大阪・北新地
浅井努シェフ率いる「トムクリオーザ」が、
同エリアで、2023/3/1 移転オープン!
浅井シェフ、改めておめでとうございます!
一枚板のカウンターは全9席。いやはや壮観。中央には薪と炭の焼き台が
左脇にはイタリア製ハムスライサーの最高峰
Berkel(ベルケル)の真っ赤な機器が鎮座する。
この日は「NAOTO会」という名の
あのNAOTOさん、こちらのNAOTOさんたちとの定例会。
いつもお世話になりありがとうございます!
お料理はおまかせ一本。ペアリングもお願いしました。
Ferrari Maximum Magnumで乾杯!
マグナムって聞いたものだからクイクイいってしまうやないの。笑
■馬肉タルタル キャヴィア ピアディーナ
薪の熾火で焼き上げたピアディーナで、くるっと巻いて。
キャヴィアのリッチな塩味が、馬肉の甘みを際立たせる。
炭と薪火で熱を通した「白ミル貝」は、
シチリア西部にルーツを持つ「ペスト・アッラ・トラパネーゼ」と共に。
白ミル貝の甘み、濃厚!
トマトやパプリカ、アーモンドなどを摺り潰したトラパネーゼは
爽やかなシチリアの香りを漂わせていた。
■とらふぐ白子 筍 フラン
ふるふる。白子はとんろり。筍や菜花の風味が春を運ぶ。
そして、クリアな旨みに癒される。
この「冷製パスタ」には唸った……!
ディンケル小麦(古代小麦)からなるパスタに、
オマール海老を合わせた「トムヤムクン風」(!!)
海老の濃密な旨みに、パラペーニョの程よい辛みやパクチーの香りがほんのり。
咀嚼するほとに、トマトのエキスが押し寄せ、しっかりイタリアンに着地。
浅井シェフの発想、そして按配がもう絶妙だった。
スロベニアのオレンジワイン(ピノ・グリ)「KLINEC GARDELIN」と共に。
ローズヒップのような香りがする。豊かな酸味が、パスタにピタッと寄り添ってくれた。
高級スライサー「Berkel」の出番です。
目眩く…って言葉がぴったり。
スライスしたて「BON DABON」多田さんのペルシュウが目の前に。
何切れいただけるんだろう…て想像していたら
一人一皿という至福…。吐息も笑みもこぼれますわ。
ペルシュウは24ヶ月熟成。「水分がすごく多い」そうで、
極薄スライスが叶うのも、「Berkel」と浅井シェフの技の賜物です。
天女の羽衣のようなファッファなペルシュウ。口に含めば、淡雪のように蕩け
優しく甘い旨みがじんわりと広がる。
箸でつまむとぷるんぷるん。頬張ればむっちり。
水牛ミルクの清々しく甘い香りに包まれた。
厚みのある野生ルッコラもいい仕事をしていた。
途中の演出がまた楽しく
熱々の一口ご飯にペルシュウやなんて…気絶しそうな美味しさ。
サルディーニャのロゼ「È Isola dei Nuraghi」にも痺れた。
■鰆 サザエ 山菜 クレソン 行者ニンニク
薪火で仕上げたサワラは、皮目香ばしく、断面はこの艶やかさ!
クレソンの軸や蕗の薹は、行者ニンニクとソースに。
サザエの肝のほろ苦さも心地いい。
日本ならではの春の香りが口中を占拠。
ここに「新政 No.6 X-type」を合わせてくれるもんだから。お見事。
■茸のラヴィオリ
モリーユ茸や、ホックホクの空豆、
ぷっくりと肥えたホタルイカ、名残の黒トリュフとともに。
アンチョビとマスカルポーネをはじめ
クロテッドクリームやパルミジャーノ・レッジャーノからなる
コクの深いソースはめっちゃ熱々、ゆえにトリュフの高貴な香りがふわっと。
ラヴィオリのしみじみとした旨みに癒された。
私は赤は飲まず、白で通すことに。
「Rolona Gavi Del Comune Di Gavi」Castellari Bergaglio
バランスのとれたGavi。飲み心地の良さが堪らない。
■鳩
薪焼きの鳩ムネ肉、骨つきモモ肉を
ホワイトアスパラガス ピサンリ(食用タンポポ)やラディッキオと共に。
ぷりぷり。繊細な身質。ソースの滋味と優しく響きあうのです。
〆はキタッラをシンプルなトマトソースで。ここ琴線に触れるねぇ。
麺は30g、60g、90gからチョイス。
こちらはお隣さんの90g。
私は飲み優先につき30gと軽めで。
トマトソースは深い旨みだけでなく、酸味もきっちり生かしている。
噛むほどに、感動が押し寄せる、シンプルの中の極。
イタリアの定番をアップデートし続ける、とさえ感じる最高のフィナーレだった。
ドルチェは「ピスタチオのパンナコッタ」と
目の前で作りたて「古都華(イチゴ)のジェラート」
そして食後酒を。
日本の四季を映す皿あり、
遊び心を感じさせながらしっかりイタリアに着地する技あり。
さらに、しみじみ旨いと感じさせるイタリアの定番をアップデートさせた皿あり。
その起伏に富んだコース展開に、いい意味で驚いた。
「クリオーザ」という意味にもあるように、
浅井シェフならではの探究心、そしてクリエーションとチャレンジを
ひしひしと感じさせる、エキサイティングな夜でした。
間髪開けずしておじゃましたいな。
浅井シェフ、スタッフの皆さんありがとうございました。
ご一緒させていただいた皆様にも感謝申し上げます。
「トムクリオーザ」