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新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!

岡山・備前市鶴海。
穏やかな瀬戸内海を臨む、のどかな地に、2023/9/3
「溢彩流香(イーサイリューシャン)」が移転オープン。
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新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09515590.jpg
1日1組限定。
「溢彩流香」としてはもちろんのこと、
オーベルジュとして(宿泊施設の名は「cRoom」)
新たな船出を切った店主のリンさん。
改めて、おめでとうございます!

新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09521003.jpg
大阪から車を走らせること約2時間で、別世界へ。
お腹はペコペコ、身体がリンさんの餃子や一品を欲しているのがわかる。

新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09550200.jpg
宿泊施設「cRoom」や予約については後ほど紹介するとして…
まずはおいしい時間の始まりです。



■冬瓜スープ
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豚スネ肉から引いたスープで、冬瓜を煮込んでいる。
冷やし固めたそれはトゥルンとしていて、クリアな味。
冬瓜の清々しさも上々。



■牛とセロリの水餃子
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新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09554909.jpg
懐かしい味!
牛の旨みを感じつつ、その肉汁は清々しい。
セロリがいい仕事してます。
はぁー幸せのため息。そして、なんぼでも食べられるわ。




「次はね、吉田さんのチーズを使った餃子を作ったから食べて欲しいです」とリンさん。
 岡山「吉田牧場」のチーズを用いた新作だ。
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新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09565396.jpg
うっすら黄色がかった生地は、
瀬戸内産の石臼挽きふくほのか(小麦粉)に卵を練り込んでいる。
具は吉田牧場のマジヤクリ、マッシュルーム、少しの豚肉。

新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09570603.jpg

瀬戸内のレモンを絞った塩レモンをチョンとつけて。
頬張れば、チーズのコクと、マッシュルーム&豚の優しい旨みがじんわりと。
レモンは酸味がやらこいから、気持ちのよ〜い感じに調和していた。


新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_12254465.jpg
リンさんはお庭で野菜やハーブを栽培している。
だから色白の水餃子は、海老と豚肉と自家栽培のバジル。
バジルの強すぎない爽やかさが、
プリッとした海老のピュアな甘味を引き立てていた。

新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09572559.jpg


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■水晶餃子
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見惚れてしまう・・・。
アカンアカン、と我に返り、アツアツをいただきます。


新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09575568.jpg
水晶のように透き通った生地は、艶々でプルルンッとしていて。
豚肉のジューシーさ、中国クワイのシャキシャキ感、
ハクサイ、ニラの味わい、それぞれの食感と風味が時間差でやってきて、
口福なんて言葉では言い表せないくらい幸せな結末。


食べるほどにお腹が空いてくる。めっちゃ久しぶり、この感覚。



■黒毛和牛ほほ肉 煮込み
新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09580501.jpg
酒、醤油、薬味や五香粉を加え煮込んだほほ肉は、
深いコクを感じながらも清々しい。
しっかりとした身質ながら、ほろりと崩れゆく繊維質が堪らん。
豆腐も忍ばせたゴーヤも、端正な味だし
庭で育てたパクチーの花が、初々しい香りを放つ。



■天然 鰻と ししとうの炒め
新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09581580.jpg
ネギ、生姜、塩を用いたシンプルな味わいながら
ムチッとした鰻のマッチョな感じに、クリアな風味に、
ぐいっと心を鷲掴みにされた。
何しろ、時折やってくるししとうの鮮烈な辛味が絶妙に相まって
軽くK点超えの感動。


新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09582673.jpg
いつもの「干し肉チャーハン」をおにぎりで。
五香粉のエキゾティックな香りが漂う、自家製の干し肉。
あぁこれこれ、もうめちゃ好きな味。
米パラ、按配優しく、ペロッと瞬時に消えた。



新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09583666.jpg
デザートには、シャインマスカットを。
パリッとした果皮と、弾力のある果実。
岡山の恵みをたっぷりいただきました。

