小浜市「和旬いわもと」
若狭小浜の地物と、福井の地酒を愉しめる日本料理店。
店主は料理人であり唎酒師の岩本英俊さん。通称ヒデさん。
メニューは基本的に懐石コースのみ(¥11,000〜要予約)。
アラカルトも用意しているが、
初めて店を訪れる方は、
地元食材オンパレードのおまかせコースがおすすめですね。
その全てをヒデさんはワンオペ調理、というのだから凄い。
シケで漁も大変ななか、
地物オールスターズ。馳走の心を感じる品揃い。
小浜港で揚がった「越前がに」が鎮座。
じつは小浜揚がりのズワイガニもエピソードは深い(これは追って)。
もちろんタグは、船の名入り。「刺しがいい、焼きもお願い」など、
好みの調理法で。そんなやりとりも楽しい。
ビールで喉を潤し、スタンバイ。
■越前がに造り
艶やかで、透き通った味わい。
越前がに以外は
好みの料理をアラカルトでいただく。
■若狭まはた 薄造り
「若狭まはた」とは、若狭湾内の内浦湾で、養殖しているマハタのこと。
薄造りでもしっかりとした歯ごたえがあり、
じわじわと上品な旨みが滲み出る。

「越前がに」茹で。熱くはなく、冷たくもないちょうどいい温度帯で
身のピュアな甘みが際立つ。
■越前がに 握り
酢の粕と醤油を合わせたタレを少しつけて味わう。
混じり合う麹と酢の旨みが、
カニの身の甘みを引き立たせていた。
■赤バイ貝と「谷田部ねぎ」のぬた和え
「谷田部ねぎ」とは、曲がった根元と、質朴な甘みが特長。
とろりとしたその甘さ、赤バイ貝のコリコリ食感、
小浜ならではの山海の恵みを頬張る幸せ。
■越前がに味噌甲羅焼き
理屈抜きに旨い。
そして日本酒を欲してやまない。
「純米大吟醸若狭」(小浜酒造)
小浜を流れる南川の伏流水で仕込んだ純米大吟醸。
シルクのような喉越しと、品のよい香りが印象的。
山田錦の持つふくよかな旨みがありながらも、余韻はエレガント。
爪の、繊維太めのプリッとした弾力、濃い甘みに、
かに味噌という至福。
■こごみ たらの芽 菜花天麩羅
春はすぐそこ。
苦味と香りに、カラダが喜んでいるのがわかる。
■若狭牡蠣 酒煎り ぽん酢掛け
「若狭牡蠣」とは、小浜市の若狭湾(特に小浜湾)で養殖されるマガキだ。
子どもの頃、一斗缶を火にかけ、酒蒸しにしたのを家
族でつつき味わったもんだ。懐かしいー。
その身は、えぐみや磯臭さを感じず、甘みが濃ゆい。
しかも後味はじつにピュアだ。
■若狭牡蠣みぞれ鍋
やや弱火の火加減で、くつくつ煮立たせて。
ハフハフ頬張る。
大根おろしの甘みと牡蠣の旨みが混じり合い、
無言のニンマリが止まらん。
■地物あこや貝 かき揚げ
貝柱のコリコリとした食感、
加熱することで、独特の甘みが際立っていた。
「和旬いわもと」ではこんな逸品も。
どちらかというと、いわもとの看板料理は「若狭ぐじ」だろう。
懐石コースの中にも必ず登場する、この地ならではの食材だ。
「若狭ぐじ」とは、若狭湾で
延縄や釣り漁法により漁獲されるアカアマダイ。その中でも
厳格な基準(重量300g〜500g以上、美形、鮮度)をクリアしたものだけが
「若狭ぐじ」を名乗れる。
■若狭ぐじ鱗焼き
衣はザクザクッと香ばしく
余熱を通した身は、うる艶すごい。ぷるんとほどける身は
上品な旨みを放っていた。
塩ぽん酢餡のコクと酸味がいい仕事をしていた。
さらに和牛料理をいただき、
〆には海鮮丼や「小浜名産へしこ茶漬け」も。
若狭小浜の山海の恵みが皿の中に宿る。
ヒデさんの料理を通して、
この土地ならではの食の魅力と向き合えるのだ。
「和旬いわもと」は、料理とともに、
若狭小浜の時間そのものを楽しませてくれる。
「和旬いわもと」
小浜市駅前町4-30 KTビル1F
0770-52-6330