【Singapore Fomula1 GP 2022】
F-1・シンガポールの現場で、朝から深夜までどっぷり。
バックヤードでのシェフ密着取材、さらには
日本代表、高木一雄シェフ率いる『京料理たか木』のチームに
ジョインさせて頂きました。
ということで
「F1シンガポール・グランプリ」舞台裏のレポです。
もちろん「食」の。笑
レストランがある場所は、コックピットのはす向かい。
1階にはフランス代表・Chef Stephane Buron(ステファン・ビュロン氏)率いる
(ル・シャビシュー・クールシュヴェル ステファン・ビュロン)
憧れのスキーリゾート地「クールシュヴェル」にある、
老舗ホテル「ル・シャビシュー」の名シェフ・ステファンが目の前に!
「全力を尽くすのみだよ」と、余裕の眼差し。
(フロッグ・バイ・アダム・ハンドリング)
戦場のような厨房。連日、お忙しそうだったのでプライベート撮影はナシ。
その上階(2階)全290席にも及ぶフロアを
『京料理たか木』高木シェフが仕切る。
世界中のVIPが集う、このレストランを任命されるシェフは1度きり、らしいのだが
高木シェフは2回連続、しかも席数倍増というパワーアップしたフロアで指揮を執る。
とんでもないスケールの、3日間限定レストランが幕を開けたのです。

マリーナベイ・サンズと、F1マシンの疾走を間近に臨むロケーション。
チーム・高木の舞台裏。
この後、調理場は戦場になるのだが…
阿吽の呼吸が素敵でした。
高木シェフは、流暢な英語を持ってサービス・スタッフと綿密に打合せ。
この後、世界各国から訪れるVIP客のために、
アラカルト6品(各300〜500食/1日です)を、ぶっ続けで供するという。
まずは日本代表
「京料理 たか木」の初日のメニューを紹介しましょう。
【Singapore Fomula1 GP 2022 Menu day1】
1)Appetizer【前菜】
Koji Scallop Yuzu jelly
Egg Yuzu sauce
Micro leaves
塩麹に漬けたホタテ貝柱、柚子のジュレと黄身酢
マイクロリーフ、紅芯大根の甘酢漬け
フランス産のホタテは肉厚。塩麹の旨みと、ホタテの甘みが重なり合い、
黄身酢と柚子のジュレの、酸味と爽やかさという見事なバランス。
2)Second Appetizer 【前菜2】
Lobster Japanese Edamame puree
Caviar, Siso flower
ロブスター 枝豆のピュレ、ギャヴィア、穂紫蘇
見るからに、シャンパーニュを欲する構成。
ロブスターの深い味わいに、キャヴィアという最強のタッグに
ピュレの質朴な甘みが寄り添う。
3)Cold Soup【冷製スープ】
Egg tofu Dashi jelly
Cucumber,Shimeji,Myoga,Sea urchin eggs
玉子豆腐 胡瓜 シメジ 茗荷と出汁のジュレ、雲丹添え
忍ばせた玉子豆腐は艶やか。ジュレを賑わす野菜は、異なる食感心地よく
「たか木」ならではのだしが香る清新な一皿でした。
そのだしが、凄い。道南産の真昆布、
さらには枕崎のカツオ節製造『⾦七商店』が、
「たか木」のためだけに作る“マグロ本枯節”が味の要。
4)Main 1【メイン料理1】
Umami Foie Gras
Dry shitake Narazuke (Japan traditional pickled)
うま味フォアグラ 干し椎茸 奈良漬
高木シェフならではのだしの仕掛けが凄かった
和洋の素材を自在に扱いながらのグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸の三重奏。
真昆布やマグロ本枯節はもちろん、牛肉、フォアグラ、
トマトなど野菜etc…を巧みに用いた
高木シェフの「だし」使いについては、追って紹介するとしましょう。
5)Main2 【メイン料理2】
Salmon Isobe Age(Salmon tempra with seaweed)
Lime, red shiso leaf
サーモン磯辺揚げ ライム 赤紫蘇の葉
サーモンにも、ひと仕事。脂のりは程よく、しっとりとしたテクスチャーに
海苔が放つ磯の香りの妙味。
6)Main3 【メイン料理3】
Wagyu beef Tomato Sukiyaki
King oyster mushroom, onion salad mix
和牛のトマトすき焼き エリンギ 玉ネギ ベビーリーフ
割り下ではなく、トマトのエキスをソースに仕立てて。着地点は和のニュアンス。
海外での経験が豊富な高木シェフならではのクリエーション、続々と。
以上、「たか木」の初日のお料理を紹介させていただいたが、
2日目、3日目はまた違うメニューって、驚きを隠せない。
聞けば、9/30~10/2の3日間で10,000食がSold Out!
高木シェフ、そして主要メンバー8名で(もちろん現地のスタッフも)
ミッション・コンプリート!
厨房を行ったり来たりしての取材・撮影、
さらには仕込み、デシャップ業務もちゃっかり担当させていただきました。
戦場のような厨房でどっぷり過ごしたことは
本当に貴重な、濃ゆすぎる時間でした。
体力には自信あったけど、まだいけるな(過信)笑
編集者やライターは、たいがい
レストランのアイドルタイム、
厨房に入らせていただいてのシェフ取材&撮影が多い。
だけど
リアルな時間が流れる調理場には、全く違う世界が存在している。
飲食関係者にとっては当たり前のことだけれど、
料理人さんたちの仕事の凄さを、身に沁みて感じさせていただいた1週間。
Chef Stephane Buronと、高木シェフ。ありがとうございました!
いつか、お二人のsessionも見てみたい…。
それでは、エキサイティングな後編へと続く…。
〜京料理 たか木〜
〜ル・シャビシュー・クールシュヴェル ステファン・ビュロン〜
(フロッグ・バイ・アダム・ハンドリング)