瀬戸内市産の小麦粉、吉田牧場のチーズ、
地元農家の露地もんの季節野菜や
自家栽培のハーブや野菜を用いながら、料理を作る。
しかも、地元・備前の作家さんによるオリジナルの器も完成したらしい。

たまたま、ご縁があって備前らしいが
ゆっくりとした時間が流れる、風光明媚なこの地で、
地域に根差した味づくりは、リンさんがずっとずっとやりたかった夢だろう。

オーベルジュについては追って紹介しますね。
新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09584981.jpg


新「溢彩流香」、そして「cRoom」の料金体制ほか一部の情報が、
お店のブログで紹介されています。下記をチェック。

・新溢彩流香の一部を公表します
https://ameblo.jp/flowerloverlover/entry-12816476208.html

・11月12月の予約は可能になりました
https://ameblo.jp/flowerloverlover/entry-12819068528.html


リンさん曰く
「今年中は、ゆっくりやる予定です
 ご予約はどうぞ、08040176682まで」とのこと。

私は
秋冬、小豆島へ行く機会が増えるので
日生に前入りして、「溢彩流香」と「cRoom」を楽しみたいと思います。


「溢彩流香」Blog
https://ameblo.jp/flowerloverlover/


# by writer-kaorin | 2023-09-08 10:02 | 溢彩流香 | Comments(0)  

新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!

岡山・備前市鶴海。
穏やかな瀬戸内海を臨む、のどかな地に
「溢彩流香(イーサイリューシャン)」が移転オープン!
2023/9/3open
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1日1組限定。
「溢彩流香」としてはもちろんのこと、
オーベルジュとして(宿泊施設の名は「cRoom」)
新たな船出を切った店主のリンさん。
改めて、おめでとうございます!

新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09521003.jpg
大阪から車を走らせること約2時間で、別世界へ。
お腹はペコペコ、身体がリンさんの餃子や一品を欲しているのがわかる。

新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09550200.jpg
宿泊施設「cRoom」や予約については後ほど紹介するとして…
まずはおいしい時間の始まりです。


■冬瓜スープ
新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09552346.jpg
豚スネ肉から引いたスープで、冬瓜を煮込んでいる。
冷やし固めたそれはトゥルンとしていて、クリアな味。
冬瓜の清々しさも上々。



■牛とセロリの水餃子
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新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09554909.jpg
懐かしい味!
牛の旨みを感じつつ、その肉汁は清々しい。
セロリがいい仕事してます。
はぁー幸せのため息。そして、なんぼでも食べられるわ。




「次はね、吉田さんのチーズを使った餃子を作ったから食べて欲しい」とリンさん。
 岡山「吉田牧場」のチーズを用いた新作。
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うっすら黄色がかった生地は、
瀬戸内産の石臼挽きふくほのか(小麦粉)に卵を練り込んでいる。
具は吉田牧場のマジヤクリ、マッシュルーム、少しの豚肉。

新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09570603.jpg
瀬戸内のレモンを絞った塩レモンをチョンとつけて。
頬張れば、チーズのコクと、マッシュルーム&豚の優しい旨みがじんわりと。
レモンは酸味がやらこいから、気持ちのよ〜い感じに調和していた。


リンさんはお庭で野菜やハーブを栽培している。
でもって色白の水餃子は、海老と豚肉と自家栽培のバジル。
バジルの強すぎない爽やかさが、
プリッとした海老のピュアな甘味を引き立てていた。
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■水晶餃子
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見惚れてしまう・・・。
アカンアカン、と我に返り、アツアツをいただきます。


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水晶のように透き通った生地は、艶々でプルルンッとしていて。
豚肉のジューシーさ、中国クワイのシャキシャキ感、
ハクサイ、ニラの味わい、それぞれの食感と風味が時間差でやってきて、
口福なんて言葉では言い表せないくらい幸せな結末。


