大阪・池田市に本店がある「野乃鳥」へ。
カウンター7席、1日1組限定の焼き鳥店。
オーガナイザーは、奈良にある蕎麦の名店「玄」の店主・島﨑さん。
島﨑さん、松本隆さん、山岡さん、大垣センセ、ひらパーさん、
いつも本当にありがとうございます。
そういえば、島﨑さんのお店に伺ったのは、ちょうど8年前。
お久しぶりにお会いできて本当に嬉しかったです。
ビールで喉を潤し…
■前菜「焼き茄子と夏野菜のジュレ仕立て」
焼き茄子や甘長唐辛子と共に。
「播州百日どり」からひいたスープが主体のジュレは、清々しい旨みを放ち、
レモンの香り、心地よく。
■造り盛合せ
「
播州百日どり」の雌のササミは、甘いね。そして、ズリは歯応えよく
肝は白肝を彷彿とさせる、濃厚かつクリアな甘み。
ここで地の酒を。「秋鹿 大辛口 純米吟醸 無濾過生原酒」
至福以外の何物でもない。
香川「かめびし醤油」のソイ・ソルト(粉末醤油)とともに。
ひょうご味どりの質朴な旨みが、押し寄せるのです。
店主の野網厚詞さん。
東西に複数、鶏料理店を構える、代表取締役社長でありながら休日返上で現場に立つ。
「鳥、まるごと。」をテーマに掲げ、
生産者支援をはじめ、農業高校と連携して「地鶏復活プロジェクト」を行うなど、
あらゆる活動を行なう。
そんな野網さんの「鳥、愛。」は、計り知れないものがあるのです。
焼き鳥へと続きます。
■ささみ
播州百日どり。しっとり感、この上ない。梅肉の塩梅もいいね。
■ねぎま
ひょうご味どり。ジューシー。
肉の旨みを感じながらも、ふわりっと消えるような質感に驚く。
ハイボールは「サントリー ROYAL」で。
遠火の炭火で、じっくり炙った皮。この香ばしさ、堪らん。
■つくね
はらりホロリ、ほどけて清々しい旨みを撒き散らす。
ピリリとした辛味とまぁるい酸味がすこぶる合う。
「生姜の甘酢・醤油漬け」をお口直しに、と思いながら
ハイボールがとめどなく進む。
■手羽中
旨みはぐっと、強く深く。
■肝
クランベリーの甘酸っぱさを生かした
ホワイトバルサミコソースと共に。
肝の深いコクとすこぶる合うな。
■せせり タレ
タスマニアのマスタード、ヒル・ファーム
このマスタードは、我が家の定番でもある。
せせりの脂の甘み、タレの清々しいコクをキリッとまとめあげていた。
■リンパ
めっちゃ希少部位。リンパとは、胸腺。仔牛でいうリードヴォーのことやね。
一口噛めば、プリンッと弾け、澄んだ旨みが口中を占拠する。
■鶏すき焼き
背肝、モモ、夏野菜を、播州地卵の卵黄とともに。
煮汁をパンに吸わせて味わうという至福。
そらビールにリターンになる。プレミアムモルツの香るエールの
軽やかな余韻がピタリ。播州地卵、なんてコクが深いの。
■トウモロコシご飯
香り高く、甘い。
鶏スープの滋味とともに。
■播州地卵と和三盆のクレーム・ブリュレ
コク深く、サラリとした甘みが印象的。これは別腹でした。
全ての料理、サービスを一人でこなす野網さん。
いつも各地を飛び回り忙しくされている社長さんでいらっしゃるけれど
この日は、焼鳥職人としての矜持を感じました。
いつもの皆さまとの美味しく、笑いのたえないひととき。ありがとうございました。
「野乃鳥 本店」
大阪府池田市栄町4-4 ウイスパービル1F
072-752-5189
完全予約制(1日1組のみ。5名以上)
Hideo Shiraki (1959)