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西麻布から淡路島へ。「すし 藤森」の新天地

淡路島・釜口

東浦インターを降りてイーストコーストを南下すること約15分
2023年2月、西麻布からこの地へ移転した「すし 藤森」へ。
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幾層にもご縁が重なり、念願の訪問が叶った。
藤森康博さん、女将・のり子さん。改めて御開店おめでとうございます。

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まず内装に見惚れる。
主人を囲むよう、微妙に角度がついた白木のカウンター席。
土壁を手がけたのは、淡路島出身の左官職人・久住直樹さん。
まさかここで久住さん作品に出会えるとは…
久住さんと親交の深いメンバーの皆さんと共にボルテージmax。
その土壁は、波の表情なのか、夕暮れの砂浜なのか…
島のダイナミックな風景を切り取ったかのような臨場感。



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ルイナールで乾杯。この芳醇な香り、堪んない。


おまかせは、まず最初に
鮪の握りを供するのが、藤森さんの流儀。
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この日は塩釜揚がりの本鮪。
酸味を利かせた温シャリに、融点が低い鮪の脂が絡み、豊潤な旨みが花開く。
どこまでも芳しくて、優しく消えた。



■真鯛
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店の近くにある仮屋漁港で揚がった真鯛。
皮目だけを炭火で炙った、燻しの香り心地よく
旨みがねっとりと絡みつく。


■イカナゴと菜の花
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イカナゴはふっくら、菜の花の素材感もくっきり。
島の山海の恵みを取り合わせた、今だけの味。


■トリ貝
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酸味と塩味をくっきりと感じる温シャリにより
トリ貝のピュアな甘みが際立ち、清々しさが鼻腔に抜ける。




■サヨリ
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腹黒いサヨリの、高貴なオーラにうっとりする。
温度低めのシャリが、ピンッと張り良いサヨリの
清らかな味わいを引き立たせている。

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「洌 純米大吟醸」と共に(山形・小嶋総本店)


目の前では、藤森さんがにぎり、
女将・のり子さんがテンポよく一品料理の仕上げを行なっている。
聞けば女将は『かんだ』出身。なるほど…と頷く品が続く。

そして女将は徳島出身ゆえ、
地元に近い淡路島への移転を決めた、という。



■若竹煮
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若芽をだしで湯がくところから。鮮やかでいて素材感くっきり、
何も足さない、何も引かない、じつに端正な味。



■伝助穴子
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炭火で炙った伝助は、熱すぎずの温さが見事。
ぷっくりとした身を頬張る。脂の甘みの余韻がなんて深いんだ。



■淡路島サクラマス
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地元が誇る「淡路島サクラマス」の旬は3~5月。
その身に塩を施し、桜の葉を重ね合わせて香りづけ。
やさしい春の香りと、サラリとした脂の旨みが、赤シャリと渾然に。


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ここらでアンリ・ジローが登場。
「HENRI GIRAUD ESPRIT NATURE」
樽の優しい香りと、なめらかな泡立ちに癒される。


■ミミイカ
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明石揚がり、ミッキーマウスのような風貌のミミイカを
生でにぎりっていうのは初めてかもしれない。
味わい、濃厚。生姜醤油がよく合っていた。




■甘鯛
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断面のグラデーション美しく、その濃密な旨みに杯が進む。




■赤貝 白ミル貝
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赤貝は徳島より。噛むほどに甘みがじわじわ押し寄せる。
明石浦の白ミル貝は、シャクッ。清々しい香りを撒き散らす。



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そして、あのにぎりへと…

■車海老
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二尾重ねの海老も、藤森流。
湯がきたてを一呼吸置いた頃合いゆえ、甘みが強い。
酸味くっきりのシャリが、一層、甘みを助長させる。



■雲丹
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青森より。
口の中で蕩け、旨みを放ち
酸味強めのシャリと相まって消えた。



■大根 ふきのとう味噌
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地元で採れた大根とふきのとう。
女将手製のふきのとう味噌は、赤味噌ベースのコク深い甘さ。
しみじみ旨い。



■バチコ
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南あわじにある海参加工卸問屋の老舗「品川水産」より。
ハリ、ツヤ、サイズもそう。明らかにオーラが違う。
雑味が一切なく、噛むほどにふくよかな旨みが押し寄せる。



■ヅケ
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温度高めのシャリのインパクトがすごい。
鮪の旨みと香りのスケールをぐっと広げた。


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藤森さんと、女将・のり子さんの阿吽の呼吸も目を楽しませ、
かつリラックスできる空気感が気持ちいい。



■穴子
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地元・仮屋揚がり。
重厚な煮ツメとシャリの赤酢が出合い
コクが深まり、儚くとろけた。



■茶碗蒸し
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ふるふるをもっと柔らかくさせた繊細な質感で、
だしの旨みが心に沁み入るわぁ。
梅肉のあんで清新な後味。


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「トロたく」と「たい焼き玉子」にニンマリしながらも、あぁ名残惜しい。
もう一巡したいとさえ感じる、ハッピーエンド。
汁物とともに。



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「和三盆の黒蜜ときび糖アイス」で〆。

明けるのが惜しい、すばらしい夜でした。


酒肴と握りを1〜2品ずつ交互に出すコースの組み立ては、その抑揚も間合いも絶妙。
藤森さんによるにぎりは、江戸前の仕事に
淡路前、ときには明石のまえもんを織り交ぜた独創性を感じ、
のり子さんが担当する一品料理には、
名店仕込みの技と、淡路島の山海の素材らしさが見事に融合。
江戸前と淡路前、藤森夫妻のセッションが、たちまち食べ手を引き込む。

初夏にまた伺おうと心に決めた。
ご一緒させていただいたTKさん、皆さん、
ご紹介いただいた志賀さん、藤森夫妻、本当にありがとうございました。
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「すし 藤森」
兵庫県淡路市釜口1281-7
tel:090-4541-4359
open:1800〜
close:不定休
https://www.instagram.com/sushifujimori/





by writer-kaorin | 2023-04-07 07:30 | すし 藤森 | Comments(0)  

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