食べるほどにお腹が空いてくる。めっちゃ久しぶり、この感覚。



■黒毛和牛ほほ肉 煮込み
新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09580501.jpg
酒、醤油、薬味や五香粉を加え煮込んだほほ肉は、
深いコクを感じながらも清々しい。
しっかりとした身質ながら、ほろりと崩れゆく繊維質が堪らん。
豆腐も忍ばせたゴーヤも、端正な味だし
庭で育てたパクチーの花が、初々しい香りを放つ。



■天然 鰻と ししとうの炒め
新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09581580.jpg
ネギ、生姜、塩を用いたシンプルな味わいながら
ムチッとした鰻のマッチョな感じに、クリアな風味に、
ぐいっと心を鷲掴みにされた。
何しろ、時折やってくるししとうの鮮烈な辛味が絶妙に相まって
軽くK点超えの感動。


新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09582673.jpg
いつもの「干し肉チャーハン」をおにぎりで。
五香粉のエキゾティックな香りが漂う、自家製の干し肉。
あぁこれこれ、もうめちゃ好きな味。
米パラ、按配優しく、ペロッと瞬時に消えた。



新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09583666.jpg
デザートには、シャインマスカットを。
パリッとした果皮と、弾力のある果実。
岡山の恵みをたっぷりいただきました。

瀬戸内市産の小麦粉、吉田牧場のチーズ、
地元農家の露地もんの季節野菜や
自家栽培のハーブや野菜を用いながら、料理を作る。


たまたま、ご縁があって備前だったそうだが
ゆっくりとした時間が流れる、風光明媚なこの地で、
地域に根差した味づくりは、
リンさんがずっとずっとやりたかった夢だろう。

オーベルジュについては追って紹介しますね。
新「溢彩流香」と「cRoom」岡山・備前に誕生!_b0118001_09584981.jpg


新「溢彩流香」の一部が、お店のブログで紹介されています。下記をチェック。

・新溢彩流香の一部を公表します
https://ameblo.jp/flowerloverlover/entry-12816476208.html

・11月12月の予約は可能になりました
https://ameblo.jp/flowerloverlover/entry-12819068528.html


リンさん曰く
「今年中は、ゆっくりやる予定です
 ご予約はどうぞ、08040176682まで」とのこと。

私は
秋冬、小豆島へ行く機会が増えるので
日生に前入りして、「溢彩流香」と「cRoom」を楽しみたいと思います。


「溢彩流香」Blog ↓



# by writer-kaorin | 2023-09-08 10:02 | 溢彩流香 | Comments(0)  

「HAJIKKO RESTAURANT」(はじっこレストラン)@OSAKA FOOD LAB

大阪・中津にある「OSAKA FOOD LAB」(大阪フードラボ)

ご存知の方も多いと思うが、日本初のフードインキュベーション施設であり、
食でチャレンジしたい人を支援する場でもある。

おいしいく学びの多い食イベントもしょっちゅう開かれているこの場所。
先日、シェフとともに考えるフードロス解決に向けたイベントが開かれ、伺いました。

■HAJIKKO RESTAURANT(はじっこレストラン)
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今回は「HAJIKKO RESTAURANT」キックオフイベントとして実施する位置づけだそう。
趣旨に賛同するシェフとバーテンダーがそれぞれ“はじっこ”をテーマにメニューを考案。
何やら学びが多そうで、個人的にも興味津々!
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まずはチャレンジングなシェフ・ソムリエたちを紹介させていただこう。
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右は
南森町にあるフレンチ・イノベーティブ
La Kanro(ラ カンロ)」仲嶺淳一シェフ。
食材の端っこが、奇才シェフの手にかかるとどう変貌を遂げるのか、楽しみ!


