金沢「小松弥助」へ。
この店の数十年のご常連・松本隆さんと、いつもの皆さん(いつメン)と。
目の前には、大将・森田一夫さんのお姿が…。
静かに胸踊るひととき。
■マグロづけ
艶やかなづけの旨みに、
このわたが放つ、磯の香りのハーモニー。
■蒸し鮑
地物の鮑は、ふっくら感この上ない。
じんわり響くだしの旨みに心が洗われる。
ここらで「天狗舞(石川・車多酒造)山廃純米大吟醸」という至福のとき。
■イカ
イカは三枚におろし細切りに。
掌でふぁっと弾み、口中で優しく踊る。
イカはねっとりと舌触りが心地よく、塩でその甘みがさらに増す。
胡麻の香ばしさもいい。
■泉州 水茄子
甘く、瑞々しい。
■炙りトロ
仄かに香ばしいトロ。シャリと抱き合い、ほどけて消えた。
■甘海老
かさ高く、ぷっくり肉厚!
福井小浜出身の私とっては、この濃密な甘みが懐かしい。
■甘鯛
皮目を一瞬炙って。いい脂の甘みが、シャリと溶け合う。
■煮蛤
ブリンと肉厚の蛤に、濃厚な煮ツメが絡む。
■白山
バカラクリスタルの器には、
シャリ、とろろ(長芋)、マグロの赤身、雲丹。
天狗舞が優しく寄り添う。
■穴子
塩と酢橘でさっぱりと。
ファっと舌の上で踊り、シャリとともにほろほろっと。
そして清々しい余韻。
■鰻と胡瓜の巻物
アッツアツの鰻、その温さで海苔の味わいも香りもぐっと増す。
胡瓜の小気味良い食感とのコントラストも最高。
左隣はこの方♪「お好み たまちゃん」のたまちゃん!
公私ともにお世話になっています。
そして大将の決めポーズ。そのパワーをがっちり共有させていただく。
■甘鯛のお吸い物
甘鯛の深い旨みがじんわりと。
コースはこれにて終了、追加であれこれいただく。
■鰻のしっぽの「鰻きゅう」
香ばしさが堪んない。
■サーフィン
三枚おろしのイカに、雲丹をのせ、塩をハラリ。
際立つ甘みの競演。
■贅沢巻き
鮑、マグロ、長芋、胡瓜。
味わいの広がり楽しく、食べるほどにお腹が空く。
■ネギトロ
タン・タン・タン…と目の前で、トロと白髪ねぎを包丁で叩いて。耳障りがいいリズムで飲めるわ。
その巻物は、溢れんばかりのトロが占拠。
ネギの食感、鮮烈な山葵や海苔の香ばしさと美しく調和を奏でた。
名残惜しいがこれにて終了。ありがとうございました。
大将・森田さんが握るすしは、
舌の上でふわっと踊り、ネタとシャリとが心地よくほどける。そこには
美味しさはもちろん、幸せのオーラが、閉じ込められている。
大将ならではの掌(手の心)に、心も胃袋もぎゅっと掴まれるのです。
森田さんは91歳を迎えられ、さらに若返られたような印象。
その不思議なパワー、そして
朗らかな女将さんのオーラにも刺激をいただきました。
森田さん、そして松本さん、本当にありがとうございました。
「小松弥助」
金沢市本町2-17-21 金沢茶屋別館1F
076-231-1001
open :11:30~13:00、13:00~14:30、14:30~16:00の完全予約
close:水・木曜
※森田大将ご不在の日もあり