大阪駅の目の前にそびえ立つ
「ウォルドーフ・アストリア大阪」。
この日は、シグネチャーレストラン「月見」で会食。
ホテルの象徴ともえる
「ピーコック・アレー」では
ウォルドーフ・アストリア大阪×ティファニーの
特別なホリデー・コラボ「A Legacy of Elegance」が始まったばかり。
(ヘベレケの夜はその前日)
「月見」には鉄板カウンターと、寿司カウンターがあり、
いずれもその道の名匠が、腕を振るう。
「寿司カウンター」では
大将・久保田雅さんによる江戸前寿司を味わうことができる。
サイト情報によると、大将は
「鮨 赤坂利久」をはじめ、「銀座 かね勢」さらに
「鮨 さいとう」にも籍を置いたキャリア。
私が伺ったのは、鉄板カウンターだ。
ピッカピカの鉄板台と、
その向こうに輝く夜景に見惚れる。
鉄板焼きカウンターでは、麻布十番「石垣吉田」監修のもと、
高橋慎也シェフが腕を振るう。
高橋シェフは、関西の名だたるホテルの鉄板焼きの名門で技を磨かれた。
その間、新規レストランの立ち上げや、鉄板焼部門の要職を歴任した料理人とのこと。
のっけから、髙橋シェフのトークに引き込まれ、
はじめましての気がしない。笑
■Moët & Chandon
Grand Vintage 2015 Extra Brut
マグナムボトルをグラスで味わえる贅沢。
コクがあり豊かでしなやか。余韻に広がる酸が美しい。
なんやたいそうな逸品が目の前に。
神戸ビーフコンテストで最優秀賞を獲得した
長期肥育した雌牛のサローインが鎮座する。
髙橋シェフの手元では、フィレが輝いている。
すでに鉄板の上では調理が始まっていて。
まずは80℃前後の低温で、ゆっくり熱を入れ始めるところから。
■本鮪タルタル 備長炭の米チップ
豊洲「やま幸」から届いた大間・本鮪をタルタルに。
ねっとり絡む、鮪の清々しい風味と脂の甘み。
そこに、焼きなすのピュレ、
食用の備長炭を練り込んだライスチップとの相性良き。
ピクルスの酸味が時おり弾む、見事なスターター。
なるほど。寿司カウンターがあるからこそ
上等な魚介を使い分けできるのも「月見」の強みか。
■毛蟹と河豚白子の茶碗蒸し
茶碗蒸しの地は、潔いほどシンプル。
そこに毛蟹の旨み、白子のピュアな甘みが寄り添う。
さらに「かにだしあん」の深みにハマる。
■甘鯛シソヤード 雲丹 蕪のソースで
シソヤードとは、ペルシャード(香草パン粉)の「月見」版。
大葉と、食用竹炭を用いた自家製パンから作ったパン粉を、
甘鯛に纏わせている。その身ははふっくらしっとり。
大葉の香りが寄り添う。
蕪のソース、雲丹、蛤の泡と共に。
「STAG'S LEAP WINE CELLARS
AVETA SAUVIGNON BLANC 2023」(US/ナパ・ヴァレー)
ソーヴィニヨン ブランの香味と樽熟のフレーバーが、
甘鯛シソヤードの香ばしさと清々しさと、美しく共鳴する。
「お口直しです」と披露されたのは出雲手打ち十割。
なんと・・・自家製。髙橋シェフ、どこまで職人なんや。笑
■出雲手打ち十割 唐墨おろし蕎麦
噛むほどに広がる、純粋な蕎麦の香りとコシ。
そこにカラスミ(削りと炭焼き)それぞれが個性を放つ。
大根おろしとつゆの按配も良き。
いよいよ真打の出番。
鉄板でじっくりと時間をかけた低温調理のあとは、
高温の紀州備長炭で仕上げていく。
■TSUKIMI 特撰神戸ビーフ
究極のクリスピー焼き
見惚れる…。
まずはサーロインを味わえば、
香ばしい表面がシャクッと弾け、舌の上でほどけていく。
しっとりときめ細かな赤身に、清新な脂が寄り添い、
甘さ、香り、余韻——どれも繊細でありながら力強く、
まさに“神戸ビーフ”の名にふさわしいオーラを放つ。
続いてフィレを。
外はクリスピー、中は絹のようにしっとり。
まさに極みの「クリスピー焼き」
噛むほどに上質な赤身の甘みが静かに広がり、ただただ美しい味。
そのまま味わいつつ、
与那国の塩、静岡の本わさび、龍神梅、にんにくダレ。
それらの中でもお気に入りは
龍神梅の刻み梅干しと本わさび。
この組み合わせ、上等だった。
そして「503 塩尻メルロ 2022」という至福。
熟れた果実味と、上品な樽香が印象的だった。
土鍋ごはん、炊き上がり。
■特製ガーリックライス
牛の味噌麹漬け スープ 香の物
神戸ビーフ入りのガーリックライスは、ハラハラ軽やか。
大葉やゴマ、ニンニク醤油がアクセントになり
なんぼでもいけそうな。笑
コンソメスープの滋味に癒され
味噌麹漬けのお肉や、しば漬けが、ご飯泥棒だった。
■練り立てわらび餅 八女抹茶アイスクリーム
わらび餅のなめらかな弾力、そこに
八女抹茶のコク深い味わいというハーモニー。
■小菓子
大福(焼き芋)アイス ワインのジュレ
チーズケーキのタルト
カヌレとバニラのボンボン(アングレーズと、ラムの香りのゼリー)
プティフールまで手が込んでいる。
ハーブティーで清々しいフィナーレ。
素晴らしい夜。
高橋シェフは、ただ焼く人ではなく、その夜を組み立てる演出家。
火入れの技、素材の組合せの妙、コース構成、トークの間合い。
ひとつひとつが絶妙で、「食べている」というより
"この時間を味わっている”という感覚になる。
気づけば、料理も会話も、ワインの香りも全部つながって、
体験そのものが記憶に残る。そんなひとときでした。
ご一緒いただいたOさん、ありがとうございました✳︎
「月見」
大阪市北区大深町5-54 グラングリーン大阪 南館
ウォルドーフ・アストリア大阪29F