左の、島村友多シェフは2022年2月、
中崎町にフードロス専門料理店「Hi, KI(ハイキ)」を開業。
今は、フードロスの中でも、鯛のアラに着目。
「Hi, KI」では、鯛の骨でスープをとる、鯛だし100%のラーメンを味わうことができる。



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盛り付けをしているシェフは
靱本町にある日本料理「靱本町がく」の今川 岳さん。
さすが、法善寺横丁『浪速割烹 㐂川(きがわ)』に入り約10年、経験を積まれだけあり
「始末の心」に育まれた大阪ならではの料理を、和魂洋才の技をもち提供。


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ラストは海外経験も豊富なバーテンダー・古瀬則彦さん。
京都、台湾、シンガポールのバーでキャリアを積み、
現在は、北新地にあるホテル「Zentis OSAKA」2Fにある
バー&レストラン「UPSTAIRZ」のバーマネージャーを務めている。



その端っこ食材には、大阪府産農水産物「大阪産(もん)」の
・菊菜
・枝豆
・ぶどう も活用するという。
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フードマイレージもきっちり、考えられているのがいいね。
名シェフと名バーテンダーたちの「端っこ」をテーマにしたクリエーションは、
おいしさも相まって唸りっぱなしだった。




そのメニューをご紹介。
■エイのエスカベッシュ(「La Kanro」仲嶺シェフ)
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エイをフリットにして、カレー味とバジルトマト風味のエスカベッシュに。
その身は、見た目からは想像のできない上品な味わい。
菊菜や玉ネギ、ニンジンの風味もいいね。

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仲嶺シェフ曰く「エイは、海の害魚と言われています」と。
養殖のアサリを食べたり、漁の網に絡まりダメージを与えたり。
獲れたとしても買い手がつかず、捨てられることも多いらしい。
仲嶺シェフは、エイがもつ白身魚のような淡泊な味わいを生かし切っていた。


■大阪産(もん)を使った3種のチョコレート(菊菜・枝豆・デラウェア)
(「La Kanro」仲嶺シェフ)
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(右から時計回りに)
「枝豆」
枝豆はピュレにして豆乳と共に撹拌。
さらに、90℃で1時間半かけ、水分を蒸発させながらミキシングして
豆乳に枝豆の香りを移したそう。そのガナッシュをホワイトチョコでコーティング。
枝豆の質朴な香りと甘みが生きていた。

「菊菜」
ピュレにしてホワイトチョコレートに練り込んだそう。
菊菜のほろ苦さを生かした見事な仕上がり!

「デラウェア」
「セミ・セミドライ」の状態に乾燥させ、カカオ(55%)を加えてミキシング。
あえて半生っぽく仕上げたデラウェアは、噛むほどに広がる甘酸っぱさが印象的でした。

フレンチの料理人が創造する端っこ食材を用いたショコラ、というイノベーション。
料理を味わっているような、香りの広がりや立体的な味わい、流石の一言です。




お次は、「靱本町がく」の今川 岳さんによる2品!
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■枝豆
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「枝豆の全てを使いました」と今川さん。
枝豆の枝は、オーブンで乾燥させた後にゆがき、枝豆の「枝の汁」に。
その汁で、枝豆をゆがいたそう。

枝とサヤからとっただしは、昆布を入れて煮出し、鰹節を合わせただしに。
塩、薄口醤油を入れて味を調え、冷製の薄葛仕立てに。
仕上げにサヤの粉末を回しかけている。
枝豆そのものに味付けはしていないとのことだが、
ふくよかな甘み、香りが生きていて、枝豆がより枝豆らしい味!という印象でした。


■菊菜 ■ハマチ
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今川さん曰く、「通常、菊菜は多めのお湯でゆがき、冷水にとり色止めします。
 今回は、あえて少なめの熱湯でゆがき、茹で汁ごと冷やしました」とのこと。
その菊菜は潰したのと刻んだものを2種揃え、生の菊菜と和えている。
塩など味付けを一切していないという潔さ。
ゆがき汁にとろみをつけているから一体感も素晴らしかった!

