天王寺からチン電(路面電車)に揺られて、姫松へ。
昭和にタイムトリップしたような懐かしさが込み上げる。
目的地は、帝塚山「POIRE ポアール」
言わずと知れた、大阪が誇る名パティスリーだ。
入り口すぐの目につく場所には、「はっぴいえんど」のレコード・ジャケットに
松本隆さんのサイン。思わず、松本さんに連絡を入れました。笑
食の感度が高い方々への大阪土産に欠かせないのが
「POIRE ポアール」ならではのスイーツの数々です。
お買い物に立ち寄ったこの日、
11月の新作メニュー(イートイン)があることを知る。
しかもお酒好き、スイーツ好きの私にとって堪らない組合せ…
即、テーブル席へ。
フロマージュ(チーズ)を用いたスペシャリテのスイーツと、
フランス産ワインの至福だ。
■オッソイラティ(OSSAU-IRATY AOP iSTARA)
美しいフォルムのバスクチーズケーキ。
バスク地方原産、羊乳のセミハードチーズ「オッソイラティ」を贅沢に使用。
北海道産のクリームチーズとの組み合わせは、
濃厚かつ滑らかなテクスチャー。甘すぎないので、爽やかな印象も。
そして、下のほうにサイコロ状のオッソイラティを忍ばせていて、
その塩気と風味がめちゃいいアクセント。
だから、ワインが飲みたくなるのです。
■ロックフォール AOP ガブリエル・クレ
(ROQUEFORT AOP GABRIEL COULET)
ロックフォール(青カビチーズ)の気品。何というか、
濃厚でコクのある羊乳に、力強い塩味とシャープな青カビの香りが渾然に。
このチーズケーキも、甘さは控えめ。かつ、
ラム酒(ディロン トレ ビュー ラム<V.S.O.P.>)に漬け込んだレーズンにより
ぐっとリッチかつ大人テイスト。濃さが違う。
「グラス一杯の幸せワイン」と言いながら…、これは二杯いただかないと…。
白ワインは「ソーテルヌ / シャトー・ダルシュ」
(Sauternes /Château d'Arche)
貴腐ワインの産地・ソーテルヌは、「ロックフォール」の産地にも近い。
ロックフォールのチーズケーキが放つ、羊乳由来の独特の深みのある風味、
しっかりとした塩味やほんのりとした苦味に、
黄金がかったワインの蜜のような甘み、爽やかな後味が、美しく調和する。
赤ワインは
「シャトー・モンテュス/ドメーヌ・アラン・ブリュモン
(Chateaux Montus/Domaine Alain Brumont)
フランス・バスクで生まれる赤ワインを、
オッソイラティ(バスクチーズケーキ)と共に。
しっかりめのタンニン、カシスを凝縮させたようなワインの果実味が、
オッソイラティの濃厚でいて爽やかな後味と、とめどなく合うのです。
ワインのスタイリッシュな瓶もステキ。
そして、撮影することも忘れて
2種のチーズケーキと、2種のワインが行ったり来たり。
産地が隣り合わせの、極みのチーズケーキとワイン。
考え抜かれたペアリング、その妙味に、酔いしれました。
チーズケーキ好き&ワイン好きの皆さんと、この感動を、分かち合いたいです。
「POIRE ポアール」