最寄駅は、山手線・大塚駅。
ベトナムの食料品店やレストラン、韓国料理の看板が連なる
路地の雑居ビル2階にその店はあった。
「NELLA NOTTE BLU(ネラノッテブル)」
かつて北参道にあった南イタリア料理専門「チェラ ウナ ボルタ」。
予約開始時間の1秒間に400軒のメールが届くという
幻のようなイタリアンレストラン。
店主・熊澤翼シェフは「イタリアへ修業にいきたい」と店をクローズ。
まるで絶頂期に解散したBOØWYのような幕引き。
しかし、イタリアに渡る春までの数ヶ月間限定で
大塚に「ネラノッテブル」を開く。2023/1/10open
幸運にも、予約が取れたご常連・貸切の会に参加させていただいた。
FPM田中知之さんのお姿も。
いつもありがとうございます!
サルディーニャの泡で乾杯!
「SELLA&MOSCA Alghero Torbato Spumante Brut」
内装もツールも全てがシェフの手製。
テーブルの斜めな感じ、味がある。
超でかい黒板メニューには、聞き慣れない南イタリア郷土の味がズラリ。
前菜15種のなかから計8品と
パスタ8種&メイン4種のなかから計3品、
ドルチェから1種を選ぶ、プリフィックス・スタイル。
貸切メンバー1品ずつ、食べたい料理を選びながらコースを組み立てていく。
黒板メニューが絶好のアテ。眺めながら悩みながら、大好きな白を呑む至福。
「Bianco Puglia Bombino 2020/ Ca 」
前菜の深みに、のっけからどっぷりハマる。
■ストラッチャテッラとブッチェラート
(Stracciatella e Buccellato)
ドライフルーツを巻いた生地の上には、
トロットロのストラッチャテッラチーズ。
清らかでいて甘い。その余韻にニンマリ…のっけから溺れる。
■自家製フレッシュチーズと金柑
(Ricotta)
はぁ…フレッシュチーズのコクと爽やかさに溜息。
金柑の甘みだけでなく、種の苦みとの堪らんハーモニー。
■アフェッタートミスト
(Affettato Misto)
生ハム、サラミの薄切り盛合せという名のそれは、めっちゃ厚切りでした。
ペスキオーレ(小桃の酢漬)や塩漬けオリーブ
プーリアの堅焼きパンの・タラッリと共に。
飲みのピッチが加速。
プーリアのロザート「Oltreme Rosato Tenute Rubino」が活きる。
■カクテル ディ ガンべリ
(Cocktail di Gamberi)
ひゃー。シチリアの郷愁。海老のカクテル。
熊澤シェフは、マヨを使わない。
マスカルポーネにトマトペースト、牛乳、卵黄やエビのエキスを加えて
ふうわり爽やか軽やかなオーロラソースに。
シンプルだけれどじつに手の込んだ一品(全てがそうだ)
■野菜マリネ(茄子、人参、南瓜、カルドンチェリ)
そのどれもが沁み入る味わいなのです。
人参マリネは、マルサラ酒の甘やかさを生かしつつレーズンがいいアクセント。
カボチャはローズマリーの香りをいかしたマリネに。甘く芳しく。
カルドンチェッリとは、プーリア州やバジリカータ州あたりの特産キノコ。
味わい濃厚、レモンマリネで清々しい。
茄子はフェンネルで和えている。はぁ、ずっと食べ続けていたい。
シェフ曰く「どうしても食べて頂きたかったメニューがこの野菜マリネ。
手間かかるわりには、陽の目を浴びないことが多くて」。
TK1さんGood Jobでした♪
「BELL'ASSAI Vittoria DOC Frappato Sicilia/DONNAFUGATA」
いい意味でシチリアのイメージを裏切る、爽やかさ。
■フラスカトゥーラ
(FRASCATOLA)
南イタリア、主にカラブリアやシチリアの古典派。
ブロッコリーとセモリナ粉、フィノッキオ セルバチコ(野生フェンネル)からなる。
そのお粥のような滋味は、水と塩だけとは思えない深い味わい。
あー飲んで続けていたい。
■チャレッダ マテラーナ
(Callda Materana)
かたくなったパン、ブロッコリー、ほうれん草やトマトを
クッタクタに煮込んで、ポーチドエッグをオン。
まさにパンが主人公!これはもうねずっと食べ続けていたい。
ペコリーノチーズと塩のみの味付けとは思えない深みにはまる。
■牛トリッパとカルドンチェッリ
(Trippa e Cardoncelli)
孤高の煮込みだ。トリッパはちゃんとクセがあり、
カルドンチェッリのしぶとい旨みと絡み合う。
プーリアの田舎町をはじめ、南イタリアの各地域で、
繰り返し繰り返しつくる中で生まれた、毎日食べても飽きない味。
いやー、もう前半戦で心を鷲掴みにされた。
まだアンティパストという、至福。
後編へ続く。
「NELLA NOTTE BLU」