自家製の菊菜オイルを回しかけたハマチを「菊菜の菊菜和え」と共に。
素材をより素材らしく。という言葉がぴたりとくる、味わい深さがあった。
しかも「始末の心」を常日頃から実践されている、今川さんならではの発想に脱帽。






「Hi, KI(ハイキ)」の島村友多シェフ考案
■鯛白湯ラーメン
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鯛アラと香味野菜、水のみを高温で炊き上げた濃厚スープで仕上げた「鯛白湯ラーメン」。

島村シェフによると
「鯛の骨などアラの8割は廃棄さているんです」とのこと。
鯛そのものの風味を強く感じる「頭」、脂の旨みが強い「ハラ」、
雑味が薄い「背」、それぞれを霜降りにした後、
高火力で3〜4時間に出して白湯スープに。

その味わいは、濃厚でいてどこまでも清々しい。
多加水麺の、スープとの程よい絡みも秀逸だった。
しかも、煮出した鯛のほぐし身を、味噌漬けにして焼いたものをトッピングしていて、
食べ進むほどに、味の変化が楽しい一杯に仕上がっていた。
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島村シェフ曰く「鯛は、重宝される白身と、
その副産物の需要が釣り合っていないのが課題なんです。
何しろ鮮度がいいので、捨てるなんてもったいない!」って語りは熱かった。





最後は独創性の光るカクテルで締めることにしよう。
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「UPSTAIRZ」バーテンダー・古瀬則彦さんによる3品は、


■菊菜のレブヒート
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菊菜はドライシェリーと共に60℃で2時間、真空状態で低温調理。
シェリーに菊菜の香りと苦味を閉じ込めたという。
あえて炭酸を合わせることで、菊菜の香りをグッと感じ、
トニックウォーターのコクと苦味が、菊菜のほろ苦さを引き立てていた。
さっぱりとしたテイストで、1杯目に最高でした。



■枝豆のアレキサンダー
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枝豆はペーストにすることで、枝豆がもつ旨みを凝縮させつつとろりとした食感に。
その茹で汁には煮出した番茶を加えることで、香ばしさも加わり‥。

ユニークだったのは、茹で汁が持つ「泡立つ」性質(大豆レシチン)を活かし、
卵白の代替品として利用したこと。
その泡の質感は心地よく、枝豆の甘味や香り、
ホワイトカカオのコクが後味に広がる、満足度の高い一杯でした。
「このカクテルは、ビーガンのお客様に向けても
 非常にウケが良いと思います」と古瀬さん。またぜひ飲んでみたいです!


■ホールレモンスカッシュ
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カクテルに柑橘類を使う場合、果汁だけ、あるいは皮だけ香り付けすることも多い。
そこで古瀬さんは、レモンの種以外全ての部位を用い、
端っこを出さないノンアルコールカクテルに!
果汁の爽やかな酸味、皮、そして身と皮の間の香り…
レモン独特の個性がこの一杯に凝縮していた。


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この和気藹々とした感じ、大阪らしくて、めちゃ良かった。
フードロスの観点はもとより、「大阪産(もん)」についても学ぶことができ、
美味しく学びの多い時間でした。
仲嶺さん、島村さん、今川さん、そして古瀬さん、ありがとうございました!


主催者のこんなコメントが印象的だった。
「はじっこ=規格外、食材の端といった狭義に留まらず、
 世の中の端っこ、飲食店が声を上げづらい裏事情、等々…、
 そこに光を当て、作り手と食べ手が一緒に考えたら、世の中少し良くなるのでは?
 そんな発想から発足したのがHAJIKKO RESTAURANT。
 取り組みを継続しながら、食でやさしい街・大阪を実現できたらと思っています。」

このイベントを皮切りに、今後も継続的な展開を予定しているそうです。
2025年の「大阪・関西万博」の大阪府市パビリオンでの展開も計画中だとか。
今後も定点観測したいと思います!


