV Chateau de Bel]
次の料理に合わせたボルドーのオレンジワインに、どハマりしたわ。
ボルドーでオレンジワインって(驚)セミヨン100%。
■cauliflower
ウサギ リエット/パッションフルーツ
ウサギ肉のリエット、温度帯が素晴らしいの。
冷製ではなく常温、その温さで脂の清々しさが際立ってたね。
カリフラワーの香りよく、そのクリームの甘みと
パッションフルーツの甘酸っぱさがいいコントラスト。
トロピカルな果実をイメージさせる、オレンジワインとの相性絶大。
■fish
カブ/バター
見惚れる美しさ…。
むっちり繊細、火入れ素晴らしき和歌山産ヒラスズキと、
ボルディエバターを使ったソース・ブールブラン。
甘みも食感も心地よい、羽衣のような蕪が寄り添う。
■caillette
ポルト酒のソース
フランス南部の郷土料理・カイエットは
豚のホホ肉、タン、レバー、野菜入り。
網脂で包まれたそれにナイフをスッと入れると…。
目眩く…である。
口中でホワッと崩れ、レバーの清々しい風味、そして肉の旨み炸裂。
滑らかで甘い菊芋のピュレ、
ポルト酒のソースの深みが共鳴する。
そして幾層にも重なり合う香りも素晴らしい。
[St-Julien en St-Alban 2016/Éric Texier]と共に。
■rice pudding
抹茶/柚子
米とミルクからなるジェラートと
抹茶パフを組合せ、リオレという発想が面白い。
デザートは、マダム・尚美さん担当。夫婦揃ってセンスが冴える。
小菓子は、フィナンシェ。
このエッジがサイコウ。どこまでも香ばしく、
温度差楽しいリンゴ・ピュレの優しさに包まれた。
メキシコの風あり、中近東や、フランス南部…
いろんな地域に思いを馳せるこの日のコース展開。
でも着地点はピシッと定まっていて、ペアリングも痛快。
室之園シェフと尚美さんの、阿吽の呼吸が心地いいひとときでした。
「Fusible」
神戸市中央区北長狭通5-1-13 ベルビ山手元町1F
050-3204-3196
open:通常は[木・金]18:00~23:00、
[土・日]12:00~15:00、18:00~23:00
close:月・火・水曜
Prince, Tom Petty, Steve Winwood, Jeff Lynne and others
-- While My Guitar Gently Weeps