神戸・北野「VACANZA/ヴァカンツァ」で過ごす、イタリア時間。
フロアに足を踏み入れただけで、気分は最高潮。
音響好きには語るまでもない機器たちが、何気に鎮座する。
オーナーシェフの島田英明さんは音楽・料理・そして海を愛する男。
若かりし頃、シチリア・タオルミーナにあるリストランテでの修業経験も。
明石出身。釣り人でもあり
先日は、あまから手帖の連載「Yes!! Solo Camp」の
“釣りソロキャンパー”としてお世話になりました!
昼夜ともにおまかせコース1本。
この日はランチ伺いました。
「Fiano CAOAFFA 2019」
プーリア州の土着品種フィアーノミヌトロ100%
ピーチのような甘やかな香り。心地よい酸に癒される。
そしてBGMはブライアン・イーノという、アンビエント。最高。
■夏の香りのカクテル
バイ貝、帆立貝柱のコリッ、シャクッと感心地よく
イクラ、そして雲丹でいい按配。
ペペロナータのソースが、夏の透き通った甘みを運んできた。

パーネは、
シチリア島の西端・マルサラにある老舗ワイナリーがつくるオリーブオイルとともに。
DONNAFUGATA NOCELLARA ETNEA Olio Extravergine di Oliva
まろやかな果実香と、スパイシーさがクロスする。
■本マグロ 季節野菜
シチリアは、マグロの水揚地としても有名。
桜チップで軽く燻製したという本マグロに
「鉄分つながりで」生ハムを組合せたという。
むっちりとしたマグロに、生ハムが絡むと両者の旨みが凝縮。
そして、ブドウを忍ばせたドレッシングとの調和が素晴らしい。
焼きパプリカやトマト、葉野菜もハッとなるおいしさだし、
爽やかな後味が印象的でした。
■明石 太刀魚 フリット
サックリ。天女の羽衣のように軽やかでいて
脂のりがいい身はワッと、旨みを撒き散らしながらとけゆく。
サルサヴェルデや、シチリア特有のケイパーのソースがいいアクセント。
■氷上牛
モモ肉のタリアータは、しっとり感この上なく
マルサラソースの優しいコクが絡む。
焼きトウモロコシは夏の香り。忍ばせたジャガイモのピュアな甘みにも驚いた。
■ボンゴレビアンコ
あえて〆にこの潔さ。好きだ。
三重産アサリのエキス感、その優しい旨みがじんわりと心に響く。
■イチゴ ミルク
できたてジェラートに、小野市で採蜜された、百花蜂蜜をたら〜りと。
エアリーなジェラートは甘さ控えめ。ミルクの濃厚な味がする。
蜂蜜のコクのある味わいが、優しく絡むのでした。
シチリアの本質を感じつつ、洗練された料理の数々に、
あの島の紺碧の海を、そして楽しかったシチリアでの暮らしを思い出した。
私も10代の頃、シチリアに数ヶ月、居候していたから。(シラクーサとカターニア)
「深海をイメージした」とシェフが話す、ほの暗いフロアで
味わいが記憶を呼び起こす…そんな心地よい感覚に浸ったのでした。
次はディナーに、音好きと一緒に行こうと思う。
「シチリア料理 ヴァカンツァ」
神戸市中央区山本通2-6-11
078・222・0949(要予約)
open :12:00〜13:00LO、17:30〜20:00LO
close:火曜、第2水曜
Brian Eno - Always Returning