大阪・西心斎橋
「和洋遊膳 中村」
ご常連のおふたりナビのもと
細路地にある、浪速割烹の名店へ。
食業界を牽引する皆さまと
月例の情報交換会。
季節の移ろいと共に開かれる「外食首脳会」のよう。
近頃はもっぱら「単品注文の、醍醐味を語り合う」に
ふさわしい店が多い。
0次会からの流れ(これについては改めて)
ビールでクールダウン。
付き出しは、鯨汁
鯨皮は、コリッとろっ。
その旨みと白味噌が混じり合い、
小餅も入り、綻びる。
縦横びっしり連なる料理名。
この品書きを眺めながら飲める。そして決めきれない。笑
■なめろう
鯵の、じっとりと旨みが滲み出たところに
やんわり甘めの味噌が馴染む。
ゴマや薬味の按配もえぇ感じで、杯が止まらぬ。
■赤貝と九条ねぎ ぬた和え
主人・中村正明さんは、奈良に菜園を持ち
自ら野菜を栽培。この九条ねぎもその一つ。
辛子味噌は、甘さ程よくキレのある味わい。
だから赤貝も九条ねぎも素材らしさがくっきり。
畑と味づくりが直結する、中村さんの姿勢に感銘を受けました。
■ふぐ白子(天然) 塩焼
瞠目。
焼けた皮は香ばしく、とろとろの白子は口当たり滑らか。
濃厚と見せかけて、上品な甘みが堪んない。
■さわら 蕗味噌焼き
脂のり良く、しっとり、ほわほわ。
蕗味噌のほろ苦さとコクと、響き合う。
松葉打ちの黒豆、その艶やかさと味わいにも唸る。
■もろこ 天ぷら
身はふっくら。
もろこ特有の甘みと、わたの甘やかな苦味が重なり合う至福。
蕗の薹も。苦味が心地いい、春はすぐそこ。
この日はワインで通すことに。
Bourgogne Blanc 2022 Domaine Didier Fornerol
中村さんは、1995年の開業以降、
和洋の技を生かした味づくりはもちろん、
料理とワインとの相性を提唱し続けてこられた料理人。
だから、おすすめワインの種類も多く(グラスの種類も)発見多々。
■松葉がに 変わり天ぷら
カニの旨みを閉じ込めた、贅沢な「小宇宙」!
ズワイガニを薄焼き玉子と海苔で丁寧に巻き、天ぷらに。
衣の中で“蒸された”カニは、驚くほど香り高く、甘みが濃厚。
■ぶり大根 炊合せ
「骨までいけます」と中村さん。
しっとりと仕上げられたブリに、
煮汁が“しみしみ”の大根。
「骨まで愛して」の味わいの余韻に浸る。
「氷魚と芽わさび、うるいのお浸し」でホッと一息。
はらりと散らした海苔に至るまで、素材力がしっかり。
以上が「俺はこれ、私はあれ」と皆が好きな品を頼みながら
大将おすすめの品をお聞きしながら
「この食材、こんな感じにでけへんの?」的、
当意即妙もありつつの一品料理の数々。
ここからは「洋風」と書かれた品書きより。
■ポルケッタ(伊風の香草ローストポーク)
「え?ポルケッタまで作るんですか!?」
「娘に作って欲しい、と言われてね」って、大将……凄い。
フィリングにはセージやタイムなどハーブ各種。
外は香ばしく、中はジューシー。
噛むほどにハーブの芳しさが共鳴する。
付合せのじゃがいもグラタン風に至るまで、しみじみ美味だ。
カウンター割烹の醍醐味、いやそれ以上の嬉しい驚きが
「和洋遊膳 中村」にはある。
■甘海老クリームスープ カプチーノ仕立て
旨みは深く、甘みは優しく。あぁ、ほっこり
■ゴルゴンゾーラのクリームパスタ
〆にならない旨さ。
パスタは熱々、アルデンテの加減も申し分ない。
トリュフと松の実がいいアクセント。
■ドライカレー
黄身、最高。
和と洋のエッセンスが絶妙に融合。
スパイスの鮮烈な香りと、優しい旨みを感じ
一口味わうごとに、深みが増す。
■シーフードカレー
三重・志摩観光ホテルのメインダイニング「ラ・メール」修業時代の
エピソードと共に。なんて贅沢。
苺と共に「アールグレイのプディング」
「オレンジリキュールのジェラート」
デザートまで抜かりなく、口福感この上なかった。
和魂洋才の妙味、
主人と常客の掛け合い。
一品一品のエピソードと味わい深さに
魅了されっぱなしの夜でした。
中村さん、MさんSさん、かえちゃん
ありがとうございました。
「和洋遊膳 中村」
大阪市中央区西心斎橋2-3-22
06-6212-9217