主催:大阪商工会議所 
https://www.osaka.cci.or.jp/


# by writer-kaorin | 2023-09-04 16:08 | =取材= | Comments(0)  

夏色の「Fusible」

暑さが和らぐようで、まだむわっとする夜。
神戸・元町「Fusible」で、松本隆さん会。
夏色の「Fusible」_b0118001_09094958.jpg

そういえば今夜、放映ですね!松本さんTV出演、勝手に告知。笑

9/2(土)OA
「世界一受けたい授業」は
「心に響く歌詞」松本隆先生
https://www.youtube.com/watch?v=EuPlvuXr3m8&t=8s
ぜひご覧ください!


偶然にも、旧友・西加奈子(作家)も登場。
にしかなの最新作『くもをさがす』は、ぜひ読んでほしい。
移住先のカナダ・バンクーバーで、がんに罹患した彼女が、
振り絞り、滲み出るその一言一句、
どんなに多くの気づきと学びをもらったことか。
久しぶりに、何度も読み返している。


めちゃくちゃ嬉しい授業だ。
でも夜はライヴ参戦につき、TVerかな。



そして夏色の「Fusible」
スターターはRhône
「TiNUS Grand Rosé 2018 / Tourettes」

■Caponata 大羽イワシ/バジル
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じゅわっと程よく脂ののったイワシは、
プロヴァンスを感じさせるハーブが爽やかに香る。
カポナータ、夏野菜のクタクタすぎない食感もよく、
清々しい着地。



■Hamo 桃
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鱧?桃?って目を見張る。
その鱧は、ベニエ生地に抱かれていて
軽やかサックサク、ふっくら。
フレッシュな桃とそのチャツネは、
鱧・梅肉とはまた違う、優しい甘みと酸味を放つ。

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お供は、アルザスのゲヴュルツトラミネール。
桃の優しい甘みに、ゲヴュルツの濃密かつ品のあるエキス感が堪らなくハーモナイズ。


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■Ayu スイカ/エストラゴン
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鮎はコンフィにしているそうな。
ほおばると。ふんわり漂う甘くすがすがしい香りが、
スイカのエキスと共鳴。
皮目の香ばしさがいいアクセント。


そこにBeaujolaisのガメイを。
渋旨のニュアンスが、
鮎の肝の甘い苦みと共鳴していた。
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■Plaa Nung Manao(タイ風のお魚料理)
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甘鯛、若狭焼きを思い出させるこの風貌。
タイ風とあるが、タイの香りのスープ仕立てで。
バイマックル、レモングラス、酸味も程よい…現地の郷愁が、
蒸し暑い今日の気候にスッと馴染む。
しかも後味はタイではなく、和でもない
なぜなら、鶏のだしとグジのだしが、絶妙に絡み合うから。
室之園シェフのセンスを感じさせる見事な一皿。


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ここで、ペティヤン(白・微発泡)とは、サイコウ。
「Bulles de Vie 」
だしの旨みのその先と共に、気持ちよく響き合っていた。



■Summer Venison 赤ワインとベリーのソース
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夏鹿を塩釜焼きで。
ジュを煮詰め、赤ワインとクロゼイユからなるソースで。
皆さんよりは若干、火を入れていただいた
a pointとbien cuitのちょうど間あたり。
その身質はしっとり感この上なく、
どこかホッとするソースの深く、夏の終わりの清々しい香りがした。

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「Le Relais de Durfort-Vivens 2015/LE RELAIS DE DURFORT-VIVENS」
どこまでもクリーンでピュアな果実の凝縮感。
これは飲み続けていたい赤だった。




■Crêpe マンゴー/パッションフルーツ/ココナッツ
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目の前で焼き上げるクレープに、
マンゴー、ココナッツ、パッションフルーツのソースとクランブル。
小気味良い食感も、噛むほどに広がる南国的ニュアンスも、最高。

