祇園祭で浮き立つ街を背に、北白川へ。
この日、「Farmoon」で
名作詞家・松本隆さんの誕生会が開かれた。
ウェルカムドリンクはプラムとカルダモンの炭酸水割り。
うだる暑さで火照ったカラダ、クールダウン。
これから始まる、船越雅代シェフの世界に、どっぷり浸かることにしよう。
■瓜水
ズッキーニの水(ローストして出た液体)とトマトの氷。
夏が香るエキス。
■敦賀の真サバ 黒酢〆 大原の緑茄子
出す直前、藁焼きにしたサバは、香り良く
まろやかな旨みを感じさせる塩梅に、ホッとする。
緑茄子を合わせるとちょっと異国のニュアンスに。
ローヌの泡に続き、トスカーナのヴェルメンティーノ100
「Toscana Bianco Matis 2020/La Cerreta」と一緒に。
■敦賀のバイ貝 大原のシャドークイーン
バイ貝はぷっくり、その旨みにニンマリ。
紫ジャガイモは、ホクホクねっとり。すっきりとした甘さが印象的。
紫蘇オイルや枝豆、黒豆と。夏味、満載。
「Ponte di Toi 2017/Stephano Legnani」
fromリグーリア。ヴェルメンティーノ100のオレンジ。
とろりとした舌触りで、果実味がじんわりと。
オレンジピールのような苦味も心地いい。
スペル小麦とライ麦、全粒粉を用いたフラットブレッド。
しみじみ味わい深いのです。
■岩手 短角牛リブロース
闘牛として育てられたのだが、穏やかな性格で闘牛になれず。
だけど種牛にもなれなかった短角牛。
そのリブロースは、しっかりと味はあるが、舌には残らないすっきり感。
パプリカとズッキーニが清々しく香る。
ドイツのシュペートブルグンダーは、まぁるい穏やかな心地になる。
「Spatburgunder 2020/Okologisches Weingut Schmitt」
■黄色ビーツ 一休寺納豆
日も暮れすっかりいいトーンに。
ビーツのジューシーさ、まったりとした深い甘みに、こちらが溶けてしまいそう。
卵の黄身と出汁からなるクリーミーなソースのコク、
伝統的な発酵食品・一休寺納豆の、塩・酸・熟成感というハーモナイズ。
ペアリングは紹興酒!
すると一休寺納豆がぐっと、豆豉のような表情に。そして味わいに膨らみが生まれた。
■夏野菜とあさりのパエリア
シンプルだからこそ心に響く、味わいの陰影。
ずーっと食べ続けていたかった。
その後、まだまだ続くサプライズ。
追って紹介させていただくことにしよう。
「雅代ちゃんはね、天才なんだよ」と、いつも松本さんは、
船越シェフについてのエピソードをいっぱい話してくださる。
作り手の顔がみえる近郊の食材を中心としながら、
国も時代も超えた、船越シェフのクリエーション。
その凄さを、ここ「Farmoon」で体感させていただく、かけがえのないひととき。
松本さん、改めましておめでとうございます♪
「Farmoon」
京都市左京区北白川東久保田町9
Tel:なし
夜は紹介制のプライベートレストランとして営業