梅雨が明け、大好きなシーズンがやってきた!
脳内には、夏の名曲がリフレイン。
先週末、近場の異国へ行っていました。
雄大な海と空をのぞむ、島のオーベルジュ
ホテルアナガ(HOTEL ANAGA)@淡路島・南あわじ
お部屋などの紹介は後にするとして。
ランチに伺った、フレンチレストラン「カドー・ドゥ・ラ・メール」での感動を。
「絶景」なんて言葉を遥かに超えたこのロケーション。
空が広く青く、すぐそこには大鳴門橋。
肉眼で渦潮(うずしお)を望むことだってできる。
コースの始まりは、3種のアミューズから。
石や砂岩は、敷地内の岩場で、料理長・島岡雄一さんが採ってきたものらしい。
「北坂卵のフラン」は卵そのもののコクが深い。オクラ、イカ、キャビア入り。
ムール貝は2種の調理法で。「アスピック」は澄んだエキスが舌を喜ばせるし
「ア・ラ・クレーム」は、ミルキーなコクが加わる。
「トマトタコタコス」はタコのトマト煮込みの清々しい旨みが広がった。
バターがめっちゃ淡路島!そして地元の藻塩で「沼島」を模っている。
プティパン、トウモロコシのパン。どちらも素朴で味わい深く、思わず食べ進む。
■真鯛の生ハムと小茄子のマリネ
真鯛のねっとりと絡みつく旨みは、確かに生ハム的。
小茄子は、皮を素揚げに、刻んだ茄子にはヴィネガーの酸味を効かせ、さらに
まったりと甘みを感じさせる茄子のピュレ…と、三者三様の表情が心地いい。
■鱧の炙りとフリット 発酵檸檬のコンディモン
鱧を2種の調理法で。
炙りは、ホクッとむっちり食感、淡路の夏の香りがするねー。
かたやフリットは、蒸された身の濃密な甘みを感じつつ、鱧の香りがより高く。
島岡シェフ曰く「柚子胡椒のような発想で」と、
発酵レモンにはピーマンのピュレも混ぜ合わせているとか。
まぁるい酸味とほろ苦さに、ピーマンの清々しい風味が生きている。
ツルムラサキ、空芯菜、万願寺唐辛子、ミョウガなど地野菜の味わいも濃かった。
■“スペシャリテ” 鮑を詰めた玉葱の塩釜焼き
塩釜のなかには、丸ごとタマネギ!堂々とした風貌。
中には、ムチホロッとした柔らかなアワビや、香る椎茸に、肝ソースが絡む。
さらに、パセリバターのソースがいいアクセントになり
エスカルゴバター?アヒージョ?そんなニュアンスも。
タマネギは、柔らかすぎず硬すぎず、透き通った甘みを撒き散らす。
そう、鮑に引けを取らないタマネギの存在感が凄いの。
タマネギの栽培法、目利き、オーブンでの緻密な火入れ…。
淡路島という地で、島岡シェフの技をもって、生み出されるスペシャリテだと実感。
■淡路和牛のロティ
小さい豆をのせたズッキーニのバトー
淡路和牛・経産牛のサーロイン。
低温調理の後、表面を香ばしくさせたそれは、ねっとりと舌に絡みつつ、
赤身の濃厚な旨みが、じわっじわっと押し寄せる。あっさりとした脂の質感も良いのだ。
ソース・ペリグー、ズッキーニのピュレと共に。
そしてデセールへと。
■こんがり焼きトウモロコシ
トウモロコシ入りカスタードアイス、ピュレ、スフレ、キャラメリゼ…
素材を素材らしく、いやトウモロコシそのものの香りと、糖度の高さを
単体以上に感じさせる一皿でした。キャラメリゼの郷愁もいい感じ。
■ピーチメルバ
桃のコンポート、
桃とヨーグルトのエスプーマの中には、桃のコンポートとバニラアイス、
さらに桃と白ワインからなるジュレで清々しく。
舌触りや温度の違いが楽しい。しかもこちらはめっちゃ桃、しかも上品な。
■小さな焼菓子
岩を削り取ったかのような器の上には
左から、ブールドネージュ、アマゾンカカオのガトー、マドレーヌ、紅茶のクッキー、
フロランタン、抹茶マカロン、フィナンシェ。どれも魅惑的小宇宙。
カモミールティーで寛ぎのとき。
食後は、料理長・島岡雄一さんとお話することができました。
淡路島へ移住して5年目。
この島の魅力を、いかに感じ取り、料理に表現しているかがわかる。
78年、千葉県生まれの島岡さん。19歳で語学留学のためにアイルランドへ。
その後、バックパッカーで世界を旅し、23歳で飲食業界へ。
イタリアンからフレンチに転身し、東心斎橋「ル・クロ」グループや
豊中「ラ・メゾンブランシュ」を経て、26歳でフランスへと渡り、
フランスの三ツ星「マルク・ヴェラ」、二ツ星「リシャール・クタンソウ」にて修業。
帰国後は、伊豆「アルカナイズ」で副料理長として1年、
「ラ・メゾンブランシュ」で1年勤めた後、
大阪・本町「カルト ブランシュ」の料理長に。
2018年、ホテルアナガ「カドー・ドゥ・ラ・メール」の料理長に就任したという。
共通の友人シェフの話題も多く、初めましての気分じゃなかった。笑
海辺のオーベルジュで味わう、淡路島ならではの恵みと海絶景。
わざわざ目掛けていきたい、フレンチレストランに出会えた喜びを噛み締める。
島岡シェフ、ありがとうございました。
「ホテルアナガ」という宿自体が魅力に溢れているから、
おこもりしたくなるのは当然。
2023年にリニューアルした客室へ。
広いテラスにはジャグジー。
眼下にはプールもあり、ここは沖縄か?南フランスか?なシーサイドビュー。
読書や書き物に集中できる大テーブルがあるのも私好み。
大阪から車で2時間のシーサイドリゾート。
来月もこの地へやってこようと心に決めたのでした。
こちらは、愛犬家にオススメです。
「HOTEL ANAGA」(ホテルアナガ)
南あわじ市阿那賀1109
0799-39-1111(代表)
「カドー・ドゥ・ラ・メール」