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「とんかつ乃ぐち」の凄み

大阪・中津
路地裏の路地奥にある、豚カツ専門店「とんかつ乃ぐち」で昼餉。
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豚カツを突き詰める
哲学も技も群を抜く変態料理人・野口典朗さんが営む店。
ほぼ毎日、豚食の私にとっての聖地と言いたくなる一軒。

予約は毎月1日0時に、翌月分の予約枠を開放。
(詳しくはHPやInstagramで)
幸運にも貴重な一席にありつくことができた。Mr.Hくんに感謝!




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目眩く世界へやってきた…と興奮気味のテンションをおさえつつ。
メニューはもちろん「乃ぐちのおまかせ定食」をオーダー。


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京都・西陣麦酒「白夜にレモンエール」をゴクリ。
スタイルはセッションウィート。芳しく飲みごたえは程よく、すっきりとした後味。
お昼にちょっとだけ…ってときに最高のビールやわコレ。


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店主・野口さんの一言一句が、ふ・ふ・深すぎる。
部位とその味わいに合わせて用いるパン粉は2種。
卵液のまとわせ方、パン粉のつむぎ方、揚げ油に、揚げの温度や時間…etc。
突き詰めることにゴールはない。そう感じさせてくれる、ザ・マニアック、大好きだ。
詳しくは追ってまたどこかでのメディアで。


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言うてる間に、一品目が登場。
「乃ぐち」の流儀に則り、揚げたてのそれと向き合おう。
・まずは何も付けない
・赤身の方から
・衣の両端を箸でつかんで
・1切れの半分かじる
・肉の香り、歯切れ、衣の状態、揚げ油のにおいを探る
・残り半分を口に入れて脂身、赤身、衣の調和を楽しむ
・2切目以降はお好みで



■三右衛門 フィレ(茨城・つくば)
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この初々しい断面…。
そっと歯を入れると、編みこむようにまとわせた衣はサク、ファッファッ。
清々しい香りがふんわりと漂う。
なんて軽やかでひつこくない仕上がりなんだ。
「肉汁で豚を揚げている状態です」と野口さん。
この肉質も味わいも、フィレそのものが気付かぬうちに加熱されている感。
のっけから孤高。



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■望来豚 ロース(北海道・石狩)
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なんてキメの細かい身質。ふわりと舌の上でほどけ、脂のコクを撒き散らす。
二口目は、豚ブイヨンと醤油の合わせ醤油で。コク深き味わいの二重奏。



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トスカーナ「Villa Pillo Cingalino」とともに。
イタリアン畑を歩んできた野口さんならではのチョイス、ナイス。
(メルロ65%&カベルネ・フラン35%)



■林SPF 肩ロース(千葉・香取)
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ぐっと噛みごたえがあり、繊維質はホロリとほぐれる感じ。
濃厚な味わいながら、余韻に広がる脂の軽さに驚いた。
二口目は、ゴマだれとともに。もっちりとした質感にタレの香ばしさ、唸る。



■京丹波ポーク ロース(京都・京丹波)
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なんてキメが細かいの。数回咀嚼するだけで、上品な味わいが響く。
クリスマス島の塩(我が家で愛用している塩の一つ)を軽く振り味わえば
より一層、脂の甘みを感じた。

あっ、おかわり自由のキャベツ、ご飯、赤だしがつくのだが、
豚カツに集中したいから、ご飯抜き、何ならキャベツもほんの少々で良い。



■TOKYO X リブロース(東京近郊、山梨)
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弾力ある脂身と、ジューシーな赤身のコントラストが最強。
濃ゆい旨み、その広がり方、はるかにK点超え。いや、全ての豚カツが…。笑




5種の部位をいただいた後にも、楽しみが待ち受けていた。

■醤油カツ丼 ミニ
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気品さえも感じる、三右衛門フィレに
削りたての鰹節(本枯節)と醤油の香ばしさが加わり、三つ葉が香る。
卵でとじない、ソースにつけない(福井でカツ丼といえばソースカツ丼だからね)
このカツ丼は、新感覚。
そんなセンセーショナルな出会いは、まだ続く。




■豚カツ茶漬け
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お茶漬け・・・!? これは大いにあり、と言うかクセになりそうな旨さ。
衣のザクザク感、ほろり柔らかな肉、
注ぎいれたお茶に、削りたての鰹節、昆布の塩味が交わる。
これはもうね、DNAに響く味わい。



ご一緒した「あまから手帖」江部編集長はカツカレーを注文。
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美しいは美味しいのです。

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ちょっと宣伝もしとこ。
今発売中の「あまから手帖」は「カレー」特集!
ぜひご覧ください。




目がテン、ではなく目がハートになる、
最高の豚カツ時間をありがとうございました。
店主・野口さんの豚カツ愛を聞けば聞くほど、もっと聞きたくなったので
1日の予約、頑張ってトライしてみようと思う。



「豚カツ乃ぐち」
大阪市北区中津3-14-2平家アパート102
open :11:00、12:00、13:00(1時間入替制)、18:00〜22:00閉店
close:月曜、不定休

※予約:毎月1日0時に翌月分の予約枠を開放




by writer-kaorin | 2023-06-11 10:32 | とんかつ乃ぐち | Comments(0)  

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