このティラノサウルス
実はチョコレートでできている!!!
神戸・新港地区でフェリシモが展開する
「felissimo chocolate museum」
〜フェリシモ チョコレート ミュージアム〜
世界のチョコレートやカカオに関する歴史や文化、
ファッションやアートとのつながりなどをフェリシモが収集・編集。
チョコレートの多様性・可能性を発信するミュージアムだ。
ここ「felissimo chocolate museum」で開かれている企画展が
「大好きをつなげる生き方 小山進展」~遊びの中の土/遊びの中の紙~
パティシエでありショコラティエの小山進シェフ(パティシエ エスコヤマ)が
とんでもない作品を生み出した。
なんと…チョコレートで作った恐竜10体が登場!
その企画展の名は
「大好きをつなげる生き方〜遊びの中の土〜」
小山シェフがこの展示会のために新たに制作した10体の恐竜
その一部をお見せしよう。
なにこれ!!!って驚きっぱなしの、この緻密さとリアルさと迫力!
独特の色の配合も秀逸すぎて、
これがチョコレートであるとは思えない。笑
小山シェフが話していたエピソードにジーンときた私。
ちょうど3年前。お客様から「デコレーションケーキの上に
ティラノサウルスのチョコレートを飾ってほしい」という注文が入ったそう。
「僕はパティシエでありショコラティエなのですが、
リアルに恐竜をチョコレートで造るという練習を一度もしたことがなかった」と
小山シェフは当時を振り返る。
「でもなぜか作れそうな気がした」とも。
お客様からの注文を受け
「チョコレートでティラノサウルスを造る」という壮大な挑戦。
小山シェフ曰く「恐竜を手がけるにあたり、
プロになってから身につけた、知識や技術は数点だけでした」。
例えばそれは、
チョコレートを撹拌する、ある瞬間だけ粘土のような状態になること。
さらにはチョコレートが溶け出す、あるいは固まり出す温度帯。
プロとして会得してきた技を持ち、
想像通りのティラノサウルスが完成したらしい。
ではなぜ、恐竜を造ることができたのか?
技術だけではない、幼少時代の経験がそこにはあったのだ。
「僕は小学生の頃から、恐竜図鑑や動物図鑑を見るのが大好きだった」と小山シェフ。
さらにお絵描きや粘土細工も大好きで、
毎日のように描いて、粘土作りをして遊んでいたそう。
つまり、小山シェフは子供の頃から
平面(2次元)から、立体(3次元)にするという発想を、
一心不乱に、遊びのなかで自分のモノにしていた。
そんな、子どものキラキラとした輝きを
もち続けている大人が、小山進なのだ。
恐竜好きはもちろん、
お子さんがいらっしゃる方に、ぜひ行っていただきたい企画展。
「子どもが好きなこと、得意な領域」を伸ばしてあげるための
大人側の“気づき”が、たくさんあると思う。
また、恐竜チョコレートの作品の傍には
小山シェフが土から作り上げたお面の展示も。
このモノづくりの背景も深いです。詳しくは会場で。
さらにはフォトグラファー石丸直人さんによる、
恐竜チョコレートを捉えた作品も展示中で、これがめちゃくちゃカッコいい。
会場では、3つの企画展を同時開催中。
1つ目は、先ほど紹介した恐竜チョコレートの展示などを筆頭に
(大好きをつなげる生き方~遊びの中の土〜)
2つ目は、小山シェフ自らが発案するパッケージの秘密に迫る
「大好きをつなげる生き方~遊びの中の紙~」。
あー大好きなジャケット、とも言いたくなる「THE BEST」
紙のパッケージ・デザインを通して小山氏の遊び心や創造性を体感できるはず。
そして
3つ目はアーティスト・石村嘉成さんによる展示会
「カカオの森に生きるいのち」も同時開催。
熱帯のカカオベルトに生息する生き物たちのアクリル画の展示も必見です。
この日は、おいしいお披露目会も開かれた。
フェリシモ社屋内にあるレストラン「Sincro(シンクロ)」で
小山シェフのおいしいクリエーションを体感。
左は「苺と台湾野菊」
苺のクーベルチュールに、台湾産・野菊の華やかさを添えて。
右は「クラフトコーラ」
クローブやシナモン、カルダモン、バニラの香りを加えたチョコレートと
グリオットチェリーのパート・ド・フリュイが層をなす。
フェリシモの自社醸造所「Fワイナリー」で醸したワインが登場し
チョコレートとのペアリングを堪能。
「苺と台湾野菊」には、
ロゼワイン「小山進氏シューズラベルf wineryNO.121ロゼ」を。
野菊の華やかさに、ロゼの酸味の余韻が、見事な相性を見せてくれる。
そして「クラフトコーラ」は、
「小山進氏チョコレート恐竜ラベルf wineryNO.120コンコード」と共に。
チョコが放つ絶妙なスパイス感、グリオットチェリーのキュッとくる甘酸っぱさに
赤ワインのチャーミングな香りが、これまた堪らなく合うのです。
チョコレートとワインの、まだ知らない可能性をもっと学びたくなった。
そして小山シェフといえば……実は「ラーメン」なのです。
麺は、粉選びや水の回し方をはじめ麺打ちするところから……。
さらには、鶏白湯スープを仕込むなど
ラーメンづくりもまた、プロフェッショナルの領域!
この日は、シェフが開発した“カカオラーメン”のお披露目も!
小山シェフがこよなく愛する、
名古屋「麺家 獅子丸」とコラボレーション。
小山シェフの味づくりを獅子丸のお二人が具現。
◆名古屋コーチンとポルチーニのカカオぱいたんらぁ麺
どこまでもクリーミーな白湯は、
名古屋コーチンでとったスープにポルチーニを合わせている。
トッピングは、愛知「知多ハッピーポーク」のレアチャーシューと
名古屋コーチンのもも肉を。
さらにこの麺が、唯一無二。
3種の小麦に、カカオハスク(カカオ豆の種皮)を練り込み、さらに3日寝かせたという。
麺を啜り咀嚼すれば、甘やかという言葉にも近い芳しさが第一印象。
そこにクリーミーな白湯の、清らかでいて深い旨みがじんわ〜りと広がりゆく。
カカオハスクの麺は、滑らかなテクスチャー。噛むほどに味わい深いのです。
さらに。ドライオレンジがいい仕事をしている!
ってか、ここにドライオレンジって、パティシエならではの発想。
噛むことで花開く柑橘の香りにより、麺とスープの新たな表情を垣間見た。
別添えには、
カカオ醤油とバター、レモン果汁などを練り込んだカカオバターが。
これを少しずつ溶かしながら味わえば、料理ジャンル・ノーボーダーな味変。
「小山シェフ、ラーメン店を出してください」って思わず呟いたのでした。笑
(現時点ではこの日限定メニューなのでご了承ください)
「フェリシモ」代表取締役社長・矢崎和彦さんと、小山進シェフ。
発見と学びが多いひとときを、ありがとうございました。
「大好きをつなげる生き方 小山進展」~遊びの中の土/遊びの中の紙~
2024.10.12 [SAT.] − 2025.4.6 [SUN.]
「フェリシモ チョコレート ミュージアム」
神戸市中央区新港町7-1 Stage Felissimo 2F