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シードルに、エルダーフラワー・シロップの香りと甘み。
いろんな甘酸っぱさが優しく主張し合う
クレープとのセッションは見事でした。



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小菓子は、小さなフィナンシェ バナナのピュレ。
焼き切ったフィナンシェの香ばしさに、
バナナのフレッシな芳しさと酸味が優しく寄り添っていた。


ベースにはクラシックな技が潜み、
各国のエッセンスが心地よく薫る。
季節の移ろい、さらには旅の記憶を蘇らせる
室之園シェフらしいクリエーションに唸る。
また、パティシエであり、ペアリング担当(ノンアルのそれも秀逸)
マダム尚美さんとのタッグが、驚きと幸せを生み出すのです。


「Fusible」
神戸市中央区北長狭通5-1-13 ベルビ山手元町1F
050-3204-3196
open:通常は[木・金]18:00~23:00、
      [土・日]12:00~15:00、18:00~23:00
close:月・火・水曜
https://fusiblekobe.com/
https://www.instagram.com/fusible.kobe/





# by writer-kaorin | 2023-09-02 09:18 | Fusible | Comments(0)  

「チチェルキア」でマルケ州、夏の味。

毎度なメンバーと一緒に
マルケ料理専門「オステリア ラ チチェルキア」へ。

っと、その前に、アペリティーヴォはこちらでと決まっている。
大阪のミオバール「プント エ リーネア」。
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鎌田さん渾身の一杯は、
ピエモンテのジンがベース。
すりこぎで摺ったフレッシュタイム&オレガノの香りや
レモンの清々しさが心地よく広がる。
トリノの旅話を聞きながら、しばしイタリア妄想旅気分。
この時間が大好きだなぁ。



そして「チチェルキア」。
まずはマルケの泡「GAROFOLI」で乾杯♪ あぁ落ち着くいつものこの味。
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◆肉詰めオリーブのフリット
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大粒オリーブから肉の旨みじわり。
オリーブのやらこい按配もいい



◆トリッパと豆のピリ辛トマト煮込み
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大好物ーーーー。
トリッパは、ぷるるん厚みがあり
豆の素朴な甘みとトマトの旨みがじんわ〜りと絡む。
これはもう一皿、独り占めしたくなるくらい魅惑的かつ
懐かしい現地の味。



◆キャベツとじゃが芋 ローズマリー風味
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シンプルの極み。キャベツとじゃが芋だけとは思えないくらい
味わいに深みがある。
オリーブオイルもローズマリーも上質なんだろう。
連久美子シェフ曰く、キャベツは塩茹でしてから炒めているそうな。
家で実践してみよう。




◆ウサギのポッタキオ
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またもや大好物がやってきた。
うさぎは風味よく、味わいしっかり。そこに重なり合う
夏野菜やトマトの凝縮感ある味わいが堪らんねー。


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飲み過ぎweekだったので、おとなしくずっと同じ泡で通すことに。



◆マルケ州産 サマートリュフのタリアテッレ
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自家製タリアテッレ、見えへん。笑


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その麺に優しいバターソースが絡み、トリュフが爽やかに香る。
タリアテッレ自体も旨いから、まるで飲み物のようにスルスル、ノンストップ。




◆有機ブルーベリーのクロスタータ(タルト)
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有機ブルーベリーを用いたフィリングも自家製。
生地はどこまでも素朴な味わいで、ブルーベリーの野生味ある香りが生きる。
連シェフ、Merci!



お腹も心も大満足。大阪にいながら、マルケの夏を堪能したのでした。



「オステリア ラ チチェルキア」
☎大阪市西区京町堀2-3-4 Sun-Yamato Bld.303
06-6441-0731
open :通常は18:00〜翌0:00LO(日曜14:00〜23:00LO)
close:火曜、月1不定休あり

osteria.la.cicerchia(チチェルキア )
l’Attico(アッティコ)




# by writer-kaorin | 2023-08-26 08:29 | ラ・チチェルキア | Comments(0)